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CTDI(Computed Tomography Dose Index:CT線量指標)

CTの線量を表す基本の指標。CTDIw・CTDIvolの違い、ピッチとの関係、そして「CTDIは患者の被ばく線量ではない」という一番大事な注意点まで。

一言でいうと

CTDI(CT Dose Index)は、CTがどれくらいの線量を出しているかを表す、装置側の基本指標です。CTの被ばく管理は、まずこの数字から始まります。

段階的に理解する

CTDIにはいくつか種類があり、順番に積み上がっていきます。

① CTDI₁₀₀

ファントムに開けた穴に長さ100 mmの電離箱を入れて測った値です。測定の出発点になります。

② CTDIw(weighted CTDI:重み付けCTDI)

X線は体の表面のほうが多く当たり、中心にいくほど減ります。そこで断面内の場所による差を平均します。

CTDIw = (1/3) × 中心の値 + (2/3) × 周辺の値

周辺の重みが2/3と大きいのは、周辺の測定点が4か所あり、断面の外側のほうが体積として大きいためです。この係数はそのまま問われます。

③ CTDIvol(volume CTDI:体積CTDI)

ヘリカルCTでは、寝台が動く速さによって同じ場所への重なり方が変わります。それを反映したのがCTDIvolです。

CTDIvol = CTDIw ÷ ピッチ

ピッチが大きい(寝台が速く進む)と、すき間が空くように撮るので線量は下がります。ピッチが小さい(ゆっくり進む)と重なりが増えて線量は上がります。

装置のコンソールに表示されるのは、通常このCTDIvolです。単位はmGyです。

最大の注意点 — 患者の被ばく線量ではない

ここがいちばん大事なところです。

CTDIは、決められたアクリル(PMMA)のファントムを撮ったときの値です。実際にそこに寝ている患者さんの体格はまったく考慮されていません。

ファントム直径用途
頭部用16 cm頭部・小児
体幹部用32 cm成人の体幹部

同じ撮影条件でも、どちらのファントムを基準にしたかでCTDIの数値は2倍以上変わります。表示値を比べるときは、基準ファントムを確認する必要があります。

そして体格の影響です。

  • 細い人は、同じCTDIvolでも実際に受ける線量は高くなる
  • 太い人は、実際に受ける線量は低くなる

つまりCTDIvolは「装置がどれだけ出したか」の指標であって、「その人がどれだけ浴びたか」ではありません。

この差を埋めるために、体格を加味した SSDE(Size-Specific Dose Estimate) という指標が使われるようになっています。

DLPと実効線量

CTDIvolは「1回転あたり」の線量なので、検査全体の量を知るには撮影範囲の長さを掛けます。

DLP(mGy·cm)= CTDIvol × 撮影範囲の長さ

さらにDLPに部位ごとの係数を掛けると、実効線量(mSv)のおおよその推定になります。

  • CTDIvol … 1回転あたりの濃さ
  • DLP … 検査1件の総量
  • 実効線量 … 全身への影響として換算した値

DRLとの関係

自施設のCTDIvolやDLPが高すぎないかを点検する基準が、DRL(診断参考レベル)です。DRLを超えていたら撮影条件を見直す、という使い方をします。

DRLは「これを超えてはいけない上限」ではなく、見直しのきっかけにする目安である点に注意してください。

国試ではこう出る

  • CTDIvol = CTDIw ÷ ピッチ。ピッチを大きくすると線量は下がる。式の向きを逆にしない。
  • CTDIwは断面内の重み付け平均で、中心1/3+周辺2/3。周辺のほうが重みが大きい。
  • CTDIは「ファントムに対する線量」であって、その患者が受けた線量ではない。体格を反映しないため、細い人ほど実際の線量は高くなる。ここが最大のひっかけ。
  • ファントムは頭部16 cm・体幹32 cmのPMMA製。同じ撮影条件でも、どちらのファントム基準かでCTDI値は変わる。

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