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過去問解説

第75回 診療放射線技師 国家試験(午前)解答・解説

問1 元素記号 F と同じ族に属する元素はどれか。

  1. C
  2. O
  3. P
  4. Cl
  5. Ar
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正解:4

  • 1 ✗ C(炭素)は14族。
  • 2 ✗ O(酸素)は16族で、カルコゲンに属する。
  • 3 ✗ P(リン)は15族。
  • 4 ○ F(フッ素)は17族(ハロゲン)で、Cl(塩素)も同じ17族。
  • 5 ✗ Ar(アルゴン)は18族の希ガス。

問2 核反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. Q値が正の反応は吸熱反応である。
  2. 荷電粒子を加速するために原子炉が用いられる。
  3. 中性子を加速するためにサイクロトロンが用いられる。
  4. 入射粒子が中性子のとき、クーロン障壁の影響を受ける。
  5. 反応を起こすのに必要な最小のエネルギーを、しきい値という。
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正解:5

  • 1 ✗ Q値が正なら、エネルギーを放出する発熱反応である。吸熱反応はQ値が負。
  • 2 ✗ 原子炉は中性子の発生源であって、荷電粒子の加速器ではない。荷電粒子はサイクロトロンなどで加速する。
  • 3 ✗ サイクロトロンは電場と磁場で荷電粒子を加速する装置。中性子は電荷をもたないため加速できない。
  • 4 ✗ クーロン障壁は電荷どうしの反発によるもの。電荷をもたない中性子は影響を受けず、低エネルギーでも原子核に入り込める。
  • 5 ○ しきい(閾)エネルギーの定義そのもの。吸熱反応で必要になる。

問3 放射性核種の分離法に関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 電気泳動法では加熱を行う。
  2. ペーパークロマトグラフィでは Rf 値を比較する。
  3. 薄層クロマトグラフィでは移動相にキャリアガスを用いる。
  4. 共沈法では、不要な放射性核種を沈殿させるために捕集剤を用いる。
  5. イオン交換クロマトグラフィでは、分離を速めるためにポンプを用いる。
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正解:2

  • 1 ✗ 電気泳動法は電場をかけて移動度の差で分ける方法で、加熱はしない。
  • 2 ○ Rf 値(原点からの移動距離 ÷ 溶媒先端までの距離)を標準品と比べて同定する。放射性医薬品の品質管理でも使われる。
  • 3 ✗ キャリアガスを使うのはガスクロマトグラフィ。薄層クロマトグラフィの移動相は液体である。
  • 4 ✗ 共沈法は、目的とする微量の核種を担体(捕集剤)とともに沈殿させて回収する方法。「不要な核種を沈殿させる」が誤り。
  • 5 ✗ ポンプで加圧して速度を上げるのは高速液体クロマトグラフィ(HPLC)。通常のイオン交換では重力で流す。

問4 標識化合物の分解に関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 分解速度はγ線で最も大きい。
  2. 細菌やカビによる分解は考慮しなくてよい。
  3. 放射性壊変そのものによる分解を防ぐ方法はない。
  4. 放射線分解の起こりやすさは、比放射能とは関係しない。
  5. ラジカルによる分解を防ぐには、有酸素状態が望ましい。
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正解:3

  • 1 ✗ 分解は電離密度が高いほど大きい。LETの低いγ線より、α線など高LET放射線のほうが分解は大きい。
  • 2 ✗ 微生物による分解(生物学的分解)も起こるため、保存には配慮が必要。
  • 3 ○ 標識に使った核種そのものが壊変して別の元素に変わる「一次内部分解」は、原理上さけられない。
  • 4 ✗ 比放射能が高いほど自己放射線分解を受けやすい。関係する。
  • 5 ✗ 酸素があるとラジカルの反応が促進される。分解を抑えるには脱酸素・低温・希釈保存が望ましい。

問5 X線照射野と光照射野のずれについて、JIS規格の許容値を超えないのはどれか。

問5の図(出典:厚生労働省)
  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E
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正解:2

  • 判定の基準は、向かい合う2辺のずれの合計が、焦点‑受像面間距離の2%以内であること。X方向・Y方向のそれぞれで確認する。
110 cm×0.02=2.2 cm110 \text{ cm} \times 0.02 = 2.2 \text{ cm}
  • 図の数値を、向かい合う辺どうしで足していく。
X方向の合計Y方向の合計判定
A1.0+1.5 = 2.51.3+1.0 = 2.3
B1.0+1.2 = 2.21.1+1.1 = 2.2
C1.3+1.4 = 2.71.3+1.2 = 2.5
D1.0+1.5 = 2.51.3+1.2 = 2.5
E1.2+1.3 = 2.50.8+1.2 = 2.0
  • 1 ✗ X方向の合計が2.5 cmで超過。
  • 2 ○ X・Yとも合計2.2 cmで、ちょうど許容値内。
  • 3 ✗ X方向2.7 cm、Y方向2.5 cmでいずれも超過。
  • 4 ✗ X・Yとも2.5 cmで超過。
  • 5 ✗ X方向が2.5 cmで超過。
  • 1辺ずつ見ると、どれも2.2 cmを超えていない点に注意。片辺だけで判断すると全部が合格に見えてしまう。合計で見るのがこの問題の要点。

問6 厚生労働省の通知で、保守点検計画を策定すべき装置として規定されていないのはどれか。

  1. 診療用粒子線照射装置
  2. 血管造影X線診断装置
  3. X線CT装置
  4. 磁気共鳴画像診断装置(MRI装置)
  5. 診療用放射線照射装置(ガンマナイフなど)
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正解:2

  • 医療法施行規則にもとづく通知では、保守点検計画の策定が特に求められる医療機器として、CT・MRI・診療用高エネルギー放射線発生装置・診療用粒子線照射装置・診療用放射線照射装置などが挙げられている。
  • 1 ✗ 規定されている。
  • 2 ○ 血管造影X線診断装置は、この一覧に挙げられていない。これが正解。
  • 3 ✗ 規定されている。
  • 4 ✗ 規定されている。放射線を出さないMRIも対象に入っている点に注意。
  • 5 ✗ 規定されている。

問7 超音波ドプラ法に関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. リニア型プローブでは実施できない。
  2. パワードプラ法では血流速度を知ることができない。
  3. パワードプラ法では造影剤の静脈内投与が必要である。
  4. カラードプラ法では折り返しアーチファクトを生じない。
  5. カラードプラ法では腫瘍内部の血流を表示できない。
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正解:2

  • 1 ✗ リニア型でも実施できる。頸動脈や四肢血管など、体表に近い部位ではむしろリニア型が主役。
  • 2 ○ パワードプラは、ドプラ信号の強さ(パワー)だけを色にしたもの。速度も向きも分からないかわりに、角度依存性が小さく低速血流に強い。
  • 3 ✗ 造影剤は必須ではない。
  • 4 ✗ カラードプラは速度を位相で求めるため、ナイキスト限界を超えると折り返し(エイリアシング)が起こり、色が反転する。
  • 5 ✗ 腫瘍内部の血流評価はカラードプラの得意分野のひとつ。

問8 管電圧100 kV、管電流800 mA、撮影時間0.1 s、管電圧リプル百分率12%のインバータ式X線装置がある。公称最大電力[kW]に最も近いのはどれか。

  1. 59.2
  2. 76.0
  3. 80.0
  4. 96.0
  5. 125.0
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正解:2

  • 公称最大電力は、管電圧100 kV・負荷時間0.1 sのときの最大電力で表す。リプルがある場合は、最高値ではなく平均管電圧を使う。
リプル百分率=VmaxVminVmax×100=12 %\text{リプル百分率} = \frac{V_{max} - V_{min}}{V_{max}} \times 100 = 12\ \% Vmin=100×(10.12)=88 kVV_{min} = 100 \times (1 - 0.12) = 88\ \text{kV} Vmean=100+882=94 kVV_{mean} = \frac{100 + 88}{2} = 94\ \text{kV} P=94 kV×0.8 A75 kWP = 94\ \text{kV} \times 0.8\ \text{A} \approx 75\ \text{kW}
  • 1 ✗ 小さすぎる。
  • 2 ○ 計算値にいちばん近い。
  • 3 ✗ 80.0 kW はリプルを無視して 100 kV × 800 mA としたときの値。リプルを考えていない。
  • 4 ✗ 大きすぎる。
  • 5 ✗ 大きすぎる。

問9 DXA方式の骨密度測定装置に関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 横断像を用いて測定する。
  2. 骨密度の単位は cm²・g⁻¹ である。
  3. 検出器に BaFX:Eu²⁺ が用いられる。
  4. アルミニウム製の基準物質を同時に測定する必要がある。
  5. 被検者に2種類の異なるエネルギーのX線を照射して測定する。
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正解:5

  • 1 ✗ DXAは前後方向などの投影像(2次元)で測定する。横断像を使うのはQCT。
  • 2 ✗ 単位は g/cm²(面積あたりの質量)。分母と分子が逆になっている。
  • 3 ✗ BaFX:Eu²⁺ はイメージングプレート(CR)の輝尽性蛍光体。DXAの検出器ではない。
  • 4 ✗ アルミニウム基準物質を併置するのはMD法(microdensitometry)。DXAでは不要。
  • 5 ○ DXA=Dual-energy X-ray Absorptiometry。高低2つのエネルギーでの減弱の差から、軟部組織の影響を差し引いて骨塩量を求める。

問10 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に規定される医療機器について、正しいのはどれか。

  1. 再生医療等製品は医療機器に含まれる。
  2. 添付文書の記載事項は規定されていない。
  3. 「一般医療機器」「管理医療機器」「高度管理医療機器」に分類されている。
  4. 「特定保守管理医療機器」とは、特定の条件下で保守管理が免除されるものをいう。
  5. 疾病の診断・治療を目的としたプログラム(ソフトウェア)は医療機器に該当しない。
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正解:3

  • 1 ✗ 再生医療等製品は、医薬品・医療機器とは別の区分として定義されている。
  • 2 ✗ 添付文書に記載すべき事項は法律で定められている。
  • 3 ○ 人体へのリスクの大きさに応じて、一般(クラスⅠ)・管理(クラスⅡ)・高度管理(クラスⅢ・Ⅳ)に分類される。
  • 4 ✗ 逆。保守点検・修理に専門的な知識と技能を要し、適正な管理が必要な機器のこと。免除される機器ではない。
  • 5 ✗ プログラム医療機器(SaMD)として医療機器に含まれる。画像診断支援AIなどが該当する。

問11 永久磁石を用いたMRI装置の特徴として、超電導磁石を用いた装置と比べたときに正しいのはどれか。

  1. 磁場強度が高い。
  2. クエンチが発生しない。
  3. 磁場の安定性が優れる。
  4. 電波シールドが不要である。
  5. 傾斜磁場コイルが不要である。
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正解:2

  • 1 ✗ 永久磁石は0.2〜0.4 T程度が一般的で、超電導(1.5〜3 T)より低い。
  • 2 ○ クエンチは、超電導状態が破れて液体ヘリウムが急激に気化する現象。液体ヘリウムを使わない永久磁石では起こらない。
  • 3 ✗ 永久磁石は温度によって磁場が変動しやすく、安定性は超電導に劣る。
  • 4 ✗ 磁石の種類にかかわらず、外来電波を防ぐシールドルームは必要。
  • 5 ✗ 位置情報を得るための傾斜磁場コイルは、どの方式でも必須。

問12 超音波検査の特徴として、正しいのはどれか。

  1. 部分体積効果を生じない。
  2. 再現性は術者に依存しない。
  3. 任意の断層面を選択できない。
  4. Mモードは心臓の検査に用いる。
  5. 深部の観察には高い周波数のプローブを用いる。
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正解:4

  • 1 ✗ ビーム幅(スライス厚)の中で平均化されるため、部分体積効果は生じる。
  • 2 ✗ 超音波は術者がプローブを当てて描出するため、再現性は術者の技量に大きく依存する。これが最大の弱点。
  • 3 ✗ プローブを自由に動かせるので、任意の断面を出せるのがむしろ長所。
  • 4 ○ Mモード(motion mode)は、1本の走査線上の動きを時間軸で表示する方法。弁や壁の動きを見る心エコーで使う。
  • 5 ✗ 周波数が高いほど分解能は上がるが減衰も大きく、深部には届かない。深部には低い周波数を使う。

問13 DSAに関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 静脈は描出できない。
  2. 体動の影響を受けない。
  3. 撮影中に画像を確認することはできない。
  4. リカーシブフィルタはノイズを低減する。
  5. 血管の輪郭を強調するために低周波数強調フィルタを用いる。
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正解:4

  • 1 ✗ 造影剤が到達すれば静脈相も描出できる。
  • 2 ✗ マスク像とライブ像の引き算なので、体動に非常に弱い。ずれると骨の輪郭が二重に残る(モーションアーチファクト)。
  • 3 ✗ リアルタイムに確認しながら撮影できる。
  • 4 ○ リカーシブフィルタは時間方向に前のフレームを重み付けして加算する処理で、ランダムノイズを減らす。ただし動きの速い部分は残像が出る。
  • 5 ✗ 輪郭(エッジ)は高周波成分。強調するなら高周波数強調フィルタを使う。

問14 X線CTに関する記述のうち、誤っているのはどれか。

  1. 造影効果を高めるには管電圧を低くする。
  2. 管電圧が高くなるほど画像ノイズは低下する。
  3. 管電圧が高くなるほど金属アーチファクトは抑制される。
  4. dual energy撮影により、仮想的な単純(非造影)画像を作成できる。
  5. 管電流が大きくなるほど低コントラスト分解能は低下する。
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正解:5

  • 1 ✗(正しい) 管電圧を下げるとヨウ素のK吸収端(33.2 keV)に近づき、CT値の上昇が大きくなる。低管電圧撮影が造影効果を高める理由。
  • 2 ✗(正しい) 管電圧を上げると透過する光子が増え、量子ノイズは減る。
  • 3 ✗(正しい) 線質が硬くなり金属を透過しやすくなるため、ビームハードニングによるアーチファクトは軽くなる。
  • 4 ✗(正しい) 仮想単純画像(VNC)はデュアルエナジーCTの代表的な応用。
  • 5 ○(これが誤り) 管電流を上げると光子数が増えてノイズが減るので、低コントラスト分解能は向上する。「低下」が誤り。

問15 MRIで、数値を大きくするとSN比が低下するのはどれか。

  1. 加算回数
  2. 静磁場強度
  3. 受信バンド幅
  4. ボクセルサイズ
  5. RFコイルの感度
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正解:3

  • 1 ✗ 加算回数(NEX)を増やすとSN比は加算回数の平方根に比例して上がる。
  • 2 ✗ 静磁場が強いほど熱平衡での磁化が大きくなり、SN比は上がる。
  • 3 ○ 受信バンド幅を広げると、取り込むノイズの帯域も広がる。SN比はバンド幅の平方根に反比例して下がる。そのかわりケミカルシフトは減り、撮像も速くなる。
  • 4 ✗ ボクセルが大きいほど、そこに含まれるスピンが増えるのでSN比は上がる(分解能は下がる)。
  • 5 ✗ コイルの感度が高いほどSN比は上がる。

問16 MRCP像について、正しいのはどれか。(画像問題)

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.1 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. T1強調像である。
  2. 胆囊管は描出されていない。
  3. ガドリニウム造影剤を用いる。
  4. 総胆管結石は高信号に描出される。
  5. 消化管内の液体信号を消すために陰性造影剤を用いる。
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正解:5

  • 1 ✗ MRCPは強いT2強調(重T2強調)で、動きの少ない液体だけを高信号にする方法。
  • 2 ✗ 胆囊管も含めて胆道系全体を描出するのが目的。
  • 3 ✗ ガドリニウムは不要。液体そのものの信号を見る非造影の検査である。
  • 4 ✗ 結石は液体の中の「抜け」として低信号(欠損像)として写る。周囲の胆汁が高信号なので、そこだけ黒く抜ける。
  • 5 ○ 胃や十二指腸の液体が重なると胆管が見えにくいため、鉄剤などの経口陰性造影剤で消化管内の信号を消してから撮影する。

問17 頸部MRA像で、矢印が示しているのはどれか。(画像問題)

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.2 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. 外頸動脈
  2. 総頸動脈
  3. 椎骨動脈
  4. 内頸動脈
  5. 脳底動脈
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正解:3

  • 頸部MRAの見分け方:正中の前寄りを上行し、途中で内頸・外頸に分かれるのが総頸動脈。後方で左右対称に頸椎の横突孔を貫いて上行し、頭蓋内で合流して1本になるのが椎骨動脈
  • 1 ✗ 外頸動脈は総頸動脈の分岐後、顔面側へ細かい枝を出す。
  • 2 ✗ 総頸動脈は分岐部より下の太い1本。
  • 3 ○ 頸椎の横突孔内を上行する走行が特徴。左右で太さが違うこともよくある。
  • 4 ✗ 内頸動脈は頸部では枝を出さず、まっすぐ頭蓋底へ向かう。
  • 5 ✗ 脳底動脈は左右の椎骨動脈が合流したあとの頭蓋内の血管で、頸部には存在しない。

問18 乳房の超音波検査について、正しいのはどれか。

  1. 検査前は絶食とする。
  2. 3.5〜5 MHzの周波数を用いる。
  3. コンベックス型プローブを用いる。
  4. プローブは皮膚面に対して直角に当てる。
  5. マンモグラフィと比べて微小石灰化の描出に優れている。
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正解:4

  • 1 ✗ 絶食が必要なのは腹部(胆囊・膵臓)の検査。乳房では不要。
  • 2 ✗ 乳房は体表に近いので、7.5〜12 MHz程度の高い周波数を使う。3.5〜5 MHzは腹部用。
  • 3 ✗ 体表用のリニア型を使う。コンベックス型は腹部向け。
  • 4 ○ 斜めに当てると反射波が戻らず、後方エコーの評価を誤る。皮膚面に垂直に当てるのが基本。
  • 5 ✗ 微小石灰化の検出はマンモグラフィが得意。超音波は腫瘤の内部性状や若年者の高濃度乳房に強い。互いに補い合う関係。

問19 胆囊の超音波像から考えられる疾患はどれか。(画像問題)

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.3 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. 胆泥
  2. 胆囊結石
  3. 壁内結石
  4. 胆囊腺筋腫症
  5. コレステロールポリープ
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正解:2

  • 鑑別のポイントは「音響陰影があるか」と「体位を変えると動くか」の2つ。
  • 1 ✗ 胆泥は音響陰影を伴わず、境界も不明瞭で、ゆっくり移動する。
  • 2 ○ 胆囊結石は、強い高エコーの塊とその後方の音響陰影が特徴。体位変換で移動する。
  • 3 ✗ 壁内結石は胆囊壁の中にあるため動かず、コメット様エコーを伴うことが多い。
  • 4 ✗ 胆囊腺筋腫症は壁の肥厚とロキタンスキー・アショフ洞(RAS)による小さな無エコー域が特徴。
  • 5 ✗ コレステロールポリープは壁から生えていて動かず、音響陰影も伴わない。

問20 無散瞳眼底写真について、正しいのはどれか。

  1. 網膜動脈は静脈より太い。
  2. 網膜動脈は高血圧で太くなる。
  3. 中心窩は黄斑部で観察される。
  4. 網膜動脈と静脈は黄斑部に集まる。
  5. 黄斑部は視神経乳頭より鼻側に位置する。
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正解:3

  • 1 ✗ 動脈のほうが細く明るい。静脈は太く暗い赤色に見える。太さの比(A/V比)はおよそ2:3。
  • 2 ✗ 高血圧では細動脈が収縮して細くなる(動脈狭細化)。
  • 3 ○ 黄斑部の中心にあるくぼみが中心窩で、視力がもっとも高い場所。
  • 4 ✗ 血管が集まるのは視神経乳頭。黄斑部の中心窩には血管がない(無血管領域)。
  • 5 ✗ 黄斑部は視神経乳頭より耳側(外側)にある。

問21 MRIの磁化率アーチファクトを抑える方法として、正しいのはどれか。

  1. TEを長くする。
  2. スライス厚を厚くする。
  3. 受信バンド幅を狭くする。
  4. ピクセルサイズを大きくする。
  5. GRE法ではなくSE法を用いる。
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正解:5

  • 磁化率アーチファクトは、磁場のムラ(T2*効果)による位相の乱れが原因。抑えるには「位相が乱れる時間を短く」「周波数方向の分解を細かく」が基本。
  • 1 ✗ TEを長くすると位相が乱れる時間が延び、アーチファクトは悪化する。
  • 2 ✗ スライス厚を厚くすると、その中の磁場のばらつきが大きくなり悪化する。
  • 3 ✗ 受信バンド幅を狭くすると1画素あたりの周波数幅が小さくなり、ずれが画素数として大きく出るため悪化する。広くするのが正しい。
  • 4 ✗ ピクセルを大きくすると悪化する。
  • 5 ○ SE法は180°パルスで磁場の不均一による位相のずれを打ち消せる。180°パルスを使わないGRE法はT2*の影響をそのまま受ける。

問22 健常成人の右肋弓下走査による超音波像で、矢印が示しているのはどれか。(画像問題)

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.4 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. 門脈
  2. 総胆管
  3. 右尿管
  4. 右腎静脈
  5. 腹部大動脈
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正解:4

  • 右肋弓下走査では、肝臓を窓にして下大静脈・腎・大血管を観察する。右腎静脈は右腎門から出て、ほぼ水平に走って下大静脈に流入するという走行が決め手。
  • 1 ✗ 門脈は壁が厚く高エコーに縁取られ、肝門から肝内へ分岐していく。
  • 2 ✗ 総胆管は門脈の腹側を並走する細い管で、走行が異なる。
  • 3 ✗ 正常の尿管は超音波ではほとんど描出されない。
  • 4 ○ 下大静脈へ合流する走行が確認できる。
  • 5 ✗ 腹部大動脈は正中やや左で拍動し、脊椎の腹側を縦走する。

問23 超音波検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 胆囊の検査の基本体位は右側臥位である。
  2. 心臓の検査にはセクタ型プローブを使用する。
  3. Bモード法では連続波の超音波ビームを用いる。
  4. 膵臓の検査は、炭酸ガスで胃を膨らませてから実施する。
  5. STCの調整により距離分解能を改善できる。
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正解:2

  • 1 ✗ 基本は仰臥位。結石を動かして確認したいときは左側臥位にする(右を下にすると胆囊が体の深部に入り見えにくい)。
  • 2 ○ 肋間という狭い窓から扇形に広く見る必要があるため、接触面が小さく視野が広がるセクタ型が適する。
  • 3 ✗ Bモードはパルス波を使う。送信から反射が戻るまでの時間で深さを決めるため、連続波では距離が分からない。
  • 4 ✗ 炭酸ガスで胃を膨らませるのは胃X線造影検査。超音波では脱気水を飲ませることはあるが、ガスは音を通さないので大敵。
  • 5 ✗ STC(sensitivity time control)は深さによる減衰を補正して明るさを均一にする機能。距離分解能は変わらない(分解能はパルス幅で決まる)。

問24 MRIのIR法に関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. IRパルスとして90度パルスを使用する。
  2. FLAIR法は自由水の信号を抑制する目的で使用する。
  3. STIR法は脂肪信号を特異的に抑制することができる。
  4. 信号を抑制したい組織の縦磁化がゼロになる時間に、TRを設定する。
  5. 組織間の共鳴周波数の差を利用して、特定の組織の信号を抑制する手法である。
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正解:2

  • 1 ✗ IR(反転回復)法では、はじめに180度パルスを当てて縦磁化を反転させる。
  • 2 ○ FLAIR(FLuid Attenuated IR)は、長いTI(約2,000〜2,500 ms)で脳脊髄液などの自由水を消す方法。脳室周囲の病変が見やすくなる。
  • 3 ✗ STIRは「T1が短い組織」を消す方法で、脂肪に特異的ではない。造影後の増強域やガドリニウムを含む組織も一緒に消えてしまうため、造影検査との併用に注意が必要。特異的に脂肪だけを消すのは、共鳴周波数の差を使うCHESS法。
  • 4 ✗ 設定するのはTI(反転時間)。TRは繰り返し時間で別のパラメータ。
  • 5 ✗ これはCHESS法(周波数選択的脂肪抑制)の説明。IR法はT1の違いを使う。

問25 ポジトロン放射性薬剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. ¹³N‑NH₃ は血液量を反映する。
  2. ¹⁸F‑FDG は酸素代謝を反映する。
  3. ¹⁵O‑O₂ ガスは糖代謝を反映する。
  4. ¹⁵O‑CO₂ ガスは血流量を反映する。
  5. ¹⁵O‑CO ガスは酸素消費量を反映する。
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正解:4

  • ¹⁵Oガスの3兄弟は「CO=血液量、CO₂(H₂¹⁵O)=血流量、O₂=酸素消費量」と3つ並べて覚えると混乱しない。
  • 1 ✗ ¹³N‑NH₃ は心筋血流の製剤。血液量ではない。
  • 2 ✗ ¹⁸F‑FDG は代謝。
  • 3 ✗ ¹⁵O‑O₂ は酸素消費量(CMRO₂)
  • 4 ○ 吸入したCO₂は肺で H₂¹⁵O に変わり、血流に乗って分布する。
  • 5 ✗ ¹⁵O‑CO は赤血球のヘモグロビンと結合するため、血液量(CBV)を反映する。

問26 核医学の試料計測装置に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ウェル型シンチレーションカウンタはβ線を測定する。
  2. ウェル型シンチレーションカウンタの表示単位は Sv である。
  3. ウェル型シンチレーションカウンタは試料の液量に依存する。
  4. ウェル型電離箱放射能測定装置の測定上限値は 1 GBq 程度である。
  5. ウェル型電離箱放射能測定装置は、試料の放射能が高いほど短時間で測定できる。
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正解:3・5

  • 1 ✗ NaI(Tl)結晶を使うウェル型シンチレーションカウンタはγ線用。β線の測定には液体シンチレーションカウンタを使う。
  • 2 ✗ 表示は計数率(cpm)や放射能(Bq)。Sv は線量当量の単位で、試料の測定には使わない。
  • 3 ○ 液量が増えると試料が井戸の上方まで広がり、結晶との位置関係(幾何学的効率)が変わって計数効率が落ちる。だから標準試料と液量をそろえる必要がある。
  • 4 ✗ ウェル型電離箱(キュリーメータ)は放射性医薬品の投与量を測る装置で、数十GBqまで測れる。1 GBqでは低すぎる。
  • 5 ○ 電離箱は電離電流を測るので、放射能が高いほど電流が大きく、短い時間で安定した値が得られる。

問27 放射性医薬品の投与後に、苦味感や金属臭がみられやすいのはどれか。

  1. ⁹⁹ᵐTc‑MDP
  2. ⁹⁹ᵐTc‑MIBI
  3. ⁹⁹ᵐTc‑PYP
  4. ¹³¹I‑アドステロール
  5. ²⁰¹TlCl
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正解:2

  • 1 ✗ MDPは骨シンチ用。特徴的な味覚異常の報告はない。
  • 2 ○ ⁹⁹ᵐTc‑MIBIは、投与直後に口の中の苦味や金属のような臭いを訴えることがよく知られている。一過性で問題はないが、事前に説明しておくと患者が驚かずにすむ。
  • 3 ✗ PYPは骨・心筋梗塞シンチ用。
  • 4 ✗ アドステロールは副腎皮質シンチ用。
  • 5 ✗ ²⁰¹TlClは心筋血流・腫瘍シンチ用。

問28 心筋血流シンチグラフィの薬剤負荷に用いるのはどれか。

  1. アデノシン
  2. フロセミド
  3. サイロキシン
  4. アセタゾラミド
  5. デキサメサゾン
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正解:1

  • 1 ○ アデノシン(またはATP)は冠動脈を広げて血流を増やす。狭窄のある枝では血流が増えないため、健常部との差が際立つ。運動負荷ができない患者に用いる。
  • 2 ✗ フロセミドは利尿薬で、腎シンチグラフィの利尿レノグラムに使う。
  • 3 ✗ サイロキシンは甲状腺ホルモン。
  • 4 ✗ アセタゾラミド(ダイアモックス)は脳血流予備能の評価に使う負荷薬。
  • 5 ✗ デキサメサゾンは副腎皮質シンチグラフィの抑制試験に使う。

問29 骨シンチグラフィに関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 気管支喘息の患者には禁忌である。
  2. 放射性医薬品は大腸から排泄される。
  3. 小児では骨幹端部より骨幹部の集積が強い。
  4. 放射性医薬品の投与前に6時間の絶食が必要である。
  5. 成人での放射性医薬品の投与量は 740 MBq 程度である。
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正解:5

  • 1 ✗ 禁忌ではない。喘息が問題になるのはヨード造影剤やガドリニウム造影剤の話で、混同しやすい。
  • 2 ✗ ⁹⁹ᵐTc‑MDP/HMDPは腎から尿中に排泄される。だから撮影前に排尿してもらう。
  • 3 ✗ 小児では成長軟骨のある骨幹端部に強く集積する。骨幹部ではない。
  • 4 ✗ 絶食は不要。むしろ排泄を促すため十分な飲水をすすめる。
  • 5 ○ 740 MBq(20 mCi)程度が標準。投与から撮影までは約3時間あける。

問30 生理的に腎臓に集積するのはどれか。

  1. ¹⁸F‑FDG
  2. ⁹⁹ᵐTc‑MAA
  3. ⁹⁹ᵐTc‑PMT
  4. ¹²³I‑MIBG
  5. ¹³¹I‑アドステロール
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正解:1

  • 1 ○ FDGはブドウ糖に似ているが、腎の尿細管でほとんど再吸収されない。そのため腎・尿管・膀胱に必ず生理的集積が出る。腎や尿路の病変が隠れる原因にもなる。
  • 2 ✗ ⁹⁹ᵐTc‑MAAは肺毛細血管に捕捉される(肺血流シンチ)。
  • 3 ✗ ⁹⁹ᵐTc‑PMTは肝細胞に取り込まれ、胆汁へ排泄される(肝胆道シンチ)。
  • 4 ✗ ¹²³I‑MIBGは交感神経終末に取り込まれ、心筋・副腎髄質・唾液腺に集積する。
  • 5 ✗ ¹³¹I‑アドステロールは副腎皮質に集積する。

問31 疾患と放射性医薬品の組合せで正しいのはどれか。

  1. 橋本病 ────── ¹²³I‑BMIPP
  2. 神経芽腫 ───── ¹³¹I‑アドステロール
  3. 副甲状腺癌 ─── Na¹³¹I
  4. 副甲状腺腺腫 ── ⁹⁹ᵐTc‑MIBI
  5. 再生不良性貧血 ─ ⁹⁹ᵐTc‑HSA‑D
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正解:4

  • 1 ✗ ¹²³I‑BMIPPは心筋の脂肪酸代謝の製剤。橋本病(慢性甲状腺炎)には ¹²³I や ⁹⁹ᵐTcO₄⁻ を使う。
  • 2 ✗ アドステロールは副腎皮質用。神経芽腫は交感神経由来なので ¹²³I‑MIBG が対応する。
  • 3 ✗ Na¹³¹I は甲状腺(分化型甲状腺癌の治療・診断)用。副甲状腺には集まらない。
  • 4 ○ ⁹⁹ᵐTc‑MIBIは副甲状腺腺腫に長くとどまるため、早期像と後期像の差(ウォッシュアウトの違い)で局在を診断できる。
  • 5 ✗ ⁹⁹ᵐTc‑HSA‑Dは循環血液量測定や蛋白漏出の検査用。骨髄の評価には ¹¹¹In‑塩化インジウムなどを使う。

問32 PET装置の性能評価において、空間分解能に影響する因子として誤っているのはどれか。

  1. 角度揺動
  2. 収集時間
  3. 陽電子の飛程
  4. 画像再構成条件
  5. 検出器結晶サイズ
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正解:2

  • 1 ✗(影響する) 角度揺動(非同一直線性)とは、消滅放射線が正確に180°で飛ばずに±0.25°ほどずれる現象。検出器リングが大きいほど位置の誤差が広がる。
  • 2 ○(これが誤り) 収集時間を延ばすとカウントが増えノイズは減るが、分解能そのものは変わらない。
  • 3 ✗(影響する) 陽電子は放出されてから電子と出会うまで少し飛ぶ。この距離のぶん、実際の集積位置とずれる。
  • 4 ✗(影響する) 再構成の方法やフィルタで分解能は大きく変わる。
  • 5 ✗(影響する) 結晶が小さいほど分解能は上がる。

問33 2核種同時収集について、誤っているのはどれか。

  1. 散乱線の低減に TEW 法が有用である。
  2. ⁹⁹ᵐTc と ²⁰¹Tl の同時収集が可能である。
  3. 異なる放射性医薬品を用いた、位置ずれのない SPECT 画像が得られる。
  4. 半導体式のSPECT装置は、シンチレーション式に比べて光電ピークの分離精度が高い。
  5. 異なる核種のエネルギースペクトルが相互に干渉する現象を、クロスキャリブレーションという。
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正解:5

  • 1 ✗(正しい) TEW(triple energy window)法は、主ウィンドウの両側にサブウィンドウを置いて散乱成分を差し引く方法。
  • 2 ✗(正しい) ²⁰¹Tl(約70 keV)と ⁹⁹ᵐTc(141 keV)はエネルギーが離れているため、同時収集の代表的な組合せ。
  • 3 ✗(正しい) 同じ時刻・同じ体位で撮るので、位置ずれのない2枚が得られるのが最大の利点。
  • 4 ✗(正しい) CdTeなどの半導体はエネルギー分解能が高く、ピークの分離に有利。
  • 5 ○(これが誤り) この現象はクロストーク。クロスキャリブレーションは装置間で感度をそろえる作業のことで、まったく別の言葉。

問34 心電図同期心筋SPECTの解析に関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 左室肥大の影響を受けない。
  2. 拡張期の心機能指標は得られない。
  3. R‑R間隔の分割数を多くすると SN比が向上する。
  4. 分割収集した画像を加算することで、非同期の画像が得られる。
  5. R‑R間隔の分割数が少なくなると、収縮末期容量は過小評価となる。
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正解:4

  • 1 ✗ 壁厚が変わると壁厚増加(thickening)の評価に影響し、容量も過小評価されやすい。影響を受ける。
  • 2 ✗ 拡張期の指標(最大充満速度 PFRなど)も算出できる。
  • 3 ✗ 分割数を増やすと1フレームあたりのカウントが減るので、SN比は低下する。
  • 4 ○ 全フレームを足し合わせれば、同期をかけない通常の心筋SPECT(サメーション画像)になる。1回の収集で血流評価と機能評価の両方ができる理由がこれ。
  • 5 ✗ 分割数が少ないと本当に一番縮んだ瞬間を捉えられず、収縮末期容量は過大評価される。その結果、駆出率(EF)は過小評価になる。

問35 Performance Status〈PS〉スコア4にあたる状態はどれか。

  1. 歩行できる。
  2. 全く動けない。
  3. 日中の50%以上はベッド外で過ごす。
  4. 自分の身の回りのことはすべてできる。
  5. 発病前と同じ日常生活が制限なく行える。
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正解:2

  • PSは0〜4の5段階で、数字が大きいほど動けない
  • 1 ✗ 歩行や軽作業ができるのはPS1程度。
  • 2 ○ PS4は「まったく動けず、身の回りのこともできない。完全にベッドか椅子で過ごす」状態。
  • 3 ✗ 日中の50%以上をベッド外で過ごせるのはPS2。
  • 4 ✗ 身の回りのことがすべてできるのはPS1(軽い作業は可能だが重労働は不可)。
  • 5 ✗ 制限がまったくないのはPS0。

問36 臨床病期Ⅰ期で、放射線単独療法が行われるのはどれか。

  1. 胃癌
  2. 乳癌
  3. 胸腺腫
  4. 声門癌
  5. 膀胱癌
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正解:4

  • 1 ✗ 胃癌の標準治療は内視鏡的切除または手術。放射線の役割は小さい。
  • 2 ✗ 早期乳癌は手術(乳房温存術)が基本で、放射線は術後照射として組み合わせる。単独ではない。
  • 3 ✗ 胸腺腫も手術が第一選択。
  • 4 ○ 早期の声門癌(Ⅰ期)は、放射線単独で手術と同等の治癒率が得られ、しかも声を残せる。放射線単独療法の代表例。
  • 5 ✗ 筋層浸潤のある膀胱癌は膀胱全摘が標準。膀胱温存療法を行う場合も化学療法を併用する。

問37 臨床標的体積〈CTV〉の説明として正しいのはどれか。

  1. 腫瘍の進展や存在が肉眼的に確認できる体積
  2. すべての変動や不確実性をマージンとして付加した体積
  3. 予期せぬ高線量域が発生することを避けるために設定する体積
  4. 治療計画や処方線量に強く影響する可能性がある正常組織の体積
  5. 画像等では検知できないが、臨床的に腫瘍の進展が疑われる部分を含む体積
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正解:5

  • 1 ✗ これはGTV(肉眼的腫瘍体積)の説明。
  • 2 ✗ これはPTV(計画標的体積)の説明。位置合わせの誤差や臓器の動きを足したもの。
  • 3 ✗ これは残りのリスク体積(RVR)の考え方。計画範囲の外に思わぬ高線量が出ていないか確認するために設定する。
  • 4 ✗ これはOAR(リスク臓器)の説明。
  • 5 ○ CTVは、GTVに顕微鏡レベルの浸潤の可能性を加えた範囲。画像に写らない広がりを含む点がポイントで、位置ずれや動きはここには含まない。

問38 放射線治療機器のQAプログラムに関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 再現性よく実行できることが重要である。
  2. アクセプタンステストをまとめたものである。
  3. 治療機器メーカーによる定期メンテナンスが含まれる。
  4. 各種ガイドラインにある数値基準を採用しなければならない。
  5. コミッショニング時に作成したQAプログラムは、以後変更しない。
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正解:1

  • 1 ○ QAは誰が・いつ行っても同じ結果になることが前提。手順が曖昧だと、測定値の変化が装置の異常なのか測り方の違いなのか区別できなくなる。
  • 2 ✗ アクセプタンステスト(受入試験)は納入時に仕様を満たすか確認する作業。QAプログラムはその後の日常的・定期的な品質保証で、別のもの。
  • 3 ✗ メーカーの保守(予防保全)は施設が行うQAとは別に位置づけられる。
  • 4 ✗ ガイドラインの値は目安であり、施設の装置や治療内容に応じて基準を設定してよい。
  • 5 ✗ 装置の更新や新しい治療技術の導入に合わせて、定期的に見直す必要がある。

問39 ¹⁹²Ir線源を用いたRALSについて、正しいのはどれか。

  1. 照射時に術者の被ばくを伴う。
  2. 5年ごとの線源交換が必要である。
  3. 出力測定にはウェル型電離箱線量計を用いる。
  4. 計算アルゴリズムには Superposition 法を使用する。
  5. 子宮頸癌治療時の線源位置の取得には超音波装置を用いる。
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正解:3

  • 1 ✗ RALS(遠隔操作式後充填装置)は、患者にアプリケータを入れてから別室に退避して線源を送り込む。術者の被ばくをなくすことが最大の目的。
  • 2 ✗ ¹⁹²Ir の半減期は約74日。線量率が下がるので3か月程度ごとに交換する。
  • 3 ○ 小線源の線源強度(空気カーマ強度)の測定には、専用のウェル型電離箱が用いられる。
  • 4 ✗ Superposition/Convolution法は外部照射の計算法。小線源治療では TG‑43 形式の計算が標準。
  • 5 ✗ アプリケータや線源位置の確認は、X線透視やCT(画像誘導小線源治療)で行う。

問40 次の深部線量分布を示す放射線はどれか。

問40の図(出典:厚生労働省)
  1. 光子線
  2. 炭素線
  3. 電子線
  4. 陽子線
  5. 中性子線
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正解:2

  • 深部線量分布は、次の特徴で見分ける。
    • 光子線・中性子線…浅いところで最大になり、以後なだらかに減っていく。ピークはない。
    • 電子線…ある深さで急激に落ちて、そこから先はほぼゼロ(わずかな制動X線のみ)。
    • 陽子線…鋭いブラッグピークがあり、ピークの直後にストンとゼロになる。
    • 炭素線…鋭いブラッグピークがあり、ピークの後ろにテール(尾)が残る
  • 1 ✗ ピークがない。
  • 2 ○ ピークの後ろにテールがあるのが決め手。炭素原子核が体内で壊れてできる軽い破片(核破砕片)が、さらに奥まで飛んで線量を置いていくために生じる。
  • 3 ✗ ブラッグピークをもたない。
  • 4 ✗ ピークはあるが、後ろにテールが残らない。陽子はこれ以上壊れないため。
  • 5 ✗ ピークがない。

問41 婦人科癌の治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 子宮頸癌に腔内照射は必要ない。
  2. 早期子宮頸癌は放射線治療の適応である。
  3. 局所進行子宮頸癌に放射線治療は行わない。
  4. 早期卵巣癌は放射線治療が第一選択である。
  5. 早期子宮体癌は放射線治療が第一選択である。
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正解:2

  • 1 ✗ 子宮頸癌の根治照射では、外部照射に腔内照射(小線源治療)を組み合わせることが必須。腔内照射を省くと成績が明らかに落ちる。
  • 2 ○ 早期子宮頸癌では、手術と放射線治療がほぼ同等の成績。年齢や合併症、卵巣機能の温存などを考えて選ぶ。
  • 3 ✗ 局所進行例こそ、化学療法を同時併用した放射線治療(CCRT)が標準治療になる。
  • 4 ✗ 卵巣癌は手術+化学療法が基本。放射線の役割は限定的。
  • 5 ✗ 子宮体癌も手術が第一選択。放射線は術後の補助や手術ができない場合に用いる。

問42 体幹部定位放射線治療と関係がないのはどれか。

  1. 直線加速器
  2. ガンマナイフ
  3. 呼吸同期装置
  4. 動体追跡装置
  5. サイバーナイフ
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正解:2

  • 1 ✗ 体幹部定位放射線治療(SBRT)は通常のリニアックで行う。
  • 2 ○ ガンマナイフは、コバルト60線源を頭部に集中させる頭蓋内専用の装置。頭を固定枠でとめるため、体幹部には使えない。
  • 3 ✗ 肺や肝臓は呼吸で動くため、呼吸同期は必須の技術。
  • 4 ✗ 金マーカーなどを追いかけて照射する動体追跡も、体幹部SBRTの代表的な手法。
  • 5 ✗ サイバーナイフはロボットアームで多方向から照射する装置で、頭部にも体幹部にも使える。

問43 電離箱線量計の擾乱補正係数はどれか。2つ選べ。

  1. 空洞補正係数
  2. 変位補正係数
  3. 温度気圧補正係数
  4. 極性効果補正係数
  5. イオン再結合補正係数
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正解:1・2

  • 擾乱(じょうらん)補正係数とは、そこに電離箱を置いたこと自体で、本来の場が乱されてしまうぶんを補正する係数。空洞・壁・中心電極・変位の4つが代表。
  • 1 ○ 空洞補正係数。空気の空洞を置いたことで電子の流れが乱れるぶんを補う。
  • 2 ○ 変位補正係数。空洞のぶん媒質が置き換わって、実効的な測定点がずれることを補う。
  • 3 ✗ 温度気圧補正は、空気の密度が測定日の条件で変わることを補う環境の補正。場の乱れとは関係しない。
  • 4 ✗ 極性効果補正は、印加電圧の極性で読みが変わる測定器側の補正。
  • 5 ✗ イオン再結合補正も、生じたイオンが集められる前に再結合してしまう測定器側の補正。

問44 多分割照射〈過分割照射〉を通常の分割照射と比べたとき、正しいのはどれか。

  1. 1回線量が多い。
  2. 総線量が等しい。
  3. 全治療期間が短い。
  4. 1日の照射回数が等しい。
  5. 晩期有害事象が抑えられる。
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正解:5

  • 過分割照射は「1回を小さく・回数を多く(1日2回)・総線量は増やす・期間はほぼ同じ」が基本の形。
  • 1 ✗ 1回線量は通常より少ない(1.1〜1.2 Gy程度)。
  • 2 ✗ 総線量は通常より多く設定する。
  • 3 ✗ 全治療期間はほぼ同じ。期間を短くするのは加速分割照射。
  • 4 ✗ 1日2回以上照射するので、回数は多い
  • 5 ○ 晩期反応組織はα/β比が小さく、1回線量の大きさに敏感。1回線量を下げることで晩期有害事象を抑えつつ、総線量を上げて腫瘍制御を高められる。

問45 5×5の画素値の分布Aに対して、3×3の空間フィルタFを作用させた。フィルタ処理後の画素値 aᵢⱼ(i=3, j=3)はどれか。

問45の図(出典:厚生労働省)
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
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正解:2

  • 空間フィルタの計算は、注目画素を中心に3×3を切り出し、フィルタの対応する数字どうしを掛けて、9個すべてを足すだけ。
a33=m=11n=11A(3+m, 3+n)F(m,n)a_{33} = \sum_{m=-1}^{1}\sum_{n=-1}^{1} A(3+m,\ 3+n)\, F(m,n)
  • i=3, j=3 は5×5のちょうど中央なので、はみ出しの処理を考えなくてよい。切り出す3×3と、フィルタの対応は次のとおり。
Aの3×3Fの3×3
482−10−1
853050
1087−10−1
  • 対応する場所どうしを掛けて、9個すべて足す。フィルタが0の場所は計算しなくてよいので、実際に効くのは四隅と中心の5か所だけ。
(1)(4)+(1)(2)+(5)(5)+(1)(10)+(1)(7)=2523=2(-1)(4) + (-1)(2) + (5)(5) + (-1)(10) + (-1)(7) = 25 - 23 = 2
  • 2 ○ 2。
  • このフィルタは中心が+5、四隅が−1で、係数の合計が1。周囲との差を強調しつつ全体の明るさを保つ、鮮鋭化(エッジ強調)フィルタである。合計が1でないと画像全体が明るく(暗く)なってしまう。

問46 1ピクセルが 100 μm の FPD で撮影した胸部X線画像のデータ量[MB]に最も近いのはどれか。ただし、FPDの有効視野は 43 cm × 43 cm、階調数は 16 bit とする。

  1. 2
  2. 16
  3. 37
  4. 148
  5. 296
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正解:3

  • まず1辺の画素数を求める。
43 cm100 μm=430 mm0.1 mm=4,300 画素\frac{43\ \text{cm}}{100\ \mu\text{m}} = \frac{430\ \text{mm}}{0.1\ \text{mm}} = 4{,}300\ \text{画素}
  • 全画素数は
4,300×4,300=18,490,000 画素4{,}300 \times 4{,}300 = 18{,}490{,}000\ \text{画素}
  • 16 bit=2 バイトなので
18,490,000×2=36,980,000 バイト37 MB18{,}490{,}000 \times 2 = 36{,}980{,}000\ \text{バイト} \approx 37\ \text{MB}
  • 1 ✗ 小さすぎる。
  • 2 ✗ 16 bit の「16」に引きずられた値。
  • 3 ○ 約37 MB。
  • 4 ✗ 4倍になっている(1辺の画素数を2倍に取り違えたときの値)。
  • 5 ✗ さらに大きい。

問47 PACSについて正しいのはどれか。

  1. 画像を検索・参照する機能をもつ。
  2. 保存した画像は永久保存する義務がある。
  3. 放射線部門内で発生した画像のみ保管できる。
  4. RIS と PACS 間の検査オーダ情報の伝達は DICOM 規格で行う。
  5. 他院から提供された画像データは PACS に保管する義務がある。
解答・解説を見る

正解:1

  • 1 ○ PACS(画像保存通信システム)は、画像を保存するだけでなく、患者ID・検査日・モダリティなどで検索して呼び出し、参照する機能をもつ。
  • 2 ✗ 永久保存の義務はない。診療録などの保存期間の定めに従う。
  • 3 ✗ 内視鏡・病理・眼底など、放射線部門以外の画像も保管できる。
  • 4 ✗ 検査オーダなどの文字情報のやりとりは HL7 が使われる。DICOMは画像とその付帯情報の規格。
  • 5 ✗ 保管の義務はない。取り込むかどうかは施設の運用による。

問48 画像のデジタル化について正しいのはどれか。

  1. 量子化を行ったあとに標本化を行う。
  2. ナイキスト周波数は標本化周波数の2倍である。
  3. 標本化定理により、適切な量子化ビット数を決める。
  4. 量子化ビット数を増やすと、量子化誤差は大きくなる。
  5. 最高周波数が 10 cycles/mm のアナログ画像を 0.1 mm 間隔で標本化すると、エリアシング誤差を生じる。
解答・解説を見る

正解:5

  • 1 ✗ 順番は標本化(サンプリング)→ 量子化。位置を刻んでから、値を段階に丸める。
  • 2 ✗ ナイキスト周波数は標本化周波数の1/2。逆になっている。
  • 3 ✗ 標本化定理が決めるのは標本化間隔。量子化ビット数とは関係しない。
  • 4 ✗ ビット数を増やすと段階が細かくなるので、量子化誤差は小さくなる。
  • 5 ○ 0.1 mm間隔での標本化周波数は 1 ÷ 0.1 mm = 10 cycles/mm。ナイキスト周波数はその半分の 5 cycles/mm。元の画像の最高周波数10 cycles/mmはこれを超えているため、折り返し(エリアシング)が起こる。

問49 フーリエ変換の性質として正しいのはどれか。ただし f(x)・g(x) は空間の関数、F(u)・G(u) はそれぞれのフーリエ変換とする。

  1. f(2x) のフーリエ変換は F(2u) である。
  2. 2f(x) のフーリエ変換は ½F(u) である。
  3. f(x) の面積と F(u) の面積は等しい。
  4. f(x) + g(x) のフーリエ変換は F(u)·G(u) である。
  5. f(x) と f(x − 2) のフーリエ変換の絶対値は等しい。
解答・解説を見る

正解:5

  • 1 ✗ 横に 1/2 に縮めると、周波数側は逆に広がって背が低くなる。正しくは ½F(u/2)。
  • 2 ✗ 定数倍はそのまま通るので 2F(u)。½ ではない。
  • 3 ✗ 等しくない。成り立つのは「f(x) の面積 = F(0)」「F(u) の面積 = f(0)」という関係。
  • 4 ✗ 和のフーリエ変換は和(F+G)。積になるのは畳み込みのフーリエ変換。
  • 5 ○ 平行移動しても、変わるのは位相だけで、絶対値(振幅スペクトル)は変わらない。MRIで位置がずれても信号強度の分布が保たれるのと同じ理屈。

問50 健常成人の体重に占める水分の割合[%]に最も近いのはどれか。

  1. 5
  2. 20
  3. 40
  4. 60
  5. 90
解答・解説を見る

正解:4

  • 成人でおよそ60%。内訳は細胞内液が約40%、細胞外液が約20%(そのうち組織間液15%・血漿5%)。
  • 年齢と体格で変わる。新生児は約75〜80%と多く、高齢者は約50%まで下がる。脂肪組織は水を含みにくいため、肥満の人ほど割合は低くなる。
  • 1 ✗ これは血漿が体重に占める割合に近い。
  • 2 ✗ これは細胞外液の割合。
  • 3 ✗ これは細胞内液の割合。
  • 4 ○
  • 5 ✗ 多すぎる。

問51 頸部にある筋肉はどれか。

  1. 前鋸筋
  2. 腓腹筋
  3. 円回内筋
  4. 外側広筋
  5. 胸鎖乳突筋
解答・解説を見る

正解:5

  • 1 ✗ 前鋸筋は側胸部にあり、肩甲骨を胸郭に引きつける。
  • 2 ✗ 腓腹筋は下腿後面のふくらはぎの筋。
  • 3 ✗ 円回内筋は前腕にあり、前腕を回内させる。
  • 4 ✗ 外側広筋は大腿四頭筋の一つで、大腿前外側にある。
  • 5 ○ 胸鎖乳突筋は、胸骨と鎖骨から起こって側頭骨の乳様突起につく頸部の代表的な筋。頭部の回旋・側屈にはたらく。頸部の解剖では、この筋を境に前頸三角・後頸三角を分ける。

問52 呼吸について正しいのはどれか。

  1. 内呼吸は肺で行われる。
  2. 吸気時に横隔膜は弛緩する。
  3. ガス交換は拡散によって行われる。
  4. ガス交換は呼吸細気管支で行われる。
  5. 肺静脈より肺動脈の血中酸素分圧が高い。
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正解:3

  • 1 ✗ 肺で行われるのは外呼吸。内呼吸は末梢の組織と血液の間のガス交換を指す。
  • 2 ✗ 吸気時、横隔膜は収縮して下がる。胸腔が広がって陰圧が強まり、空気が入る。弛緩して上がるのは呼気。
  • 3 ○ 肺胞と毛細血管の間は、分圧の高いほうから低いほうへの単純拡散でやりとりされる。エネルギーを使う能動輸送ではない。
  • 4 ✗ ガス交換の主役は肺胞。呼吸細気管支にも一部肺胞があるが、交換の場として問われるなら肺胞。
  • 5 ✗ 逆。肺動脈には全身から戻った静脈血が流れるので酸素分圧は低く、肺でガス交換を終えた肺静脈のほうが高い。肺動脈=静脈血/肺静脈=動脈血という例外を押さえる。

問53 子宮動脈が分岐する血管はどれか。

  1. 大腿動脈
  2. 外腸骨動脈
  3. 内腸骨動脈
  4. 下腸間膜動脈
  5. 上腸間膜動脈
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正解:3

  • 総腸骨動脈は、骨盤内の臓器へ向かう腸骨動脈と、下肢へ向かう腸骨動脈に分かれる。「内は骨盤の中、外は足へ」と覚える。
  • 1 ✗ 大腿動脈は外腸骨動脈が鼠径靱帯を越えた先の名称で、下肢へ向かう。
  • 2 ✗ 外腸骨動脈は骨盤臓器には枝を出さない。
  • 3 ○ 子宮動脈は内腸骨動脈の枝。子宮筋腫の塞栓術(UAE)で選択される血管でもある。
  • 4 ✗ 下腸間膜動脈は腹部大動脈から出て、下行結腸〜直腸上部を養う。
  • 5 ✗ 上腸間膜動脈は小腸〜横行結腸を養う。

問54 生活習慣が発症に関連するのはどれか。

  1. 骨肉腫
  2. 1型糖尿病
  3. 多発性硬化症
  4. 肥大型心筋症
  5. 慢性閉塞性肺疾患
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正解:5

  • 1 ✗ 骨肉腫は若年者に多い悪性骨腫瘍で、生活習慣との関連は知られていない。
  • 2 ✗ 1型糖尿病は自己免疫による膵β細胞の破壊が原因。生活習慣が関与するのは2型
  • 3 ✗ 多発性硬化症は中枢神経の脱髄疾患で、自己免疫の関与が考えられている。
  • 4 ✗ 肥大型心筋症は多くが遺伝子変異による。
  • 5 ○ COPDの最大の原因は喫煙で、患者の大半が喫煙者。「タバコ病」とも呼ばれる代表的な生活習慣病。

問55 骨盤を構成する骨はどれか。2つ選べ。

  1. 坐骨
  2. 恥骨
  3. 腰椎
  4. 肩甲骨
  5. 大腿骨
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正解:1・2

  • 骨盤は、左右の寛骨(腸骨・坐骨・恥骨が癒合したもの)+仙骨尾骨でできている。
  • 1 ○ 寛骨の後下部を作る。座ったときに椅子に当たる坐骨結節がある。
  • 2 ○ 寛骨の前下部を作る。左右が正中で結合して恥骨結合となる。
  • 3 ✗ 腰椎は脊柱の一部で、骨盤には含まれない。
  • 4 ✗ 肩甲骨は上肢帯の骨。
  • 5 ✗ 大腿骨は下肢の骨。寛骨臼と関節をつくるが、骨盤そのものではない。

問56 脳幹を構成するのはどれか。2つ選べ。

  1. 小脳
  2. 脊髄
  3. 大脳
  4. 中脳
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正解:1・5

  • 脳幹は上から中脳・橋・延髄の3つ。呼吸や循環など生命維持の中枢があり、脳死判定でも重要になる。
  • 1 ○ 橋は中脳と延髄の間。
  • 2 ✗ 小脳は脳幹の背側にあるが、脳幹には含まれない。運動の協調やバランスを担う。
  • 3 ✗ 脊髄は延髄から続く部分で、脳幹には含まれない。
  • 4 ✗ 大脳は含まれない。
  • 5 ○ 中脳は脳幹の最上部。対光反射の中枢がある。

問57 胸部大動脈から直接分岐するのはどれか。

  1. 内胸動脈
  2. 右総頸動脈
  3. 右椎骨動脈
  4. 左鎖骨下動脈
  5. 右鎖骨下動脈
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正解:4

  • 大動脈弓から直接出るのは、右から順に腕頭動脈・左総頸動脈・左鎖骨下動脈の3本。左右で非対称なのがポイント。
  • 1 ✗ 内胸動脈は鎖骨下動脈の枝。冠動脈バイパス術のグラフトによく使われる。
  • 2 ✗ 右総頸動脈は腕頭動脈が分かれてできる。大動脈からの直接分岐ではない。
  • 3 ✗ 右椎骨動脈は右鎖骨下動脈の枝。
  • 4 ○ 左鎖骨下動脈は大動脈弓から直接出る3本目。
  • 5 ✗ 右鎖骨下動脈も腕頭動脈から分かれる。右側は「腕頭動脈」を1つはさむ、と覚える。

問58 肝臓の機能で正しいのはどれか。

  1. 脂肪の吸収
  2. 胆汁の貯蔵
  3. 蛋白質の分解
  4. インスリンの分泌
  5. グリコーゲンの貯蔵
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正解:5

  • 1 ✗ 吸収を行うのは小腸。肝臓は吸収を助ける胆汁を「作る」側。
  • 2 ✗ 胆汁を作るのが肝臓、ためて濃縮するのが胆囊。作ると貯めるを取り違えないこと。
  • 3 ✗ 肝臓は主に蛋白質を合成する(アルブミン、凝固因子など)。
  • 4 ✗ インスリンは膵臓のランゲルハンス島B(β)細胞から分泌される。
  • 5 ○ 血糖が余ればグリコーゲンとして肝臓にため、足りなくなれば分解して血中に放出する。血糖の調整弁のはたらきをしている。

問59 腫瘍について正しいのはどれか。

  1. 上皮性悪性腫瘍を肉腫という。
  2. 早期がんは遠隔転移を起こさない。
  3. 遺伝子異常のある腫瘍を遺伝性腫瘍という。
  4. 浸潤のない悪性腫瘍を非上皮性腫瘍という。
  5. 進行がんの定義は、臓器やがんの種類によって異なる。
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正解:5

  • 1 ✗ 逆。上皮性の悪性腫瘍が癌腫(carcinoma)、非上皮性の悪性腫瘍が肉腫(sarcoma)
  • 2 ✗ 早期がんでも転移することはある。早期がんは深達度による分類であって、「転移しない」という保証ではない。
  • 3 ✗ がんはほぼすべてに遺伝子異常がある。遺伝性腫瘍は、生まれつきの変異が親から受け継がれ、家系内に多発するもの(リンチ症候群など)を指す。
  • 4 ✗ 上皮性・非上皮性は「どの組織から生じたか」の分類で、浸潤の有無とは無関係。
  • 5 ○ たとえば胃癌では固有筋層より深いものを進行がんと呼ぶが、大腸癌や食道癌では基準が異なる。臓器ごとに定義が定められている。

問60 疾病や障害に対する二次予防はどれか。2つ選べ。

  1. がん検診
  2. 早期治療
  3. 予防接種
  4. 生活習慣の改善
  5. リハビリテーション
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正解:1・2

  • 予防は3段階に分かれる。「一次=かからないように、二次=早く見つけて早く治す、三次=残った障害を最小に」。
  • 1 ○ 早期発見のための検診は二次予防の代表。
  • 2 ○ 見つけたあとの早期治療も二次予防に含まれる。
  • 3 ✗ 予防接種は発症そのものを防ぐ一次予防。
  • 4 ✗ 禁煙や運動などの生活習慣の改善も一次予防。
  • 5 ✗ リハビリテーションは、機能回復と社会復帰を目指す三次予防。

問61 舌の運動に関わる神経はどれか。

  1. 顔面神経
  2. 三叉神経
  3. 舌咽神経
  4. 舌下神経
  5. 迷走神経
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正解:4

  • 舌は「動かす神経」と「味を感じる神経」が別なので、そこを分けて整理する。
  • 1 ✗ 顔面神経(Ⅶ)は表情筋を動かし、舌の前2/3の味覚を伝える。
  • 2 ✗ 三叉神経(Ⅴ)は咀嚼筋を動かし、舌の前2/3の一般感覚(触覚・痛覚)を伝える。
  • 3 ✗ 舌咽神経(Ⅸ)は舌の後1/3の味覚と知覚を担う。
  • 4 ○ 舌下神経(Ⅻ)が舌の筋肉を動かす。麻痺すると、舌を出したときに麻痺側へ偏る。
  • 5 ✗ 迷走神経(Ⅹ)は咽頭・喉頭の運動や、胸腹部臓器の副交感神経を担う。

問62 病原体の中で最も小さいのはどれか。

  1. 細菌
  2. ウイルス
  3. プリオン
  4. リケッチア
  5. スピロヘータ
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正解:2(3も正答)

  • 公式の正答値表では、2と3のどちらを選んでも正答とされた問題。「病原体」にプリオン(蛋白質のみ)を含めるかどうかで答えが分かれるためと考えられる。
  • 大きさの順は、おおよそ プリオン(数nm)< ウイルス(20〜300 nm)< リケッチア(0.3〜1 μm)< 細菌(1 μm前後)≦ スピロヘータ(長さ数〜数十μm)
  • 1 ✗ 細菌は光学顕微鏡で見える大きさ。
  • 2 ○ 核酸とそれを包む蛋白質だけの構造で、電子顕微鏡が必要。細胞をもたず単独では増殖できない。
  • 3 ○ 異常な折りたたみ方をした蛋白質そのもの。核酸をもたない。
  • 4 ✗ リケッチアは細菌の仲間で、細胞内でのみ増殖する。
  • 5 ✗ スピロヘータはらせん状の細菌。梅毒トレポネーマなど。

問63 感染症に対する標準予防策〈スタンダード・プリコーション〉で用いられるのはどれか。2つ選べ。

  1. 陰圧室
  2. N95マスク
  3. ヘパフィルタ
  4. ガウン(エプロン)
  5. 手指消毒用アルコール
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正解:4・5

  • 標準予防策は「すべての患者の血液・体液・分泌物・排泄物・傷のある皮膚・粘膜は、感染性があるものとして扱う」という考え方。誰にでも、いつでも行う。
  • 1 ✗ 陰圧室は空気感染予防策(結核・麻疹・水痘)。特定の感染症に対する追加の対策。
  • 2 ✗ N95マスクも空気感染予防策。
  • 3 ✗ HEPAフィルタも空気感染予防策の設備。
  • 4 ○ 体液が飛び散る可能性があるときに着用する個人防護具。
  • 5 ○ 手指衛生は標準予防策の中心。すべての基本になる。

問64 急性期の炎症で認められるのはどれか。

  1. 器質化
  2. 滲出液
  3. 線維化
  4. 瘻孔形成
  5. 肉芽腫形成
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正解:2

  • 急性炎症の5徴は、発赤・腫脹・発熱・疼痛・機能障害。血管が広がって透過性が上がり、血漿や白血球がしみ出すのが本質。
  • 1 ✗ 器質化は、滲出物や壊死物が線維組織に置き換わる過程。慢性期の変化。
  • 2 ○ 血管透過性の亢進によって、蛋白質に富む滲出液が組織へ出てくる。これが腫脹の正体。
  • 3 ✗ 線維化は慢性炎症や修復の段階で起こる。
  • 4 ✗ 瘻孔形成は長期に及ぶ炎症の結果。
  • 5 ✗ 肉芽腫は結核やサルコイドーシスなどでみられる慢性炎症の像。

問65 内部被ばくが甲状腺癌の原因となるのはどれか。

  1. ⁹⁰Sr
  2. ¹³¹I
  3. ²²⁶Ra
  4. ²³²Th
  5. ²³⁹Pu
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正解:2

  • 内部被ばくは、その核種が体のどこに集まるか(親和性)で標的臓器が決まる。
  • 1 ✗ ⁹⁰Srはカルシウムと似た性質をもち骨に沈着する。標的は骨・骨髄(白血病)。
  • 2 ○ ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料として甲状腺に集まる。チェルノブイリ事故後に小児の甲状腺癌が増えたのがこの機序。安定ヨウ素剤の予防投与は、あらかじめ甲状腺をヨウ素で満たしておく対策。
  • 3 ✗ ²²⁶Raも骨に沈着する。時計の文字盤を塗っていた作業者の骨肉腫が有名。
  • 4 ✗ ²³²Thは肝臓・脾臓・骨髄に沈着する(旧造影剤トロトラストによる肝血管肉腫)。
  • 5 ✗ ²³⁹Puは吸入で肺、その後は骨・肝臓に沈着する。

問66 器官形成期の放射線被ばくにより胎児奇形を生じるしきい値[Gy]はどれか。

  1. 0.01
  2. 0.1
  3. 1
  4. 10
  5. 100
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正解:2

  • 胎児への影響は、被ばくの時期で内容が変わる。
    • 着床前期(受精〜約9日)…胚死亡か、影響が残らないかの「全か無か」
    • 器官形成期(約2〜8週)…奇形。しきい値はおよそ 0.1 Gy
    • 胎児期(8週〜)…精神発達遅滞。特に8〜15週が最も感受性が高い
  • 1 ✗ 0.01 Gy(10 mGy)は通常のX線検査で胎児が受けうる範囲。この程度で奇形は起こらない。
  • 2 ○ 国際的にも、100 mGy以下では奇形のリスクは実質的に問題にならないとされる。
  • 35 ✗ 高すぎる。この線量域では胎児死亡など、より重篤な影響が問題になる。

問67 細胞の放射線感受性について正しいのはどれか。

  1. 未分化なほど感受性が低い。
  2. 分裂頻度が高いほど感受性が高い。
  3. 分裂速度が速いほど感受性が低い。
  4. 細胞周期が短いほど感受性が低い。
  5. 核細胞質比が小さいほど感受性が高い。
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正解:2

  • ベルゴニー・トリボンドーの法則:①分裂頻度が高い ②将来行う分裂回数が多い ③形態と機能が未分化 な細胞ほど、放射線感受性が高い。
  • 1 ✗ 未分化なほど感受性は高い
  • 2 ○ 法則そのもの。骨髄・腸上皮・精原細胞などが高感受性なのはこのため。
  • 3 ✗ 速いほど感受性は高い
  • 4 ✗ 細胞周期が短いほど感受性は高い
  • 5 ✗ 核細胞質比(核/細胞質)が大きいほど感受性が高い。未分化な細胞は核が大きい。

問68 通常分割照射における放射線障害のしきい値が最も低いのはどれか。

  1. 肝不全
  2. 脳梗塞
  3. 白内障
  4. 小腸穿孔
  5. 間質性肺炎
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正解:3

  • 1 ✗ 肝臓の耐容線量は30 Gy程度(全肝)。
  • 2 ✗ 脳血管障害が問題になるのはさらに高線量域。
  • 3 ○ 水晶体は体の中で最も放射線感受性が高い組織のひとつ。ICRPは2011年に等価線量限度を年150 mSvから5年平均で年20 mSvへ大幅に引き下げており、しきい値も従来より低い(約0.5 Gy)と考えられている。
  • 4 ✗ 小腸の耐容線量は45〜50 Gy程度。
  • 5 ✗ 放射線肺炎は20 Gy前後から問題になる。

問69 X線と同程度のLETを示すのはどれか。

  1. α線
  2. 炭素線
  3. 陽子線
  4. 中性子線
  5. ネオン線
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正解:3

  • LET(線エネルギー付与)は、通り道1 μmあたりに置いていくエネルギー。電荷の2乗に比例し、速度の2乗に反比例する。
  • X線・γ線・電子線は低LET(数 keV/μm以下)、α線・中性子線・重粒子線は高LET
  • 1 ✗ α線は電荷2・質量4で高LET(数十〜100 keV/μm)。
  • 2 ✗ 炭素線は電荷6の重粒子で高LET。
  • 3 ○ 陽子線は電荷1で、体内の大部分(ブラッグピークの手前)では低LET。RBEも約1.1とX線に近く、線量計算でもX線と同様に扱える。
  • 4 ✗ 中性子線は反跳陽子を通じて高LETの照射となる。
  • 5 ✗ ネオン線は炭素よりさらに重い重粒子で高LET。

問70 重水素の質量欠損に等価なエネルギー[MeV]に最も近いのはどれか。ただし、中性の重水素原子・陽子・中性子・電子の質量をそれぞれ 2.0141 u、1.0073 u、1.0087 u、0.0005 u とし、1 u と等価なエネルギーを 931.5 MeV とする。

  1. 1.1
  2. 2.2
  3. 3.3
  4. 4.4
  5. 5.5
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正解:2

  • 重水素の中性原子は、陽子1個+中性子1個+電子1個でできている。バラバラのときの合計質量を出す。
1.0073+1.0087+0.0005=2.0165 u1.0073 + 1.0087 + 0.0005 = 2.0165\ \text{u}
  • 実際の重水素原子の質量との差が質量欠損。
Δm=2.01652.0141=0.0024 u\Delta m = 2.0165 - 2.0141 = 0.0024\ \text{u}
  • エネルギーに換算する。
E=0.0024×931.52.24 MeVE = 0.0024 \times 931.5 \approx 2.24\ \text{MeV}
  • 2 ○ 約2.2 MeV。これは重水素の結合エネルギーそのもので、逆に2.2 MeV以上のγ線を当てると陽子と中性子に分解する(光核反応)。
  • 電子の質量を足し忘れると値がずれる。「中性原子の質量」と書かれていたら電子も数える、と覚えておく。

問71 X線管から発生したエネルギースペクトルについて、正しいのはどれか。

問71の図(出典:厚生労働省)
  1. 管電圧は 100 kV である。
  2. 付加フィルタの吸収端が観察される。
  3. K特性X線とL特性X線が観察される。
  4. タングステンターゲットから発生したX線である。
  5. 連続スペクトルより線スペクトルの発生した割合が多い。
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正解:4

  • スペクトルの読み方は3点。①右端(最大エネルギー)が管電圧の値 ②鋭いピークの位置が特性X線=ターゲット材質を示す ③山の面積のほとんどは連続X線
  • 1 ✗ 右端の値が管電圧に一致する。図の右端は100 kVではない。
  • 2 ✗ 吸収端は「そのエネルギーで急に吸収が増える」ため、スペクトルではへこみとして現れる。図に現れているのはピーク(特性X線)。
  • 3 ✗ 診断用のエネルギー領域で観察できるのはK特性X線のみ。タングステンのL特性X線は約8〜11 keVと低く、固有ろ過で吸収されてしまう。
  • 4 ○ タングステンのK特性X線は 58.9 keV と 67.2 keV 付近に出る。この位置にピークがあることが決め手。モリブデン(17.5・19.6 keV)やロジウム(20.2・22.7 keV)とは明らかに違う。
  • 5 ✗ 特性X線(線スペクトル)が全体に占める割合は数%〜十数%程度。大部分は連続X線(制動放射)。

問72 質量衝突阻止能が最も大きいのはどれか。

  1. 1 MeV のα線
  2. 2 MeV のα線
  3. 2 MeV の陽子線
  4. 5 MeV の陽子線
  5. 10 MeV の炭素線
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正解:5

  • 質量衝突阻止能は、おおよそ次の関係になる。
Sρz2v2z2mE\frac{S}{\rho} \propto \frac{z^2}{v^2} \propto \frac{z^2 m}{E}
  • z は電荷、m は質量、E は運動エネルギー。電荷が大きいほど、そして遅いほど大きい
  • 各選択肢を z2m/Ez^2 m / E で比べる(m は u、E は MeV)。
選択肢zmEz²m/E
1 MeV α線24116
2 MeV α線2428
2 MeV 陽子線1120.5
5 MeV 陽子線1150.2
10 MeV 炭素線6121043.2
  • 1 ✗ 16。α線の中では最大だが、炭素線には届かない。
  • 2 ✗ 8。同じα線でも、速くなるぶん小さくなる。
  • 3 ✗ 0.5。電荷1で軽いため小さい。
  • 4 ✗ 0.2。この中で最小。
  • 5 ○ 43.2 で最大。炭素は電荷6で、2乗すると36倍効いてくる。エネルギーが高くても、重くて遅いため速度が小さい。

問73 運動エネルギー E₀ の中性子が、静止している質量 M[u]の原子核と反跳角 θ で弾性散乱したとき、原子核の反跳エネルギーを表す式はどれか。

  1. E01(M+1)2cos2θE_0 \dfrac{1}{(M+1)^2}\cos^2\theta
  2. E0M(M+1)2cos2θE_0 \dfrac{M}{(M+1)^2}\cos^2\theta
  3. E04M(M+1)2cos2θE_0 \dfrac{4M}{(M+1)^2}\cos^2\theta
  4. E0M(M1)2cos2θE_0 \dfrac{M}{(M-1)^2}\cos^2\theta
  5. E04M(M1)2cos2θE_0 \dfrac{4M}{(M-1)^2}\cos^2\theta
解答・解説を見る

正解:3

  • 中性子(質量を1とする)と質量Mの原子核の弾性散乱では、運動量保存とエネルギー保存から次の式が導かれる。
ER=E04M(M+1)2cos2θE_R = E_0 \cdot \frac{4M}{(M+1)^2}\cos^2\theta
  • 確かめ方:正面衝突(θ=0、cos²θ=1)のとき、渡せるエネルギーが最大になる。
    • 水素(M=1)4×1/(1+1)2=14 \times 1 / (1+1)^2 = 1エネルギーの100%を渡せる。ビリヤードで同じ重さの球にまともに当たると、こちらが止まって相手が飛ぶのと同じ。水素を多く含む水やパラフィンが中性子の減速材に使われる理由がこれ。
    • 炭素(M=12)4×12/1690.284 \times 12 / 169 \approx 0.28 → 28%しか渡せない。
  • 分母が (M+1)² であることと、分子の 4 を落とさないことが確認のポイント。M=1を入れて1になるかで検算できる。
  • 1 ✗ 分子の係数が足りず、M=1を入れても1にならない。
  • 2 ✗ 同じく係数4が抜けている。
  • 3 ○ M=1で 4/(1+1)²=1 となり、条件を満たす。
  • 4 ✗ 分母が (M−1)²。M=1で分母が0になり成り立たない。
  • 5 ✗ 同上。

問74 核磁気共鳴現象を起こすのはどれか。

  1. ¹²C
  2. ¹⁶O
  3. ²²Ne
  4. ²³Na
  5. ⁴⁰Ca
解答・解説を見る

正解:4

  • 核磁気共鳴を起こすには、原子核がスピン(核磁気モーメント)をもつ必要がある。陽子数と中性子数がともに偶数の核はスピンが0になり、共鳴しない。
  • 見分け方は簡単で、質量数が奇数なら必ずスピンをもつ。質量数が偶数の場合は、陽子数も偶数ならスピン0。
  • 1 ✗ ¹²C は陽子6・中性子6でともに偶数。スピン0。
  • 2 ✗ ¹⁶O は陽子8・中性子8。スピン0。
  • 3 ✗ ²²Ne は陽子10・中性子12。スピン0。
  • 4 ○ ²³Na は質量数23で奇数。スピン3/2をもち、ナトリウムMRIとして実際に撮像もされている。
  • 5 ✗ ⁴⁰Ca は陽子20・中性子20。スピン0。

問75 AD変換器の回路について、正しいのはどれか。ただし Vi は入力電圧、−Vr は基準電圧とする。

問75の図(出典:厚生労働省)
  1. 全ビットの比較を逐次的に行う。
  2. 並列比較型のAD変換器である。
  3. ビデオ信号の高速AD変換に適する。
  4. スタートパルス信号を加えると S2 がオンになる。
  5. キャリーが与えられると、カウンタはリセットされる。
解答・解説を見る

正解:5

  • 図の回路は、積分器・コンパレータ・カウンタ・2つのスイッチからなる二重積分型(デュアルスロープ型)のAD変換器。
  • 動作は2段階。①スタートで S1 がオンになり、入力電圧 Vi を一定時間積分する(傾きが Vi に比例)。②カウンタがいっぱいになってキャリーが出るとカウンタがリセットされ、S2 に切り替わって基準電圧 −Vr で逆向きに積分し、ゼロに戻るまでの時間を数える。 この時間が Vi に比例する。
  • 1 ✗ これは逐次比較型(SAR型)の説明。
  • 2 ✗ 並列比較型(フラッシュ型)はコンパレータを段数ぶん並べる方式で、回路の形がまったく違う。
  • 3 ✗ 二重積分型は積分に時間がかかるため低速。精度とノイズ耐性は高いので、デジタルテスタなどに向く。ビデオ信号の高速変換には並列比較型を使う。
  • 4 ✗ スタートでオンになるのは、入力電圧を積分する S1 のほう。
  • 5 ○ キャリー(桁上がり)でカウンタがリセットされ、第2段階の逆積分に移る。

問76 平均値が 2 mA のパルス電流について、パルスの周波数[Hz]はどれか。

問76の図(出典:厚生労働省)
  1. 10
  2. 20
  3. 30
  4. 50
  5. 100
解答・解説を見る

正解:2

  • 考え方は「平均値 = パルスの高さ × デューティ比」。デューティ比は、1周期のうちパルスが立っている時間の割合。
  • 図から、パルスの高さは 5 mA、立っている時間は 20 ms。平均値が 2 mA になる条件から、デューティ比が決まる。
2=5×tonTtonT=0.42 = 5 \times \frac{t_{on}}{T} \quad \Rightarrow \quad \frac{t_{on}}{T} = 0.4
  • ここに ton=20t_{on} = 20 ms を入れて周期を求める。
T=20 ms0.4=50 ms=0.05 sT = \frac{20\ \text{ms}}{0.4} = 50\ \text{ms} = 0.05\ \text{s} f=1T=10.05=20 Hzf = \frac{1}{T} = \frac{1}{0.05} = 20\ \text{Hz}
  • 1 ✗ 周期100 msに相当し、平均値が1 mAになってしまう。
  • 2 ○ 20 Hz。
  • 3 ✗ 周期が短すぎ、平均値が2 mAを超える。
  • 4 ✗ 同上。
  • 5 ✗ 周期10 msではパルス幅20 msが入らない。
  • 単位の取り違えに注意。ms を s に直し忘れると 1,000 倍ずれる。

問77 図の回路で R₃ に流れる電流[A]はどれか。ただし R₁=20 Ω、R₂=10 Ω、R₃=30 Ω、R₄=15 Ω とする。

問77の図(出典:厚生労働省)
  1. 2
  2. 4
  3. 6
  4. 10
  5. 12
解答・解説を見る

正解:1

  • 回路の形をまず読み解く。電源120 Vに対して、①R₁だけの経路と、②R₂ →(R₃とR₄の並列)の経路の、2本が並列につながっている。R₁ は R₃ の電流には関係しないので、②の経路だけを追えばよい。
  • 手順1:R₃とR₄の並列合成
R3R4R3+R4=30×1530+15=45045=10 Ω\frac{R_3 R_4}{R_3 + R_4} = \frac{30 \times 15}{30 + 15} = \frac{450}{45} = 10\ \Omega
  • 手順2:②の経路の合成抵抗(R₂と直列)
10+10=20 Ω10 + 10 = 20\ \Omega
  • 手順3:②に流れる電流
I=12020=6 AI_{②} = \frac{120}{20} = 6\ \text{A}
  • 手順4:並列部分で分配。電流は抵抗の逆比に分かれるので、R₃:R₄ = 30:15 に対して電流は 1:2。
I3=6×R4R3+R4=6×1545=2 AI_3 = 6 \times \frac{R_4}{R_3 + R_4} = 6 \times \frac{15}{45} = 2\ \text{A}
  • 1 ○ 2 A。
  • 2 ✗ 分配の比を逆にした値(R₄側の電流)。
  • 3 ✗ ②の経路の電流6 Aに近い誤り。分配を忘れている。
  • 4 ✗ R₁を含めた全電流に近い値。
  • 5 ✗ 並列の合成を足し算にしたときの値。
  • R₁があっても R₃ の電流は変わらない(並列なので互いに独立)という点が、この回路の読みどころ。

問78 放射線計測で6つのカウント値 {64, 59, 60, 62, 55, 60} を得た。変動係数に最も近いのはどれか。

  1. 0.01
  2. 0.05
  3. 0.10
  4. 0.15
  5. 0.20
解答・解説を見る

正解:2

  • 変動係数(CV)は「標準偏差 ÷ 平均」。ばらつきの大きさを平均に対する割合で表したもので、単位をもたない。
xˉ=64+59+60+62+55+606=3606=60\bar{x} = \frac{64+59+60+62+55+60}{6} = \frac{360}{6} = 60
  • 平均からの差は 4, −1, 0, 2, −5, 0。2乗して足すと
16+1+0+4+25+0=4616 + 1 + 0 + 4 + 25 + 0 = 46 σ4662.8\sigma \approx \sqrt{\frac{46}{6}} \approx 2.8 CV=2.8600.047CV = \frac{2.8}{60} \approx 0.047
  • 2 ○ 約0.05。
  • 検算のコツ:放射線計数はポアソン分布に従うので、理論的には σ=N=607.7\sigma = \sqrt{N} = \sqrt{60} \approx 7.7CV=1/600.13CV = 1/\sqrt{60} \approx 0.13 となる。実測のばらつきがこれより小さければ、統計変動の範囲におさまっている。

問79 GM計数管によるβ線の放射能測定において、試料台による後方散乱係数に影響しないのはどれか。

  1. 測定時間
  2. 試料台の厚さ
  3. β線のエネルギー
  4. 試料台の物質の組成
  5. GM計数管と試料台との距離
解答・解説を見る

正解:1

  • 後方散乱とは、試料の下向きに出たβ線が試料台で跳ね返り、検出器のほうへ戻ってくる現象。そのぶん計数が増える。
  • 1 ○(影響しない) 測定時間は統計精度に効くだけで、跳ね返る割合そのものは変わらない。
  • 2 ✗(影響する) 薄いと突き抜けてしまう。ある厚さ(飽和厚)までは厚いほど後方散乱が増え、それ以上は一定になる。
  • 3 ✗(影響する) エネルギーによって飛程と散乱の起こり方が変わる。
  • 4 ✗(影響する) 原子番号が大きい物質ほど後方散乱が大きい。鉛の台とプラスチックの台では大きく違う。
  • 5 ✗(影響する) 位置関係が変われば、戻ってきたβ線が検出器に入る割合(幾何学的効率)が変わる。

問80 ある放射性試料を計数装置で2分間測定して400カウントを得た。バックグラウンドのみを1分間測定したところ100カウントであった。この試料の正味の計数率[cpm]とその標準偏差[cpm]に最も近いのはどれか。

  1. 100 ± 5
  2. 100 ± 10
  3. 100 ± 14
  4. 200 ± 20
  5. 300 ± 30
解答・解説を見る

正解:3

  • 計数率を先に出す。
n=4002=200 cpm,nBG=1001=100 cpmn_{総} = \frac{400}{2} = 200\ \text{cpm}, \quad n_{BG} = \frac{100}{1} = 100\ \text{cpm} n正味=200100=100 cpmn_{正味} = 200 - 100 = 100\ \text{cpm}
  • 標準偏差は、引き算でも2乗して足す(誤差の伝播)。引いたからといって誤差は減らない。
σ=Nt2+NBGtBG2=40022+10012=100+100=20014\sigma = \sqrt{\frac{N_{総}}{t_{総}^2} + \frac{N_{BG}}{t_{BG}^2}} = \sqrt{\frac{400}{2^2} + \frac{100}{1^2}} = \sqrt{100 + 100} = \sqrt{200} \approx 14
  • 1 ✗ √100=10を半分にしたような値。
  • 2 ✗ バックグラウンド側の誤差を無視すると 10 になる。よくある誤り。
  • 3 ○ 100 ± 14。
  • 45 ✗ バックグラウンドを引いていない。

問81 質量阻止能の単位はどれか。

  1. J
  2. J・m⁻¹
  3. J・m²・kg⁻¹
  4. m⁻¹
  5. m²・kg⁻¹
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正解:3

  • 阻止能は「単位長さあたりに失うエネルギー」なので J・m⁻¹。質量阻止能はこれを密度(kg・m⁻³)で割る
Sρ=Jm1kgm3=Jm2kg1\frac{S}{\rho} = \frac{\text{J} \cdot \text{m}^{-1}}{\text{kg} \cdot \text{m}^{-3}} = \text{J} \cdot \text{m}^{2} \cdot \text{kg}^{-1}
  • 密度で割ると、物質の詰まり具合の違いをならせるので、状態(気体・液体・固体)が違っても比べられるようになる。
  • 1 ✗ エネルギーそのものの単位。
  • 2 ✗ これは(線)阻止能の単位。
  • 3 ○ 実用ではよく MeV・cm²・g⁻¹ で表される。
  • 4 ✗ これは線減弱係数の単位。
  • 5 ✗ これは質量減弱係数の単位。エネルギーの次元がない点で区別する。

問82 ラジオクロミックフィルムについて正しいのはどれか。

  1. 温度依存はない。
  2. 感度不均一はない。
  3. 明室で使用できない。
  4. 照射後の濃度上昇はない。
  5. 線量は直接読み取れない。
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正解:5

  • ラジオクロミックフィルムは、放射線が当たると内部の色素が重合して自ら発色するフィルム。現像液が不要で、IMRTの線量分布検証などに使われる。
  • 1 ✗ 保管温度や測定時の温度で発色が変わる。温度管理は必要。
  • 2 ✗ 1枚の中でも場所によって感度がばらつく。均一性の補正が推奨される。
  • 3 ○ではなく✗ 明室で扱えるのが大きな利点。可視光にほとんど感光しない(ただし紫外線は避ける)。
  • 4 ✗ 照射直後から発色が進み、しばらく濃度が上がり続ける。そのため読み取りまでの待ち時間(通常24時間程度)をそろえる必要がある。
  • 5 ○ フィルムから直接得られるのは「濃度(光学濃度)」。あらかじめ既知の線量を照射して作った校正曲線を使って、初めて線量に変換できる。

問83 最も低い管電圧を用いる撮影部位はどれか。

  1. 咽頭
  2. 喉頭
  3. 手指
  4. 乳房
  5. アキレス腱
解答・解説を見る

正解:4

  • 1 ✗ 咽頭は60〜80 kV程度。
  • 2 ✗ 喉頭も60〜80 kV程度。
  • 3 ✗ 手指は50〜55 kV程度。乳房よりは高い。
  • 4 ○ マンモグラフィは 25〜35 kV 程度と、診断領域で最も低い。乳腺と脂肪という、組成のよく似た軟部組織どうしのわずかな差を出すには、光電効果が優位になる低いエネルギーが必要だから。ターゲットもモリブデンやロジウムを使う。
  • 5 ✗ アキレス腱の軟部撮影も45〜55 kV程度。
  • 覚え方は「軟部組織どうしを見分けたいほど低い管電圧」。乳房<四肢・軟部<頭部・体幹の順に上がっていく。

問84 KUBの画像で、行われた処置はどれか。(画像問題)

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.5 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. 人工血管置換術
  2. 尿管ステント留置術
  3. 消化管ステント留置術
  4. イレウスチューブ挿入術
  5. 腹部大動脈ステントグラフト留置術
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正解:2

  • KUB(Kidney, Ureter, Bladder)は腎・尿管・膀胱を含む腹部単純X線像。
  • 1 ✗ 人工血管は正中を縦に走り、より太く直線的。
  • 2 ○ 尿管ステントは、腎盂から膀胱まで、脊柱の外側を弓なりに下る細い管として写る。上端と下端が丸まって豚のしっぽのように巻いている(ダブルJステント)のが決め手。
  • 3 ✗ 消化管ステントは網目状の金属で、腸管の走行に沿う。
  • 4 ✗ イレウスチューブは鼻から入る太い管で、上腹部から小腸へ向かう。
  • 5 ✗ ステントグラフトは腹部大動脈(脊柱の左前)に沿った太い金属構造として写り、左右の総腸骨動脈へ分岐する形になる。

問85 医療安全について正しいのはどれか。

  1. 組織の対応より個人の注意が重要である。
  2. インシデントレポートの提出には医師の承認が必要である。
  3. 医療事故はできるだけ発生部署内で解決するよう心掛ける。
  4. 医療事故を減らすため、一つの原因のみに重点的な対策を行う。
  5. 事故の原因が究明できていなくても、インシデントレポートを提出する。
解答・解説を見る

正解:5

  • 医療安全の基本は「人は必ず間違える。だから個人を責めず、仕組みで防ぐ」という考え方。
  • 1 ✗ 個人の注意力に頼る対策は続かない。組織としての仕組みづくりが重要。
  • 2 ✗ 承認は不要。報告のハードルを上げると、報告が集まらなくなり安全が損なわれる。
  • 3 ✗ 部署内で抱え込むのは最も避けるべき。医療安全管理部門へ報告し、組織全体で共有・分析する。
  • 4 ✗ 医療事故は複数の要因が重なって起こる(スイスチーズモデル)。一つだけの対策では防げない。
  • 5 ○ 原因が分からなくても、まず速やかに報告する。分析はそのあとで行う。「報告してから考える」が原則。

問86 胸部X線写真で、矢印が示す部位と名称の組合せで正しいのはどれか。(画像問題)

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.6 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. ア ── 食道
  2. イ ── 大動脈弓
  3. ウ ── 左肺静脈
  4. エ ── 大葉間裂
  5. オ ── 心横隔膜角
解答・解説を見る

正解:2

  • 胸部正面像の左第1弓が大動脈弓(大動脈結節)。上縦隔の左縁で外側に張り出す部分で、正面像でいちばん見つけやすい構造のひとつ。
  • 左縁の見え方は上から順に「第1弓=大動脈弓、第2弓=肺動脈、第3弓=左心耳、第4弓=左心室」。右縁は「第1弓=上大静脈、第2弓=右心房」。この並びを覚えておくと、矢印がどこを指していても対応できる。
  • 1 ✗ 正常の食道は単純X線では描出されない。
  • 2 ○ 左第1弓の位置と一致する。
  • 3 ✗ 肺静脈は肺門部から左房に入る血管で、位置が異なる。
  • 4 ✗ 大葉間裂は右の水平裂が線状に見えることがあるが、指している位置が違う。
  • 5 ✗ 心横隔膜角は心陰影と横隔膜が作る鋭い角で、下方にある。

問87 X線撮影の体位のうち、第1斜位はどれか。(画像問題)

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.7 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

解答・解説を見る

正解:5

  • 第1斜位(RAO:右前斜位)= 右の前面を検出器につけた姿勢。第2斜位(LAO:左前斜位)はその逆で、左の前面を検出器につける。
  • 覚え方は「斜位の番号は、検出器につく側」。第1=右前、第2=左前。
  • 心臓の撮影では、第1斜位で左房と食道の関係、第2斜位で左室の輪郭が見やすくなる。
  • 14 ✗ 正面・側面、あるいは左前斜位や後斜位にあたる。
  • 5 ○ 右の前面が検出器側を向いている。

問88 頸部の単純CT像で、矢印が示すのはどれか。(画像問題)

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.8 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. 横突起
  2. 棘突起
  3. 筋突起
  4. 歯突起
  5. 乳様突起
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正解:4

  • 1 ✗ 横突起は椎体の左右に張り出す。頸椎では中に横突孔があり、椎骨動脈が通る。
  • 2 ✗ 棘突起は後方に突き出る。
  • 3 ✗ 筋突起は下顎骨にある突起で、側頭筋がつく。頸椎の構造ではない。
  • 4 ○ 歯突起(dens)は第2頸椎(軸椎)から上に伸びる突起で、第1頸椎(環椎)の前弓の後ろにはまり込み、首を回す軸になる。横断像では、環椎のリングの中央前寄りに丸い骨として見える。この位置関係が決め手。
  • 5 ✗ 乳様突起は側頭骨の後下方にある骨の隆起で、胸鎖乳突筋がつく。頸椎より上のレベル。

問89 CTDIvol の単位で正しいのはどれか。

  1. cm
  2. mGy
  3. mSv
  4. mGy・cm
  5. mGy/cm
解答・解説を見る

正解:2

  • 1 ✗ cm は長さの単位。撮影範囲を表すときには使うが、線量の単位ではない。
  • 2 ○ CTDIvol は「1回転あたりの線量の濃さ」なので、吸収線量と同じ mGy
  • 3 ✗ mSv は実効線量の単位。DLPに部位ごとの係数を掛けて換算する。
  • 4 ✗ mGy・cm は DLP(線量長さ積)の単位。CTDIvol に撮影範囲の長さを掛けたもの。
  • 5 ✗ 該当する量がない。
  • 3つの関係を並べて覚える。CTDIvol(mGy)=濃さ → DLP(mGy・cm)=総量 → 実効線量(mSv)=全身への影響。単位を見れば、どの段階の量かがすぐ分かる。

問90 焦点−被写体間距離を a、被写体−検出器間距離を b としたとき、拡大率はどれか。

  1. a/b
  2. b/a
  3. 1 + a/b
  4. 1 + b/a
  5. 1/a + 1/b
解答・解説を見る

正解:4

  • 拡大率は「焦点から検出器までの距離 ÷ 焦点から被写体までの距離」。
M=焦点−検出器間距離焦点−被写体間距離=a+ba=1+baM = \frac{\text{焦点−検出器間距離}}{\text{焦点−被写体間距離}} = \frac{a+b}{a} = 1 + \frac{b}{a}
  • 検算のしかた:被写体を検出器にぴったりつけると b=0。このとき拡大は起こらないので M=1 でなければならない。選択肢4に b=0 を入れると 1+0=1 となり、条件を満たす。
  • 1 ✗ b=0 のとき0になり、成り立たない。
  • 2 ✗ b=0 のとき0になる。
  • 3 ✗ b=0 で分母が0になる。
  • 4 ○ b=0 で 1 となり、条件を満たす。
  • 5 ✗ 次元が合わない(長さの逆数になってしまう)。
  • 拡大撮影では、被写体を検出器から離して b を大きくする。ただし拡大するほど半影(ボケ)も大きくなるため、微小焦点の使用が前提になる。

問91 胃部X線造影検査で誤っているのはどれか。

  1. 圧迫撮影法では凹凸病変の形態が観察できる。
  2. 二重造影法では陰性造影剤として炭酸ガスを使用する。
  3. 注腸造影検査に比べて低濃度の硫酸バリウムを使用する。
  4. 胃粘膜面に硫酸バリウムを付着させる目的で体位変換を行う。
  5. 背臥位二重造影第1斜位像では、十二指腸球部から前庭部が描出される。
解答・解説を見る

正解:3

  • 1 ✗(正しい) 圧迫して薄く伸ばすと、隆起や陥凹の形が浮き出る。
  • 2 ✗(正しい) 発泡剤から出る炭酸ガスで胃を膨らませ、粘膜に付いたバリウムとの二重造影像を作る。
  • 3 ○(これが誤り) 逆。胃は粘膜に薄く均一に付着させたいので高濃度・低粘性(200 w/v%前後)のバリウムを使う。注腸のほうが低濃度(60〜100 w/v%程度)。
  • 4 ✗(正しい) 体位変換(ローリング)でバリウムを胃全体に行き渡らせ、粘膜に付着させる。
  • 5 ✗(正しい) 背臥位第1斜位では、前庭部から十二指腸球部が重なりなく展開される。

問92 子宮卵管造影検査で正しいのはどれか。

  1. 経時的に撮影する。
  2. 40 kV 程度の管電圧で撮影する。
  3. 骨盤計測を目的とした検査である。
  4. 造影剤投与後に KUB 撮影を実施する。
  5. 油性ヨード造影剤の使用は禁忌である。
解答・解説を見る

正解:1

  • 1 ○ 造影剤を注入しながら、子宮腔の充満 → 卵管の描出 → 腹腔内への流出(散布像)と、時間を追って撮影する。卵管が通っているかどうかを見るのが目的なので、経時的な観察が不可欠。
  • 2 ✗ 骨盤部の撮影なので70〜80 kV程度。40 kVでは骨盤を透過できない。
  • 3 ✗ 骨盤計測(グースマン法など)は別の検査。
  • 4 ✗ KUBは腎・尿管・膀胱の単純撮影で、この検査とは無関係。
  • 5 ✗ 禁忌ではない。油性造影剤は粘膜への付着がよく描出に優れ、通水効果による妊娠率の向上も報告されている。ただし油性は吸収が遅く肉芽腫や油塞栓のリスクがあるため、使用量と適応には注意が必要。

問93 X線画像の被写体コントラストを決定するのはどれか。2つ選べ。

  1. 被写体の厚さ
  2. 検出器の入出力特性
  3. 入射X線のスペクトル
  4. 被写体に入射する光子数
  5. 検出器に入射する散乱線
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正解:1・3・5

  • 「2つ選べ」の設問だが、公式の正答値表では 1・3・5 のうちどの2つを選んでも正答とされた(救済措置)。
  • 被写体コントラストは「被写体を通り抜けたX線の強さの差」で決まる。効くのは次の3つ。
    • 被写体側の条件…厚さ・密度・原子番号(選択肢1)
    • X線の線質…スペクトル(実効エネルギー)。低エネルギーほど光電効果が効いてコントラストが高い(選択肢3)
    • 散乱線…被写体の情報をもたないX線が一様に重なり、コントラストを下げる(選択肢5)
  • 2 ✗ 検出器の入出力特性が決めるのは画像コントラスト。被写体コントラストは検出器に届く前の話なので、含めない。ここが最大の切り分けポイント。
  • 4 ✗ 光子数を増やしても、透過する割合のは変わらない。効くのはノイズ(SN比)であってコントラストではない。

問94 標本化間隔 0.1 mm の CR システムで、エッジをわずかに傾斜させて計測したプリサンプルドMTFが示された。このCRシステムの 4 cycles/mm におけるデジタルMTF値に最も近いのはどれか。

問94の図(出典:厚生労働省)
  1. 0.15
  2. 0.22
  3. 0.35
  4. 0.46
  5. 0.50
解答・解説を見る

正解:2・3・4・5(いずれも正答)

  • 公式の正答値表では、2・3・4・5 のいずれを選んでも正答とされた問題。設問の条件からは答えを一つに絞れないと判断されたためと考えられる。
  • 押さえるべき考え方は次のとおり。
    • 標本化間隔 0.1 mm → 標本化周波数 10 cycles/mm、ナイキスト周波数 5 cycles/mm
    • プリサンプルドMTFは、標本化の影響を受ける前のシステム本来の分解能特性。エッジをわずかに傾けて撮ることで、標本化間隔より細かい情報を再現して求める。
    • デジタルMTFは、これに標本化による折り返し(エリアシング)が重なったもの。ナイキスト周波数を超える成分が折り返して加わるため、プリサンプルドMTFとは一致しない。
  • 「プリサンプルドMTFとデジタルMTFは別物」「エッジを傾ける理由は標本化間隔より細かく測るため」の2点が、この問題の本質。

問95 X線写真のウィナースペクトルについて正しいのはどれか。

  1. 体積の次元をもつ。
  2. X線量が少ないほど値が小さくなる。
  3. 高空間周波数領域は量子モトルに影響される。
  4. 値が大きいほど低コントラスト信号の検出能は優れる。
  5. 濃度変動をフーリエ変換し、その絶対値を2乗して求める。
解答・解説を見る

正解:5

  • ウィナースペクトル(ノイズパワースペクトル、NPS)は、ノイズの大きさを空間周波数ごとに分けて表したもの。「どんな細かさのざらつきが、どれくらいあるか」を示す。
  • 1 ✗ 次元は面積(mm²)。濃度の分散に面積を掛けた形になる。
  • 2 ✗ 逆。線量が少ないほど量子ノイズが増え、値は大きくなる。
  • 3 ✗ 量子モトルは全周波数域に広く分布する。高周波領域で目立つのは、粒状性のうちフィルム粒状や構造モトルの寄与。
  • 4 ✗ 逆。ウィナースペクトルはノイズの指標なので、値が大きいほどノイズが多く、検出能は悪い
  • 5 ○ 定義そのもの。濃度のゆらぎをフーリエ変換して振幅を2乗し、周波数ごとのパワーとして表す。
  • MTF(信号の伝わり方)とウィナースペクトル(ノイズ)を組み合わせた総合指標が DQE になる。3つはセットで整理しておく。

問96 医療法施行規則で規定されているエックス線診療室の構造設備基準で、画壁等の外側における実効線量限度として正しいのはどれか。

  1. 250 µSv/3月
  2. 1 mSv/年
  3. 2 mSv/年
  4. 1.3 mSv/3月
  5. 1 mSv/週
解答・解説を見る

正解:5

  • 医療法施行規則では、エックス線診療室の画壁等の外側における実効線量限度を、次のように定めている。

1週間につき 1 mSv 以下

  • 似た数値が3つあり、どの場所の基準かで使い分ける。ここが最大のひっかけ。
場所実効線量限度
エックス線診療室の画壁等の外側1 mSv/週
管理区域の境界1.3 mSv/3月
病院・診療所内の人が居住する区域、敷地の境界250 µSv/3月
  • 1 ✗ 250 µSv/3月 は、居住区域や敷地の境界の基準。いちばん厳しい値で、一般公衆を守るためのもの。
  • 2 ✗ 1 mSv/年 は公衆の線量限度という防護の原則で、構造設備基準の数値ではない。
  • 3 ✗ 該当する規定がない。
  • 4 ✗ 1.3 mSv/3月 は管理区域の境界の基準。診療室の画壁の外側とは別の場所を指す。
  • 5 ○ 週あたりで定められている点が特徴。診療室は撮影のたびに使われるので、週単位の管理になじむ。

問97 診療放射線技師法で正しいのはどれか。

  1. 診療放射線技師が業務を行う場所は、病院又は診療所に限定される。
  2. 免許を取り消された者は、30日以内に免許証を返納しなければならない。
  3. 規定する放射線に、百万電子ボルト未満のエネルギーを有する電子線が含まれる。
  4. 照射録には、その照射について指示をした医師又は歯科医師の署名を受けなければならない。
  5. 業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないが、診療放射線技師でなくなった後はこの限りではない。
解答・解説を見る

正解:4

  • 1 ✗ 原則は病院・診療所だが、健康診断のための巡回や、医師の立会いのもとでの往診など、例外が定められている。「限定される」は誤り。
  • 2 ✗ 返納期限は 5日以内。30日ではない。
  • 3 ✗ 法が定める放射線は、電子線については 1 MeV(百万電子ボルト)以上のもの。「未満」が誤り。
  • 4 ○ 照射録は照射のたびに作成し、指示をした医師・歯科医師の署名を受ける義務がある。
  • 5 ✗ 逆。技師でなくなった後も、守秘義務は続く。「この限りではない」が誤り。

問98 ICRP 2007年勧告における実効線量について正しいのはどれか。

  1. 特定の個人に対する線量である。
  2. 線量計を用いて直接測定することができる。
  3. 内部被ばくの管理には預託実効線量を用いる。
  4. 個人のリスク評価のための使用が推奨されている。
  5. 被ばくによる組織反応〈確定的影響〉のリスクの程度を表す線量である。
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正解:3

  • 実効線量は「防護の最適化と線量限度の管理のために作られた、集団向けの目安」。個人のリスク評価のための量ではない、というのが2007年勧告の重要な立場。
  • 1 ✗ 基準人(reference person)に対して定義された量。特定の個人のものではない。
  • 2 ✗ 臓器ごとの等価線量に組織加重係数を掛けて合計する計算上の量。直接は測れない。実測できるのは個人線量当量など。
  • 3 ○ 体内に取り込まれた放射性物質は、その後も長期間にわたり被ばくを与え続ける。そこで摂取した時点から成人で50年、子どもは70歳までの積算を、摂取した年に受けたものとみなす。これが預託実効線量。
  • 4 ✗ 個人のリスク評価に使うことは推奨されていない
  • 5 ✗ 実効線量が対象とするのは確率的影響(発がん・遺伝性影響)。確定的影響(組織反応)は、しきい値のある局所の吸収線量や等価線量で管理する。

問99 特定放射性同位元素である核種はどれか。

  1. PET検査用の ¹⁸F
  2. 甲状腺癌内用療法用の ¹³¹I
  3. 高線量率RALS治療用の ¹⁹²Ir
  4. 前立腺癌永久挿入治療用の ¹²⁵I
  5. 骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌内用療法用の ²²³Ra
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正解:3

  • 特定放射性同位元素とは、盗取・所在不明などが起きたときに人の健康に重大な影響を及ぼすおそれがある量(D値以上)を扱うもので、防護措置(テロ対策としての施錠・監視・報告体制など)が義務づけられる。放射線障害防止法の改正で導入された区分。
  • 1 ✗ ¹⁸F は半減期110分と極めて短く、使用量も該当しない。
  • 2 ✗ ¹³¹I の内用療法は非密封で、投与量はD値に達しない。
  • 3 ○ 高線量率RALSの ¹⁹²Ir 線源は、1本で数百GBqと非常に高い放射能をもつ密封線源。D値を大きく超えるため該当する。
  • 4 ✗ ¹²⁵I シード線源は1個あたりの放射能が小さい。
  • 5 ✗ ²²³Ra の投与量もD値に達しない。
  • 見分けの目安は「密封された、けた違いに高い放射能の線源かどうか」。

問100 内部被ばくの線量評価で正しいのはどれか。

  1. 空気中放射性物質濃度測定法は最も精度が高い。
  2. 体外計測法では、残留関数を用いて摂取量を評価する。
  3. MIRD法では、排泄物中の放射性物質濃度を用いて評価する。
  4. 実効線量係数は、放射性物質の種類によらず一定である。
  5. バイオアッセイ法は、主にγ線を放出する放射性物質を対象とする。
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正解:2

  • 内部被ばくの評価は、まず摂取量(Bq)を推定し、それに実効線量係数(Sv/Bq)を掛けて線量にする、という2段階で進む。
  • 1 ✗ 空気中濃度から推定する方法は、呼吸量や作業時間を仮定するため精度は最も低い。個人の実測(体外計測やバイオアッセイ)のほうが精度は高い。
  • 2 ○ 体外計測法(ホールボディカウンタなど)で測れるのは「今、体内に残っている量」。そこから摂取した時点の量を逆算するために、時間とともにどれだけ残るかを表す残留関数を使う。
  • 3 ✗ 排泄物を測るのはバイオアッセイ法。MIRD法は、体内に分布した放射能から臓器の吸収線量を計算する枠組みで、測定法ではない。
  • 4 ✗ 実効線量係数は、核種・化学形・粒径・摂取経路(吸入か経口か)・年齢によって大きく変わる。
  • 5 ✗ 逆。γ線を出す核種は体外から直接測れるので体外計測法が使える。バイオアッセイ法は、体外計測が難しいα線・β線核種(³H、⁹⁰Sr、Puなど)が主な対象になる。

第75回の 午後の解答・解説 もあわせてご覧ください。

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