第75回 診療放射線技師 国家試験(午後)解答・解説
問1 放射性核種の半減期について正しいのはどれか。
- 生物学的半減期は核種に依存しない。
- 3半減期後に原子数は最初の 1/3 になる。
- 半減期が長い核種ほど壊変定数が大きい。
- 有効半減期は内部被ばく防護の指標として用いられる。
- 有効半減期は、物理学的半減期と生物学的半減期の和である。
解答・解説を見る
正解:4
- 1 ✗ 生物学的半減期は「体からどれだけ早く出ていくか」なので、その元素の化学的な性質や化合物の形によって変わる。核種に依存する。
- 2 ✗ 1半減期ごとに 1/2 になるので、3半減期後は 。「1/3」ではない。
- 3 ✗ 壊変定数と半減期は反比例の関係。
- 4 ○ 体内に入った放射性物質が実際にどれだけ被ばくを与えるかは、壊変で減る分と排泄で減る分の両方で決まる。その合計が有効半減期なので、内部被ばくの評価・防護の指標になる。
- 5 ✗ 和ではなく、逆数の和。
必ず短いほうより、さらに短くなる。「和」だと長くなってしまい、意味が逆になる。
問2 ⁹⁹Mo‑⁹⁹ᵐTc ジェネレータをミルキングしたときの ⁹⁹ᵐTc の放射能を表すのはどれか。ただし、 を ⁹⁹Mo の放射能、 を ⁹⁹ᵐTc の壊変定数、 を ⁹⁹Mo の壊変定数、 をミルキング後の経過時間とする。
解答・解説を見る
正解:4
- 親核種から娘核種が育っていく過程は、バトマンの式で表される。娘(⁹⁹ᵐTc)の放射能は次の形になる。
- さらに ⁹⁹Mo 特有の事情が加わる。⁹⁹Mo は壊変してもすべてが ⁹⁹ᵐTc になるわけではなく、約87.7%だけが ⁹⁹ᵐTc を経由する(残りは直接 ⁹⁹Tc へ)。これが式の頭にある 0.877 の正体。
選択肢の見分け方
- 5つの式は、2か所しか違わない。そこだけを見ればよい。
| 分数の部分 | カッコの中の順番 | |
|---|---|---|
| 1 | 親 − 娘 | |
| 2 | 娘 − 親 | |
| 3 | 娘 − 親 | |
| 4 | 親 − 娘 | |
| 5 | 娘 − 親 |
-
ポイント①:分子は「娘」の壊変定数。求めたいのは娘(⁹⁹ᵐTc)の放射能なので、分子は 。1〜3は なので、この時点で消える。
-
ポイント②:カッコの中は「親が先、娘があと」。 の順。残った4と5は、ここだけが違う。
-
検算のしかた: を入れると となり、ミルキング直後の ⁹⁹ᵐTc がゼロになる。これは実際の動きと合う。
-
さらに、⁹⁹Mo は ⁹⁹ᵐTc より半減期が長いので 。したがって分母 は正になる。時間が経つと (減りが遅いほうが大きく残る)なので、カッコの中も正。式全体が正の値になり、つじつまが合う。
-
選択肢5は順番が逆なのでカッコの中が負になり、放射能が負になってしまう。これで4に決まる。
-
1 ✗ 分子が 。娘ではなく親の壊変定数になっている。
-
2 ✗ 分子が で、さらにカッコの中も逆。
-
3 ✗ 分子が 。分母は正しいが分子が違う。
-
4 ○ 分子が 、カッコの中が「親 − 娘」。
-
5 ✗ カッコの中が逆で、放射能が負になってしまう。
-
なお ⁹⁹Mo(約66時間)と ⁹⁹ᵐTc(約6時間)は過渡平衡の関係にあり、ミルキング後およそ24時間で ⁹⁹ᵐTc の放射能が最大になる。
問3 Wilzbach〈ウィルツバッハ〉法について正しいのはどれか。
- 標識位置は安定している。
- 合成は数分程度で完了する。
- 比放射能が高い標識化合物が得られる。
- 放射化学的純度が高い標識化合物が得られる。
- トリチウムガスと水素原子の交換反応を用いる。
解答・解説を見る
正解:5
- ウィルツバッハ法は、標識したい化合物をトリチウムガスの中に数日〜数週間置いておくだけという、きわめて素朴な方法。トリチウムのβ線が引き起こす反応で、分子中の水素がランダムにトリチウムへ置き換わる。
- 1 ✗ どの位置の水素が置き換わるかは制御できない。標識位置は定まらない。
- 2 ✗ 数日〜数週間かかる。
- 3 ✗ 置換の効率が低いため、比放射能は低い。
- 4 ✗ 目的以外の副生成物が大量にできるため、放射化学的純度は低く、精製が必須。
- 5 ○ これが方法の定義そのもの。手軽で装置がいらない反面、上に挙げた欠点が多く、現在は限られた用途で使われる。
問4 放射化分析について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 検出感度が高い。
- 成分定量の精度が高い。
- 自己遮へいの影響がない。
- 多元素同時分析が可能である。
- 分析目的元素のみが放射化される。
解答・解説を見る
正解:1・4
- 放射化分析は、試料に中性子を当てて中の元素を放射化し、出てくるγ線のエネルギーと量から「何が」「どれだけ」あるかを調べる方法。
- 1 ○ ppb(10億分の1)〜ppt レベルまで検出できる。微量元素の分析では最高水準の感度。
- 2 ✗ 感度は高いが、定量の精度(正確さ)は化学分析に劣る。中性子の照射量のばらつきや自己遮へいの影響を受けるため。
- 3 ✗ 試料が厚いと、外側の原子が中性子を吸収して内部まで届かなくなる(自己遮へい)。この影響は避けられない。
- 4 ○ γ線のエネルギーは核種ごとに決まっているので、1回の測定で複数の元素を同時に見分けられる。これが大きな利点。
- 5 ✗ 照射すれば試料中のあらゆる元素が放射化される。目的の元素だけを選んで放射化することはできない。
問5 散乱線除去グリッドの特性評価項目と式の組合せで正しいのはどれか。ただし、箔の間隔を D、厚さを d、高さを h、全X線透過率を Tt、一次X線透過率を Tp、散乱X線透過率を Ts とする。
- 選択度 ────── Ts・Tt⁻¹
- 露出倍数 ───── 1・Tt⁻¹
- グリッド比 ─── h・d⁻¹
- グリッド密度 ── h・(D+d)
- コントラスト改善度 ── Tp・Ts⁻¹
解答・解説を見る
正解:2
- グリッドの評価量を、定義とセットで整理する。
| 項目 | 定義 |
|---|---|
| グリッド比 | (箔の高さ ÷ 箔と箔のすき間) |
| グリッド密度 | (1 cmあたりの箔の本数) |
| 選択度 | (一次線透過率 ÷ 散乱線透過率) |
| 露出倍数(バッキー係数) | (全透過率の逆数) |
| コントラスト改善度 | グリッドありのコントラスト ÷ なしのコントラスト |
- 1 ✗ 選択度は 。分子と分母が違う。
- 2 ○ 露出倍数は「グリッドを入れたことで線量を何倍にしなければならないか」。全体の透過率が下がるほど大きくなるので、 で表される。
- 3 ✗ グリッド比の分母は箔の厚さ d ではなく、すき間 D。ここが定番のひっかけ。
- 4 ✗ グリッド密度は 。高さ h は関係しない。
- 5 ✗ は選択度の式。コントラスト改善度は別の量。
問6 成人の検査対象臓器と超音波プローブの組合せで適切なのはどれか。2つ選べ。
- 腎臓 ────── コンベックス型
- 乳腺 ────── セクタ型
- 甲状腺 ───── リニア型
- 腹部大動脈 ── リニア型
- 鼠径リンパ節 ─ コンベックス型
解答・解説を見る
正解:1・3
- 選び方の原則は「深いところ=低周波・広い視野/浅いところ=高周波・高分解能」。
- リニア型…高周波(7.5〜12 MHz)。体表に近い部位(甲状腺・乳腺・頸動脈・体表リンパ節)
- コンベックス型…低周波(3〜5 MHz)で扇状に広い視野。腹部の深い臓器
- セクタ型…接触面が小さく扇状に広がる。肋間など狭い窓から見る心臓
- 1 ○ 腎臓は深部にあるためコンベックス型。
- 2 ✗ 乳腺は体表なのでリニア型。セクタ型は不適。
- 3 ○ 甲状腺は体表の代表格でリニア型。
- 4 ✗ 腹部大動脈は深部なのでコンベックス型。
- 5 ✗ 鼠径リンパ節は体表なのでリニア型。
問7 X線CT検査においてDRL(診断参考レベル)に用いられる指標はどれか。2つ選べ。
- CTDIvol
- DLP
- ED
- ESD
- SAR
解答・解説を見る
正解:1・2
- DRLは「自施設の線量が高すぎないか点検するための目安」。装置から出た線量として、実際に測れて比較できる量が使われる。
- 1 ○ CTDIvol(mGy)。1回転あたりの線量の濃さ。
- 2 ○ DLP(mGy・cm)。撮影範囲まで含めた検査1件の総量。CTのDRLはこの2つで示される。
- 3 ✗ ED(実効線量)は計算で求める量で、体格や仮定に左右される。DRLの指標には使わない。
- 4 ✗ ESD(入射表面線量)は一般撮影のDRL指標。CTではない。
- 5 ✗ SAR(比吸収率)はMRIのRFによる発熱の指標。放射線被ばくとは無関係。
問8 造影剤自動注入装置について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 特定保守管理医療機器である。
- 造影剤の注入速度を速くすると、注入圧力は下がる。
- MRIで使用する造影剤注入装置は磁性体材料で作られている。
- 可変式造影剤注入装置は、造影剤注入中に注入速度を変更できる。
- 装置に表示される注入圧力は、血管内へ直接かかる圧力を示している。
解答・解説を見る
正解:1・4
- 1 ○ 保守点検に専門的な知識と技能を要する機器として、特定保守管理医療機器に指定されている。
- 2 ✗ 逆。速く押し出すほど抵抗が大きくなり、圧力は上がる。細い留置針を使うと同じ速度でも圧力が高くなり、血管外漏出の危険が増す。
- 3 ✗ MRI室で使うものは非磁性体でできている。磁性体では吸着事故につながる。
- 4 ○ 可変式(多相注入)では、はじめは速く、途中から遅くといった注入パターンを設定できる。造影効果を検査目的に合わせて調整するために使う。
- 5 ✗ 表示されるのはシリンジ内など装置側の圧力で、血管内の圧力そのものではない。延長チューブや留置針を通る間に圧力は下がる。
問9 JISで規定されている医用X線装置の基本性能について正しいのはどれか。
- 非常停止スイッチは橙色で示さなければならない。
- 負荷質量は 135 kg まで正常に動作しなければならない。
- 装置が3秒以上発する騒音は 50 dB 以下にしなければならない。
- X線透視撮影台の圧迫筒の圧迫の強さは 20 N を超えてはならない。
- 患者に危害を加えるおそれがある部分の操作は、デッドマン形制御でなければならない。
解答・解説を見る
正解:5
- 1 ✗ 非常停止は赤色と定められている。橙色ではない。安全に関わる色の規定は、赤=停止・非常、黄=注意、緑=安全、と整理して覚える。
- 2 ✗ 数値が規定と異なる。
- 3 ✗ 騒音の値が規定と異なる。
- 4 ✗ 圧迫の強さの値が規定と異なる。
- 5 ○ デッドマン形制御とは、押している間だけ動き、手を離すと直ちに止まる方式。寝台の昇降やアームの移動など、患者を挟み込む危険がある動作に義務づけられている。「押し続けなければ動かない」ことで、操作者が倒れたり手を離したりしたときに自動で安全側へ倒れる(フェイルセーフ)。
問10 JISで規定されているIVR用X線装置の基本性能について正しいのはどれか。
- 透視中に衝突防止装置が作動した場合は、X線照射を自動停止する。
- 透視中は基準空気カーマ率の平均値を mSv/min の単位で表示する。
- 装置を60秒以内に心肺蘇生法(CPR)が可能な配置にすることができる。
- 足踏みスイッチは、床が深さ10 cmの食塩水で覆われた場合も操作が可能である。
- 100 mGy以上における積算基準空気カーマの誤差は、表示値の±35%以下である。
解答・解説を見る
正解:5
- IVRは透視時間が長く、皮膚障害のおそれがあるため、線量を表示する義務と、その表示がどれくらい正確であるべきかがJISで決められている。
- 1 ✗ 衝突防止装置は装置の動きを止めるためのもので、X線の自動停止とは結びつけられていない。
- 2 ✗ 空気カーマ率の単位は mGy/min。mSv は実効線量などに使う単位で、混同しやすい。
- 3 ✗ CPRができる配置にするまでの時間は、より短く規定されている。急変時に60秒も待てない。
- 4 ✗ 深さ10 cmは非現実的な条件。防水性能の規定は別の水準で定められている。
- 5 ○ 100 mGy以上の領域で、表示値の誤差は±35%以内。線量計そのものではなく推定値の表示なので、この程度の幅が許容されている。
問11 SE法と比べたときの、GRE法のMRIの特徴で正しいのはどれか。
- 横磁化が大きい。
- 出血の検出に劣る。
- 血流を画像化できない。
- T2*強調像が撮影可能である。
- 磁化率アーチファクトの影響が小さい。
解答・解説を見る
正解:4
- GRE法は180°パルスを使わず、傾斜磁場の反転でエコーを作る方法。この一点から、特徴がすべて導ける。
- 1 ✗ GREはフリップ角を小さくして高速化するため、横磁化はSE法より小さい。
- 2 ✗ 磁化率の変化に敏感なので、出血(ヘモジデリン)の検出には優れる。SWIはこの性質を利用したもの。
- 3 ✗ TOF法によるMRAはGRE系のシーケンス。血流の画像化はむしろ得意。
- 4 ○ 180°パルスで磁場の不均一を打ち消さないため、T2*(組織のT2 + 磁場のムラ)の情報がそのまま画像に出る。これがT2*強調像。
- 5 ✗ 同じ理由で、磁化率アーチファクトの影響は大きい。金属や副鼻腔の近くで信号が飛びやすい。
問12 CR装置について正しいのはどれか。
- 輝尽性蛍光体をX線検出器として用いる。
- フェーディング現象により画質が向上する。
- リアルタイムに画像を観察することができる。
- 記録の消去は加熱によって行い、繰り返し使用できる。
- 発光と励起光の波長は近いほうが読み取り精度が高い。
解答・解説を見る
正解:1
- CR(Computed Radiography)は、イメージングプレート(IP)にX線のエネルギーを一度ためておき、あとからレーザーで読み出す方式。
- 1 ○ IPには輝尽性蛍光体(BaFX:Eu²⁺ など)が使われる。X線を受けると電子が準安定な状態に捕らえられ、そこにレーザーを当てると光として放出される。
- 2 ✗ フェーディングは、時間が経つにつれてためた情報が自然に失われる現象。画質は低下する。撮影後はできるだけ早く読み取る。
- 3 ✗ 読み取り装置に通す必要があるため、リアルタイムでは見られない。リアルタイム観察はFPDの利点。
- 4 ✗ 消去は強い可視光を当てて行う。加熱ではない。
- 5 ✗ 逆。励起光(赤色レーザー)と発光(青色)の波長が十分に離れているほど、フィルタで励起光を除いて発光だけを取り出せる。近いと分離できず、読み取り精度が落ちる。
問13 骨密度測定法と測定部位の組合せで正しいのはどれか。
- DXA法 ── 中手骨
- MD法 ─── 頸椎
- QCT法 ── 踵骨
- QUS法 ── 腰椎
- SXA法 ── 橈骨
解答・解説を見る
正解:5
| 方法 | 測定部位 |
|---|---|
| DXA法(2種のX線) | 腰椎・大腿骨近位部(標準法) |
| MD法(アルミ基準物質と同時撮影) | 第2中手骨 |
| QCT法(CTを利用) | 腰椎 |
| QUS法(超音波) | 踵骨(放射線を使わない) |
| SXA法(1種のX線) | 橈骨・踵骨など末梢 |
- 1 ✗ DXAは腰椎・大腿骨近位部。中手骨はMD法。
- 2 ✗ MD法は第2中手骨。頸椎ではない。
- 3 ✗ QCTは腰椎。踵骨はQUS。
- 4 ✗ QUSは踵骨。腰椎ではない。
- 5 ○ SXA(single energy X-ray absorptiometry)は、軟部組織の厚みが均一な末梢部位に用いる。橈骨が代表。
- 3・4は入れ替えのひっかけになっている。QCTとQUSは名前が似ているので、「QUSのUはultrasound(超音波)=踵骨」と結びつけて覚える。
問14 X線CT像が2枚示された。左の正常画像に対して、右の画像に見られるアーチファクトはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.1 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- メタル
- リング
- カッピング
- エリアシング
- パーシャルボリューム
解答・解説を見る
正解:3
- CTアーチファクトは、見た目の形で覚えると設問で迷わない。
| 名称 | 見た目 | 原因 |
|---|---|---|
| メタル | 金属から放射状の明暗のスジ | ビームハードニング+光子飢餓 |
| リング | 同心円状の輪 | 検出器素子の感度のばらつき |
| カッピング | 中心が暗く、周辺が明るい(断面が茶碗状) | ビームハードニング |
| エリアシング | 細かいスジ状の偽像 | サンプリング不足 |
| パーシャルボリューム | 境界のぼやけ・CT値のずれ | 分解能より小さい構造 |
- 1 ✗ 金属由来の放射状のスジは見られない。
- 2 ✗ リング状の輪ではない。
- 3 ○ 均一なはずの水ファントムなのに、中心にいくほどCT値が低く(暗く)なる。X線が体を通るうちに低エネルギー成分が先に吸収されて線質が硬くなり、中心を通ったX線ほど「実際より減弱が少ない」と計算されてしまうために起こる。断面のプロファイルがカップ(茶碗)の形になることから、この名がついた。
- 4 ✗ 細かい縞状の偽像ではない。
- 5 ✗ 構造の境界に限った現象で、画像全体の明るさの傾きとしては現れない。
問15 頭部MR像が示された。撮影法として正しいのはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.2 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- T1強調像
- T2強調像
- FLAIR像
- 拡散強調像
- プロトン密度強調像
解答・解説を見る
正解:3
- 頭部の撮影法は、脳脊髄液(CSF)と白質・灰白質の見え方で切り分けるのが早い。
| 撮影法 | CSF | 灰白質と白質 |
|---|---|---|
| T1強調 | 低信号(黒) | 白質が明るい |
| T2強調 | 高信号(白) | 灰白質が明るい |
| FLAIR | 低信号(黒) | 灰白質が明るい |
| 拡散強調 | やや低信号 | コントラストは乏しい |
| プロトン密度 | 中間 | 差が小さい |
- 1 ✗ T1強調なら灰白質より白質が明るい。
- 2 ✗ T2強調ならCSFが白く光る。
- 3 ○ FLAIRは「T2強調像なのに脳室(CSF)だけが黒い」のが決め手。長いTIの反転回復パルスで自由水の信号を消しているため。脳室周囲やくも膜下腔の病変が見つけやすくなる。
- 4 ✗ 拡散強調は解剖の描出が粗く、EPIによる歪みも目立つ。
- 5 ✗ プロトン密度強調は全体のコントラストが乏しい。
問16 頭部MRA像で、矢印が示すのはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.3 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- 脳底動脈
- 後大脳動脈
- 前交通動脈
- 前大脳動脈
- 中大脳動脈
解答・解説を見る
正解:4
- 頭部MRA(Willis動脈輪)の読み方は、内頸動脈の分岐から追うのが基本。内頸動脈は頭蓋内で前大脳動脈と中大脳動脈に分かれる。
- 前大脳動脈…正中に向かって内側へ進み、そのあと上方へ立ち上がる。左右が前交通動脈でつながる
- 中大脳動脈…外側へ水平に伸び、シルビウス裂で細かく分岐する
- 後大脳動脈…脳底動脈の先端が左右に分かれたもの
- 脳底動脈…左右の椎骨動脈が合流した正中の1本
- 1 ✗ 脳底動脈は正中の1本で、より下方(後方)にある。
- 2 ✗ 後大脳動脈は脳底動脈の先から後方へ回り込む。
- 3 ✗ 前交通動脈は左右の前大脳動脈をつなぐごく短い血管。
- 4 ○ 正中寄りを前上方へ向かう走行が決め手。
- 5 ✗ 中大脳動脈は外側へ水平に伸びる。前大脳動脈とは向きが90度違うので、この2本は区別しやすい。
問17 女性骨盤MRIのT2強調矢状断像で、矢印が示すのはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.4 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- 腟
- 子宮
- 恥骨
- 直腸
- 膀胱
解答・解説を見る
正解:4
- 女性骨盤の矢状断は、前から後ろへ、恥骨 → 膀胱 → 子宮 → 直腸の順に並ぶ。この順番を覚えておけば、矢印がどこでも答えられる。
- 1 ✗ 腟は子宮の下方に続く細い管状構造。
- 2 ✗ 子宮は膀胱と直腸の間。T2強調では内膜が高信号、接合帯が低信号の三層構造に見える。
- 3 ✗ 恥骨は最前方の骨。骨髄脂肪のため中〜高信号。
- 4 ○ いちばん後方にあり、内部にガスや便を含んで信号が不均一になるのが直腸の特徴。仙骨のすぐ前に位置する。
- 5 ✗ 膀胱は前方にあり、尿がたまってT2で著明な高信号になる。
問18 音響陰影を伴うのはどれか。2つ選べ。
- 腹水
- 腎結石
- 水腎症
- 肝内石灰化
- 肝単純性囊胞
解答・解説を見る
正解:2・4
- 音響陰影は、超音波をほとんど通さない/強く反射するものの後ろが黒く抜ける現象。石灰化・結石・骨・ガスで生じる。
- 1 ✗ 腹水は液体で、後ろは後方エコー増強(明るくなる)。音響陰影とは正反対。
- 2 ○ 結石は強い高エコーで、後方に鋭い音響陰影を引く。結石を見つける最大の手がかり。
- 3 ✗ 水腎症は拡張した腎盂に尿がたまった状態。液体なので後方エコーは増強する。
- 4 ○ 石灰化も結石と同じく音響陰影を伴う。
- 5 ✗ 囊胞も液体。後方エコー増強になる。
- 「固いもの=後ろが黒くなる/液体=後ろが明るくなる」と対で覚えると、この種の設問は取りこぼさない。
問19 腎臓の超音波像で、矢印が示すアーチファクトはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.5 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- 鏡面反射
- 側方陰影
- 多重反射
- サイドローブ
- 後方エコーの増強
解答・解説を見る
正解:3
- 1 ✗ 鏡面反射(ミラーイメージ)は、横隔膜など強い反射面の向こう側に、実在しない虚像が写る現象。
- 2 ✗ 側方陰影は、囊胞など丸い構造の外側の縁から下向きに伸びる細い影。屈折によるもの。
- 3 ○ 多重反射(リバーベレーション)は、プローブと強い反射体の間で超音波が何度も往復し、等間隔の線が何本も並んで見える現象。深くなるほど弱く、間隔は一定。
- 4 ✗ サイドローブは、メインビームの脇に出た弱いビームが拾った信号が、本来と違う位置に描かれる現象。
- 5 ✗ 後方エコー増強は、液体の後ろが明るくなるもので、アーチファクトというより所見の手がかりとして使う。
問20 MRIの拡散強調像で誤っているのはどれか。
- 見かけの拡散係数が得られる。
- 拡散強調用傾斜磁場を印加する。
- 急性期脳梗塞の診断に有用である。
- b値が大きいほど、拡散が強調された画像となる。
- 水分子の動きが大きいほど信号強度は上昇する。
解答・解説を見る
正解:5
- 1 ✗(正しい) b値の異なる2枚以上の画像からADC(見かけの拡散係数)マップを計算できる。
- 2 ✗(正しい) MPG(motion probing gradient)と呼ばれる強い傾斜磁場を前後にかける。
- 3 ✗(正しい) 発症数分〜数十分で高信号となり、CTでは分からない超急性期を捉えられる。
- 4 ✗(正しい) b値は拡散の重みづけの強さ。大きいほど拡散の差が強調されるが、信号は下がりSNRは悪化する。
- 5 ○(これが誤り) 逆。よく動く水分子は位相が戻りきらず、信号を失って低信号になる。動けない水(拡散制限)ほど信号が残って高信号になる。この向きを取り違えると、急性期梗塞が高信号になる理由も説明できなくなる。
問21 健常成人の胸部MR像で、矢印が示すのはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.6 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- 右心房
- 左心室
- 左心房
- 肺動脈幹
- 上行大動脈
解答・解説を見る
正解:5
- 胸部の横断像では、大血管の位置関係を「前から後ろ、右から左」で整理する。大動脈基部から出た上行大動脈は、上大静脈の左前方、肺動脈幹の右後方を上行する。
- 1 ✗ 右心房は右前方で、上大静脈・下大静脈が流入する。
- 2 ✗ 左心室は左後下方にあり、壁が厚い。
- 3 ✗ 左心房は最も後方にあり、食道のすぐ前。左右の肺静脈が入る。
- 4 ✗ 肺動脈幹は上行大動脈の左前方から出て、すぐ左右に分岐する。
- 5 ○ 円形の断面で、心基部の中央やや右前に位置する。
問22 MR像に認められるアーチファクトはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.7 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- 磁化率
- 折り返し
- モーション
- ケミカルシフト
- マジックアングル
解答・解説を見る
正解:3
- MRIのアーチファクトは、どの方向に出るかで見分けられる。
| 名称 | 見え方 |
|---|---|
| モーション | 位相エンコード方向に、同じ形が何重にもずれて並ぶ(ゴースト) |
| 折り返し | はみ出した部位が反対側の端に写り込む |
| 磁化率 | 金属・空気の境界で信号が飛び、像が歪む |
| ケミカルシフト | 脂肪と水の境界に、周波数方向の黒い線と白い線 |
| マジックアングル | 腱が主磁場と約55度をなす部位だけ高信号 |
- 1 ✗ 金属周囲の信号消失や歪みは見られない。
- 2 ✗ 画像の反対側への写り込みではない。
- 3 ○ 拍動や呼吸、体動によって、位相エンコード方向へ像が繰り返し流れる。心臓や大血管の拍動が原因なら、その位置から縞状に伸びる。
- 4 ✗ 脂肪と水の境界に限った線状の変化ではない。
- 5 ✗ 特定の角度の腱に限った現象。
- 対策は、位相エンコード方向を変える(アーチファクトを関心領域から逃がす)、心電図同期・呼吸同期、加算回数を増やす、飽和パルスなど。
問23 1.5 T MRIで高速スピンエコー法、TR 2,000 ms、TE 80 ms、加算回数2回、FOV 25 cm、マトリクスサイズ 256×256 の撮影を行った。ピクセルサイズ[mm]に最も近いのはどれか。
- 0.5
- 1
- 1.5
- 2
- 10
解答・解説を見る
正解:2
- ピクセルサイズは FOV ÷ マトリクス数 で決まる。TR・TE・加算回数はSN比や撮像時間に効くだけで、ピクセルサイズには関係しない。ここが引っかけどころ。
- 1 ✗ マトリクスを512としたときの値。
- 2 ○ 約1 mm。
- 3 ✗ 該当しない。
- 4 ✗ マトリクスを128としたときの値に近い。
- 5 ✗ 単位をcmのまま計算したときの誤り。
- 実務でも「FOV 25 cm・256マトリクスならおよそ1 mm角」という感覚は、そのまま使える目安になる。
問24 MRIにおいて、SARの増大に関係するのはどれか。
- エコー時間
- 視野サイズ
- スライス数
- スライス選択傾斜磁場
- 位相エンコード傾斜磁場
解答・解説を見る
正解:3
- SAR(比吸収率)は、RFパルスによって体に吸収されるエネルギーの指標(W/kg)。増えるのは「RFパルスを、強く・多く・短い間隔で当てたとき」。
- 1 ✗ TEはエコーを拾うまでの時間で、RFパルスの量そのものではない。
- 2 ✗ FOVは撮像範囲。RFの量とは直結しない。
- 3 ○ スライス数を増やすと、1回のTRの中で当てるRFパルスの本数がそのまま増える。SARが上がる代表的な因子。
- 4・5 ✗ 傾斜磁場は位置情報を与えるためのもので、RFとは別系統。傾斜磁場が増えると問題になるのは、SARではなくdB/dt(末梢神経刺激)と騒音。
- SARを下げたいときは、フリップ角を小さくする・TRを長くする・スライス数を減らす・180°パルスの少ないシーケンスを選ぶ、といった手を打つ。高磁場(3 T)ほど周波数が高くSARが上がりやすい点も押さえておく。
問25 PET装置のデータ補正について正しいのはどれか。
- 3D収集では散乱線補正は必要ない。
- 外部線源法は近似的な減弱補正である。
- 定性測定では計数損失補正は行わない。
- 偶発同時計数補正には、シングル計数率を使用する方法がある。
- 検出器感度補正には、PET検査前に撮影したCTデータを使用する。
解答・解説を見る
正解:4
- 1 ✗ 逆。隔壁(セプタ)のない3D収集は散乱同時計数の割合が大きく増えるため、散乱線補正は必須。
- 2 ✗ 外部線源法(ロッド線源やCT)は実際に透過を測る方法で、実測に基づく減弱補正。近似ではない。
- 3 ✗ 計数率が高いと数え落とし(数え落としによる不感時間損失)が起こり、画像そのものが崩れる。定性でも補正は必要。
- 4 ○ 偶発同時計数の数は、2つの検出器それぞれのシングル計数率から として推定できる(τは時間窓)。もうひとつの方法が遅延同時計数法。
- 5 ✗ 検出器ごとの感度のばらつきを補正するのはノルマライゼーションで、均一な線源を使ったブランクスキャンで行う。CTデータを使うのは減弱補正。役割が違う。
問26 薬物動態解析と関係ないのはどれか。
- 速度定数
- 入力関数
- 時間放射能曲線
- コンパートメントモデル
- 中央断面定理〈投影切断面定理〉
解答・解説を見る
正解:5
- 1 ✗(関係する) コンパートメント間の移動しやすさを表す k₁、k₂ などの定数。
- 2 ✗(関係する) 動脈血中の放射能の時間変化。組織への「入力」として解析の出発点になる。
- 3 ✗(関係する) 関心領域の放射能を時間軸で追った曲線(TAC)。解析の基本データ。
- 4 ✗(関係する) 体内を血漿・組織などの箱(コンパートメント)に分けて、その間のやりとりを微分方程式で表すモデル。
- 5 ○(関係ない) 中央断面定理は「ある方向の投影データを1次元フーリエ変換したものは、2次元フーリエ空間の同じ方向を通る直線上のデータに等しい」という、画像再構成の理論的な土台。CTやSPECTの再構成法の根拠であって、薬物動態とは別分野。
問27 副腎皮質シンチグラフィで、放射性医薬品を投与してから撮影開始までの時間として適切なのはどれか。
- 10分
- 30分
- 3時間
- 24時間
- 7日
解答・解説を見る
正解:5
- 副腎皮質シンチには ¹³¹I‑アドステロール(131I-6β-ヨードメチルノルコレステロール)を使う。コレステロールに似た構造をもち、副腎皮質のステロイド合成経路に取り込まれる。
- 1〜4 ✗ いずれも早すぎる。血中や肝の集積が残っていて、副腎が評価できない。
- 5 ○ 取り込みがゆっくりで、周囲のバックグラウンドが下がるのを待つ必要があるため、投与から5〜7日後に撮影する。核医学検査のなかでも際立って遅い。
- 検査前にヨウ化カリウム(ルゴール液など)で甲状腺ブロックを行う点も重要。¹³¹I が遊離して甲状腺に取り込まれるのを防ぐためで、投与の数日前から検査後まで続ける。
問28 腎静態シンチグラフィで正しいのはどれか。
- ²⁰¹TlCl が用いられる。
- レノグラム解析が機能評価に有用である。
- 放射性医薬品の投与から約3時間後に撮影する。
- 腎移植ドナーのスクリーニング検査として用いられる。
- 腎への集積は、ハイドロキシアパタイトへの化学的吸着による。
解答・解説を見る
正解:3
- 腎静態シンチには ⁹⁹ᵐTc‑DMSA を使う。近位尿細管の細胞に結合してとどまるため、機能している腎実質の形と量が分かる。
- 1 ✗ ²⁰¹TlCl は心筋血流・腫瘍シンチ用。
- 2 ✗ レノグラム(時間放射能曲線)は⁹⁹ᵐTc‑MAG₃ などを使う動態シンチの解析法。静態シンチでは行わない。
- 3 ○ 尿細管に十分に集積し、血中や尿路の放射能が下がるのを待って、投与2〜3時間後に撮影する。
- 4 ✗ スクリーニングというより、腎瘢痕(小児の尿路感染後)の検出や左右の分腎機能の評価が主な目的。
- 5 ✗ ハイドロキシアパタイトへの吸着は骨シンチ(⁹⁹ᵐTc‑MDP)の機序。DMSAは尿細管細胞への結合。
問29 ⁶⁷Ga‑クエン酸ガリウムによる腫瘍シンチグラフィで正しいのはどれか。
- 腸管の描出が認められる。
- 放射性医薬品の投与前に約6時間絶食する。
- 放射性医薬品の投与から約6時間後に撮影する。
- 放射性医薬品の投与から約30分後に水負荷を行う。
- 成人の放射性医薬品の投与量は 740 MBq である。
解答・解説を見る
正解:1
- 1 ○ ⁶⁷Ga は大腸から排泄されるため、腸管に生理的集積が出る。これが腹部の病変と紛らわしいため、撮影前に下剤や浣腸で腸管の内容を減らすという前処置が行われる。
- 2 ✗ 絶食は不要。
- 3 ✗ バックグラウンドが下がるのを待つ必要があり、投与48〜72時間後に撮影する。6時間では早すぎる。
- 4 ✗ 水負荷は行わない。
- 5 ✗ 投与量は74〜111 MBq 程度。740 MBq は骨シンチ(⁹⁹ᵐTc‑MDP)の量で、けた違いに多い。
- ⁶⁷Ga は肝・脾・骨髄・鼻咽頭・涙腺にも生理的に集積する。この分布を知らないと、病変と読み間違える。
問30 早期のAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症の脳血流SPECTで、血流低下がみられやすい部位はどれか。
- 視床
- 基底核
- 後頭葉
- 前頭葉
- 後部帯状回
解答・解説を見る
正解:5
- 1 ✗ 視床の血流低下は他の疾患でみられる。
- 2 ✗ 基底核はパーキンソン関連疾患などで問題になる。
- 3 ✗ 後頭葉(一次視覚野)の血流低下はレビー小体型認知症の特徴。アルツハイマーとの鑑別点になる、重要な対比。
- 4 ✗ 前頭葉と前部側頭葉の低下は前頭側頭型認知症の特徴。
- 5 ○ 早期アルツハイマー型認知症では、後部帯状回・楔前部、そして頭頂側頭連合野の血流低下が特徴的。臨床症状が軽い段階から現れるため、早期診断の手がかりになる。
- 認知症のSPECTは「アルツハイマー=後部帯状回・頭頂側頭/レビー=後頭葉/前頭側頭型=前頭葉」と3つ並べて覚えると、そのまま設問に対応できる。
問31 シンチレータを用いたガンマカメラについて正しいのはどれか。
- 温度管理は不要である。
- 光電子増倍管の出力信号は経時的に変化しない。
- 平行多孔型コリメータでは、得られる像が拡大する。
- シンチレータが厚くなると空間分解能は低下する。
- ⁹⁹ᵐTc のγ線とシンチレータの相互作用は、コンプトン効果が主体である。
解答・解説を見る
正解:4
- 1 ✗ NaI(Tl)結晶は温度変化に弱く、割れる(潮解・熱衝撃)おそれもある。室温は一定に保つ必要がある。
- 2 ✗ PMTの出力は経時的に変化(ドリフト)するため、定期的な調整(チューニング)が欠かせない。
- 3 ✗ 平行多孔型では等倍の像が得られる。拡大するのはピンホール型(近づけたとき)。
- 4 ○ 結晶が厚いと、光った位置から広がって出る光の範囲が大きくなり、位置の決定精度が落ちる。感度は上がるが分解能は下がる、というトレードオフ。
- 5 ✗ ⁹⁹ᵐTc の141 keV というエネルギーと、ヨウ素(Z=53)という高い原子番号の組合せでは、光電効果が主体。だから全エネルギーを結晶に落とし、光電ピークとして検出できる。
問32 SPECT収集について正しいのはどれか。
- 円軌道は近接軌道より空間分解能が高い。
- マトリクスサイズは 512×512 以上を要する。
- 180度収集は360度収集より画像の歪みが少ない。
- 適切なサンプリング角度は、検出器の回転半径により異なる。
- エネルギー分解能の高い装置では、エネルギーウインドウを広く設定する。
解答・解説を見る
正解:4
- 1 ✗ 逆。検出器を体表に沿わせる近接軌道(体輪郭軌道)のほうが分解能は高い。コリメータの分解能は距離が離れるほど悪化するため。
- 2 ✗ SPECTは計数が少ないので、64×64 または128×128 が一般的。512×512 では1画素あたりのカウントが足りずノイズだらけになる。
- 3 ✗ 逆。180度収集は収集時間が短くなる利点があるが、対向データがないため歪みや定量性の低下が起こる。360度収集のほうが歪みは少ない。
- 4 ○ 回転半径が大きいほど、外周で1ステップあたりに動く距離が長くなる。同じ細かさで標本化するには、より細かい角度刻みが必要になる。
- 5 ✗ エネルギー分解能が高いほど光電ピークが鋭くなるので、ウインドウは狭くできる。狭くすれば散乱線をより多く除ける。
問33 核医学画像に対するフィルタ処理について正しいのはどれか。
- Gaussianフィルタにより画像の輪郭が強調される。
- Butterworthフィルタはハイパスフィルタの一種である。
- 周波数空間でのフィルタ処理は重畳積分により行われる。
- rampフィルタにより、逆投影法で生じるボケが除去される。
- Wienerフィルタのパラメータには、繰り返し数とサブセット数がある。
解答・解説を見る
正解:4
- 1 ✗ Gaussianフィルタは代表的な平滑化(ローパス)フィルタ。輪郭はむしろ不明瞭になる。
- 2 ✗ Butterworthもローパスフィルタ。遮断周波数と次数の2つのパラメータで、なだらかさを調整する。
- 3 ✗ 逆。実空間では重畳積分(畳み込み)、周波数空間では単純な掛け算になる。この対応があるからこそ、周波数空間での処理が高速にできる。
- 4 ○ 単純逆投影では、点線源が 1/r のボケとして広がってしまう。rampフィルタ(高周波ほど強調する|ω|の特性)をかけてから逆投影することで、このボケを打ち消す。これがフィルタ補正逆投影法(FBP)。
- 5 ✗ 繰り返し数(iteration)とサブセット数はOSEMなどの逐次近似法のパラメータ。Wienerフィルタとは無関係。
- rampフィルタは高周波を強調するためノイズも増幅する。そこで実際には、Butterworthなどのローパスフィルタと組み合わせて使う。
問34 肺血流シンチグラフィで正しいのはどれか。
- ⁸¹ᵐKr を用いる。
- 気管支動脈血流を評価できる。
- 肺血栓塞栓症の診断に有用である。
- 左右シャントの評価に有用である。
- 肺血流の絶対値を求めることができる。
解答・解説を見る
正解:3
- 肺血流シンチには ⁹⁹ᵐTc‑MAA(大凝集アルブミン)を静注する。粒子径が10〜90 µm と肺の毛細血管より大きいため、最初に通る肺の毛細血管に引っかかって止まる。その分布がそのまま肺血流を反映する。
- 1 ✗ ⁸¹ᵐKr は換気シンチ用のガス。血流ではない。
- 2 ✗ MAAは静脈から入って肺動脈系に運ばれる。気管支動脈(体循環)は評価できない。
- 3 ○ 塞栓した部位には血流が届かず欠損となる。換気シンチは正常なのに血流だけ欠損する(ミスマッチ)のが肺血栓塞栓症の典型像。
- 4 ✗ 評価できるのは右左シャント。シャントがあるとMAAが肺を素通りして全身に回り、脳や腎に集積する。左右シャントは肺で捕捉されるので分からない。
- 5 ✗ 得られるのは相対的な分布。絶対値は求められない。
- 右左シャントが疑われる場合、MAAが全身の毛細血管を詰まらせるおそれがあるため、粒子数を減らすなどの配慮が必要になる。
問35 腫瘍の致死線量を下げる方法はどれか。
- 過分割での照射
- 抗がん剤の併用
- 低線量率での照射
- 放射線防護剤の併用
- 強度変調放射線治療での照射
解答・解説を見る
正解:2
- 「致死線量を下げる」=より少ない線量で同じだけ殺せるようにする、つまり放射線の効きを強める(増感)ということ。
- 1 ✗ 過分割は1回線量を下げて回数を増やす方法。総線量はむしろ増やす。
- 2 ○ シスプラチンや5-FUなどは放射線増感作用をもつ。DNA修復を妨げたり、細胞周期を感受性の高い時期に集めたりして効きを高める。化学放射線療法(CCRT)の根拠。
- 3 ✗ 線量率を下げると、照射中に修復が進むので効きは弱くなる(線量率効果)。必要な線量はむしろ増える。
- 4 ✗ 防護剤(アミフォスチンなど)は効きを弱める方向。正常組織を守るために使う。
- 5 ✗ IMRTは線量の分布を最適化する技術。腫瘍への線量集中は高まるが、細胞レベルでの放射線感受性は変わらない。
問36 術中照射について正しいのはどれか。
- 遠隔転移を抑制する。
- 浮腫の発生を抑制する。
- 正常組織を照射野から外す。
- 腫瘍組織の酸素分圧を上昇させる。
- 腫瘍縮小を起こし、手術を可能にする。
解答・解説を見る
正解:3
- 術中照射(IORT)は、手術で開いた状態のまま、その場で腫瘍床に照射する方法。皮膚や間に入る臓器を通さずに直接当てられる。
- 1 ✗ 局所への治療なので、遠隔転移には効果がない。
- 2 ✗ 浮腫を抑える効果はない。
- 3 ○ 最大の利点がこれ。小腸などの正常臓器を物理的に手でよけてから照射できるため、通常の外部照射では出せない高線量を1回で投与できる。
- 4 ✗ 酸素分圧を上げる操作ではない。むしろ手術操作で血流が変化し、低酸素になることもある。
- 5 ✗ これは術前照射の目的。手術で切除できる大きさまで縮小させるために行う。術中照射は切除したあとの照射なので、目的が異なる。
問37 肺癌に対し、アイソセンタに処方線量60 Gyを前後対向2門で照射したときの線量分布図が示された。矢印で示す点の線量[Gy]に最も近いのはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.8 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- 45
- 50
- 55
- 58
- 66
解答・解説を見る
正解:3
- 線量分布図の読み方は決まっている。アイソセンタが処方点で、そこを100%とする。そこから広がる等線量曲線(アイソドースライン)に 95%・90%・80% … と割合が振られている。矢印の点がどの線の上にあるかを読み、処方線量に掛ければよい。
- 矢印の点はおよそ90%の線上にあるので、 Gy。
- 1 ✗ 75%相当。
- 2 ✗ 83%相当。
- 3 ○
- 4 ✗ 97%相当。アイソセンタに近すぎる。
- 5 ✗ 110%で処方線量を超えている。対向2門では、体表近くにこうしたホットスポットが出ることはあるが、矢印の位置とは合わない。
- 前後対向2門では、体の厚みの中央(アイソセンタ付近)がへこみ、表面に近いほど線量が高くなる。この分布の形をイメージできると、選択肢を絞りやすい。
問38 標準計測法12における線質変換係数について正しいのはどれか。
- 相対線量測定で用いる。
- R₅₀ が大きいほど増加する。
- 電離箱の感度変化を補正する。
- TPR₂₀,₁₀ が大きいほど増加する。
- 基準線質はユーザービームである。
解答・解説を見る
正解:3
- 電離箱は、基準となる線質(⁶⁰Co のγ線)で校正されて出荷される。ところが実際の治療は6 MVや10 MVのX線で行うため、線質が違うと電離箱の応答も変わってしまう。このずれを埋めるのが線質変換係数 である。
- 1 ✗ は絶対線量計測(水吸収線量の決定)で使う。相対測定では校正定数そのものが不要。
- 2 ✗ 電子線の {50} は減少する。
- 3 ○ 線質の違いによる電離箱の応答の変化を補正する係数。これが定義。
- 4 ✗ 光子線の {20,10} は減少する。「大きいほど増加」は向きが逆。
- 5 ✗ 基準線質は⁶⁰Co のγ線。ユーザービームは、変換したい「相手側」の線質。
- 覚え方は「エネルギーが高くなるほど は1から離れて小さくなる」。⁶⁰Co そのものなら になる、という基準点から考えると迷わない。
問39 直交2門照射図が示された。ターゲットに均一な線量を投与するための、0°ビーム用ウェッジと90°ビーム用ウェッジの正しい組合せはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.9 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
解答・解説を見る
正解:3
- 直交2門(くさび照射/ウェッジペア)の考え方は、2つのビームが重なる領域で、片方が薄いところをもう片方が濃く補うことにある。
- ウェッジは厚い側でビームを弱めるフィルタ。したがって、2門が重なる内側(ヒンジ側)を厚くして線量を落とし、外側を通す向きに置く。
- ウェッジ角の目安は、2門のなす角(ヒンジ角)θ から次のように決まる。
- 直交(θ=90°)なら、ウェッジ角は となる。
- 図から選ぶときは、2つのウェッジの厚い側が向かい合う(両方とも交点側を向く)組合せを探す。同じ向きにそろえてしまうと、片側だけが薄くなって不均一になる。
- 3 ○ 両ビームの厚い側が、重なり領域に向いている組合せ。
問40 皮膚疾患の放射線治療で正しいのはどれか。
- ボーラスの使用は避ける。
- 照射部位への軟膏塗布は禁忌である。
- 皮膚転移の疼痛緩和に有効である。
- ケロイドの照射は、術後1週以上経ってから行う。
- 全身に広がった皮膚原発性悪性リンパ腫では、X線の全身照射を行う。
解答・解説を見る
正解:3
- 1 ✗ 逆。皮膚は表面にあるため、ビルドアップを表面で完了させるボーラスが有用。むしろ積極的に使う。
- 2 ✗ 禁忌ではない。放射線皮膚炎の予防・治療として保湿剤やステロイド軟膏を使う。ただし照射直前に厚く塗ると表面線量が変わるため、照射前に拭き取る運用をとることが多い。
- 3 ○ 皮膚転移による痛みや出血・浸出液のコントロールに、緩和的照射が有効。
- 4 ✗ ケロイドの術後照射は、線維芽細胞が増え始める前に叩く必要があるため、術後24〜48時間以内という早期に開始する。1週間も空けると効果が落ちる。
- 5 ✗ 菌状息肉症など全身の皮膚に広がった病変には、全身電子線照射(TSEB)を行う。電子線は深部に届かないため皮膚だけを狙える。X線の全身照射(TBI)は造血幹細胞移植の前処置で使うもので、目的が違う。
問41 小細胞肺癌の治療で正しいのはどれか。
- 限局期では、化学療法併用の寡分割照射が推奨される。
- 大動脈浸潤がある場合は、外科切除が第一選択である。
- 縦隔リンパ節転移がある場合は、定位照射の適応である。
- 遠隔転移がある場合は、根治的放射線療法が第一選択である。
- 限局期の初回治療で完全寛解が得られた場合には、予防的全脳照射を行う。
解答・解説を見る
正解:5
- 小細胞肺癌は増殖が速く、早期から転移しやすいが、そのぶん化学療法と放射線がよく効く。この性格から治療方針が決まる。
- 1 ✗ 限局期の標準は、化学療法と同時併用の加速過分割照射(1日2回・45 Gy/30回)。1回線量を大きくする寡分割ではない。
- 2 ✗ 小細胞肺癌で手術の適応になるのはごく早期の一部のみ。大動脈浸潤があれば手術は不可。
- 3 ✗ 定位照射は小さな限局した病変に対する手法。縦隔リンパ節転移があれば適応外。
- 4 ✗ 遠隔転移があれば全身療法(化学療法)が第一選択。放射線は緩和目的になる。
- 5 ○ 脳は薬が届きにくい(血液脳関門)ため、治療後に脳だけ再発することが多い。そこで完全寛解が得られた症例には、予防的全脳照射(PCI)を行って脳転移の発生を抑える。
問42 リニアックによる放射線治療で、体表面に設置する補助器具はどれか。2つ選べ。
- シェル
- ボーラス
- 照射ツーブス
- 補償フィルタ
- 低融点合金不整形ブロック
解答・解説を見る
正解:1・2
- 「体表面に置く」ものと「装置側(ヘッド)に付ける」ものを分けるのがこの問題の趣旨。
- 1 ○ シェル(固定具)は、熱可塑性樹脂を温めて患者の体表に合わせて成形する。毎回同じ位置に固定するために体に装着する。
- 2 ○ ボーラスは、組織等価な素材を体表に密着させて置く。ビルドアップを体外で終わらせて皮膚線量を上げたり、体表の凹凸を埋めて線量分布を整えたりする。
- 3 ✗ 照射ツーブス(コーン)は装置のヘッドに取り付ける筒。電子線の照射野を規定する。
- 4 ✗ 補償フィルタも装置側に取り付ける。体表の傾きによる線量のむらを補正する。
- 5 ✗ 低融点合金ブロックも装置のヘッドに装着し、照射野を不整形にととのえる。現在はMLCに置き換わりつつある。
問43 放射線治療における基準点線量処方について正しいのはどれか。
- D95%処方が行われる。
- PTV内の線量を代表する。
- DVHの線量体積指標を用いる。
- 処方点はビーム軸外にも設定する。
- PTV内の線量不均一が大きい場合に有用である。
解答・解説を見る
正解:2
- 基準点線量処方とは、アイソセンタなど1点を決めて、そこに何Gyと処方するやり方。3次元原体照射など、比較的均一な分布になる照射法で使われる。
- 1 ✗ D95%処方(PTVの95%の体積が受ける線量で処方する)は体積処方。IMRTなど分布が複雑な場合に使う。
- 2 ○ 1点の線量をもって、PTV全体の線量を代表させるという考え方。だからこそ、分布が均一であることが前提になる。
- 3 ✗ DVHの指標を使うのは体積処方のほう。
- 4 ✗ 処方点は原則としてビーム軸上(アイソセンタ)に置く。軸外は線量勾配があり、代表点として不適。
- 5 ✗ 逆。不均一が大きい場合、1点だけでは全体を代表できない。均一なときにこそ有効な方法。
問44 非密封放射性核種を用いた内用療法について正しいのはどれか。
- γ線の生物学的効果を利用する。
- 甲状腺癌には ¹²⁵I が用いられる。
- 悪性リンパ腫には ⁸⁹Sr が用いられる。
- 甲状腺癌では、投与後3〜7か月目に全身撮影を行う。
- 特定の組織・臓器に特異的に取り込まれる放射性医薬品を投与する。
解答・解説を見る
正解:5
- 1 ✗ 治療効果を担うのはβ線(あるいはα線)。飛程が短く、集積した場所の周囲だけを局所的に照射できる。γ線は体を突き抜けてしまうため治療には向かず、画像化に使う。
- 2 ✗ 甲状腺癌の内用療法は ¹³¹I。¹²⁵I は前立腺癌のシード線源(密封小線源)として使う核種で、まったく別の用途。
- 3 ✗ ⁸⁹Sr は骨転移の疼痛緩和に使う。悪性リンパ腫には ⁹⁰Y‑イブリツモマブ(ゼヴァリン)を用いる。
- 4 ✗ 治療効果の判定や残存の確認は、投与から数日後の全身シンチグラフィで行う。3〜7か月では遅すぎる。
- 5 ○ 内用療法の原理そのもの。ヨウ素が甲状腺に、ストロンチウムやラジウムが骨に集まるといった臓器親和性を利用して、狙った場所にだけ放射線源を届ける。
問45 画像認識における人工知能技術と関係ないのはどれか。
- 機械学習
- 深層学習
- ハフマン符号化
- バックプロパゲーション
- 人工ニューラルネットワーク
解答・解説を見る
正解:3
- 1 ✗(関係する) データから規則を学び取る技術の総称。
- 2 ✗(関係する) 多層のニューラルネットワークを使う機械学習の一分野。画像認識の主流。
- 3 ○(関係ない) ハフマン符号化は、出現頻度の高い記号に短いビット列を割り当てる可逆データ圧縮の手法。JPEGやZIPの内部で使われるもので、学習も推論も行わない。
- 4 ✗(関係する) 誤差逆伝播法。出力の誤差を逆方向にたどって重みを更新する、ニューラルネットワークの学習アルゴリズム。
- 5 ✗(関係する) 脳の神経細胞のつながりを模した計算モデル。
- 「圧縮」と「学習」はまったく別の技術。名前が技術用語らしいからといって、AIに結びつけないこと。
問46 図に示す回路を表す演算はどれか。

- 論理積演算
- 論理和演算
- 否定論理積演算
- 否定論理和演算
- 排他的論理和演算
解答・解説を見る
正解:2
- 論理回路は、記号の形と出力側に小さい丸(否定)が付いているかで見分ける。
| 演算 | 記号の形 | 出力が1になる条件 |
|---|---|---|
| 論理積(AND) | 平らな側面+半円 | 両方が1 |
| 論理和(OR) | 湾曲した側面+とがった先 | どちらか一方でも1 |
| 否定論理積(NAND) | ANDの出力に○ | 両方が1のときだけ0 |
| 否定論理和(NOR) | ORの出力に○ | 両方が0のときだけ1 |
| 排他的論理和(XOR) | ORの手前にもう1本の弧 | 入力が食い違うとき |
- 1 ✗ ANDなら(1,1)のときだけ1。
- 真理値表で確認するのが確実。ORなら(0,0)→0、それ以外はすべて1になる。
- 2 ○ 入力側が湾曲して先がとがった形で、出力に○が付いていない=OR回路。
- 3・4 ✗ 出力に○が付いていない。
- 5 ✗ XORなら入力側にもう1本の弧がある。
問47 16進数の 2A を2進数で表したのはどれか。
- 0010 1100
- 0010 1010
- 0010 1011
- 0011 1011
- 0011 1110
解答・解説を見る
正解:2
- 16進数は1桁がちょうど4ビットに対応する。だから桁ごとに独立して変換すればよい。
| 16進 | 2進 |
|---|---|
| 2 | 0010 |
| A(=10) | 1010 |
- つなげて 0010 1010。
- 検算するなら10進に直す。。2進数 00101010 は で一致する。
- 1 ✗ 1100 は C(12)。
- 2 ○
- 3 ✗ 1011 は B(11)。
- 4 ✗ 上位が 0011(=3)になっている。
- 5 ✗ 3E にあたる。
- A〜F は10〜15。A=1010、B=1011、C=1100、D=1101、E=1110、F=1111 の6つだけ覚えれば足りる。
問48 DICOM規格について正しいのはどれか。
- 圧縮画像は扱えない。
- 通信プロトコルは規定されていない。
- conformance statement(適合性宣言書)が装置に添付される。
- DICOM画像ファイルでは、先頭から画像データが書き込まれている。
- DICOM は dose information and communications in medicine の略である。
解答・解説を見る
正解:3
- 1 ✗ JPEG、JPEG2000、RLEなどの圧縮に対応している。可逆・非可逆の両方が使える。
- 2 ✗ DICOMは画像フォーマットだけでなく、通信プロトコル(DIMSEサービス)まで含めて規定しているのが特徴。だから異なるメーカーの装置どうしがつながる。
- 3 ○ 適合性宣言書は「この装置はDICOMのどの機能に、どこまで対応しているか」を示す文書。DICOM対応とうたっていても対応範囲は装置ごとに違うため、接続できるかどうかはこの文書を突き合わせて判断する。実務上きわめて重要。
- 4 ✗ ファイルの先頭には、患者情報・検査情報・撮影条件などのタグ情報(ヘッダ)が並び、画像データはその後ろにある。
- 5 ✗ Digital Imaging and Communications in Medicine の略。「dose(線量)」ではない。
問49 モニタの品質管理項目と、使用するものの組合せで正しいのはどれか。
- 輝度比 ────── 色度計
- 最大輝度 ───── 照度計
- 輝度均一性 ─── 基準臨床画像
- 全般的画質評価 ─ TG18‑QC テストパターン
- コントラスト応答 ─ TG18‑UNL80 テストパターン
解答・解説を見る
正解:4
- モニタの品質管理では、AAPM TG18 が定めたテストパターンを使う。名前から用途が読み取れる。
| パターン | 用途 |
|---|---|
| TG18‑QC | 全般的な画質(解像度・階調・アーチファクトを一度に確認) |
| TG18‑UN / UNL | 輝度均一性(UN=uniformity) |
| TG18‑LN | 輝度応答・コントラスト応答(LN=luminance) |
| TG18‑CX / QC | 解像度 |
- 1 ✗ 輝度比(最大輝度÷最小輝度)は輝度計で測る。色度計は色を測る装置。
- 2 ✗ 最大輝度も輝度計。照度計は「その場所がどれだけ明るく照らされているか(室内照度)」を測るもので、対象が違う。
- 3 ✗ 輝度均一性は TG18‑UN 系のパターンで測る。基準臨床画像は視覚的な総合確認に使う。
- 4 ○ TG18‑QC は1枚で多くの項目を確認できる、日常点検の中心となるパターン。
- 5 ✗ UNL80 は均一性用(80%の一様な輝度面)。コントラスト応答は TG18‑LN 系。
- 輝度計=画面そのものの明るさ/照度計=部屋の明るさ、という区別は実務でも問われる。読影室の照度管理には照度計を使う。
問50 静脈血が流れる血管はどれか。
- 大動脈
- 肺動脈
- 冠状動脈
- 腹腔動脈
- 気管支動脈
解答・解説を見る
正解:2
- 「動脈=動脈血」ではない。動脈・静脈は心臓から見た向きの呼び名であって、中を流れる血液の性質とは別。
- 動脈=心臓から出ていく血管
- 静脈=心臓へ戻ってくる血管
- 1 ✗ 大動脈は左心室から出る動脈血。
- 2 ○ 肺動脈は右心室から出るので「動脈」だが、中を流れるのは全身から戻ってきた静脈血。これから肺でガス交換を受ける。
- 3 ✗ 冠状動脈は大動脈起始部から分かれる動脈血。
- 4 ✗ 腹腔動脈も大動脈の枝で動脈血。
- 5 ✗ 気管支動脈は胸部大動脈の枝で動脈血。肺そのものを養う栄養血管。
- 例外は2本セットで覚える。肺動脈=静脈血/肺静脈=動脈血。胎児では臍動脈・臍静脈も逆になる。
問51 最も頭側に位置するのはどれか。
- 鼻腔
- 篩骨洞
- 上顎洞
- 前頭洞
- 蝶形骨洞
解答・解説を見る
正解:4
- 副鼻腔は4つ。名前がそのまま場所を表している。
- 前頭洞…前頭骨の中、眉の上。最も頭側
- 篩骨洞…左右の眼窩の間
- 蝶形骨洞…頭蓋底の中央、下垂体のすぐ下
- 上顎洞…頬の中。最も大きく、最も尾側
- 1 ✗ 鼻腔は顔面の中央で、前頭洞より下。
- 2 ✗ 篩骨洞は眼窩の間なので、前頭洞より低い。
- 3 ✗ 上顎洞は最も下。
- 4 ○ 眉の上にあり、他のどれよりも高い位置にある。
- 5 ✗ 蝶形骨洞は頭蓋底の高さで、深くはあるが頭側ではない。
問52 胃壁の層構造で、最も外側に位置するのはどれか。
- 漿膜
- 固有筋層
- 粘膜下層
- 粘膜筋板
- 粘膜上皮
解答・解説を見る
正解:1
- 消化管の壁は、内側(内腔側)から外側へ 次の順に並ぶ。
粘膜上皮 → 粘膜固有層 → 粘膜筋板 → 粘膜下層 → 固有筋層 → 漿膜下層 → 漿膜
- 1 ○ 漿膜(腹膜)が最外層。
- 2 ✗ 固有筋層は外側から2〜3番目。
- 3 ✗ 粘膜下層はその内側。
- 4 ✗ 粘膜筋板は粘膜と粘膜下層の境目。
- 5 ✗ 粘膜上皮が最内層で、食物と接する面。
- 早期胃癌の定義は「深達度が粘膜下層までにとどまるもの」(リンパ節転移の有無は問わない)。この層構造が分かっていないと、深達度の設問に答えられない。なお食道の頸部・胸部には漿膜がなく、外膜で終わる点も問われる。
問53 じん肺に分類されるのはどれか。
- 石綿肺
- 過敏性肺臓炎
- サルコイドーシス
- 肺アスペルギルス症
- 肺クリプトコッカス症
解答・解説を見る
正解:1
- じん肺は、粉じん(無機物の粒子)を長期間吸い込むことで肺に線維化が起こる職業性肺疾患。
- 1 ○ 石綿(アスベスト)繊維の吸入による。潜伏期が数十年と長く、中皮腫や肺癌の原因にもなる。胸膜プラーク(石灰化した胸膜の肥厚)が特徴的な所見。
- 2 ✗ 過敏性肺臓炎は、カビや鳥の羽毛などの有機物に対するアレルギー反応。粉じんによる線維化ではない。
- 3 ✗ サルコイドーシスは原因不明の肉芽腫性疾患。両側肺門リンパ節腫脹(BHL)が特徴。
- 4 ✗ 肺アスペルギルス症は真菌感染症。
- 5 ✗ 肺クリプトコッカス症も真菌感染症。
- 代表的なじん肺は珪肺(シリカ)・石綿肺(アスベスト)・炭坑夫肺。無機の粉じんかどうかで判断する。
問54 細胞質内に存在する構造でないのはどれか。
- 核小体
- 小胞体
- ゴルジ装置
- リボゾーム
- ミトコンドリア
解答・解説を見る
正解:1
- 1 ○(細胞質内にない) 核小体は核の中にある構造。リボソームRNA(rRNA)の合成とリボソームの組み立てを行う。
- 2 ✗ 小胞体は細胞質内。粗面小胞体は蛋白質の合成、滑面小胞体は脂質の合成や解毒を担う。
- 3 ✗ ゴルジ装置は細胞質内。蛋白質に糖を付けたり、行き先ごとに仕分けたりする。
- 4 ✗ リボソームは細胞質内。蛋白質の合成の場そのもの。核小体で「作られる」が、はたらくのは細胞質。
- 5 ✗ ミトコンドリアは細胞質内。ATPを産生する。独自のDNAをもち、母性遺伝する点も特徴。
- 「核小体は核の中、リボソームは細胞質」という組合せが、この問題の分かれ目になる。
問55 右心房に開口するのはどれか。
- 奇静脈
- 肺静脈
- 下大静脈
- 右腕頭静脈
- 左鎖骨下静脈
解答・解説を見る
正解:3
- 右心房に直接入る血管は 上大静脈・下大静脈・冠静脈洞 の3つだけ。
- 1 ✗ 奇静脈は上大静脈に注ぐ。右心房に直接は入らない。
- 2 ✗ 肺静脈は左心房に4本入る。右ではない。
- 3 ○ 下半身からの血液を集めて右心房へ入る。
- 4 ✗ 右腕頭静脈は左腕頭静脈と合流して上大静脈になる。1段階手前。
- 5 ✗ 左鎖骨下静脈は左内頸静脈と合流して左腕頭静脈になる。さらに手前。
- 4・5は「もう1段階たどれば上大静脈」という関係。直接開口するかどうかを問われている点に注意する。
問56 内耳の構造物はどれか。
- 鼓室
- 鼓膜
- 耳管
- 耳小骨
- 半規管
解答・解説を見る
正解:5
- 耳は外側から3つに分かれる。
- 外耳…耳介、外耳道
- 中耳…鼓膜、鼓室、耳小骨(ツチ・キヌタ・アブミ)、耳管
- 内耳…蝸牛(聴覚)、前庭・半規管(平衡覚)
- 1 ✗ 鼓室は中耳の空間そのもの。
- 2 ✗ 鼓膜は外耳と中耳の境。
- 3 ✗ 耳管は中耳と咽頭をつなぎ、気圧を調整する。
- 4 ✗ 耳小骨は中耳にあり、鼓膜の振動を内耳へ伝える。
- 5 ○ 三半規管は3方向の回転を感じ取る平衡覚の器官。内耳にある。
- 内耳は「聞く(蝸牛)と、バランスをとる(前庭・半規管)」の2つの働きをもつ、と覚えると迷わない。
問57 左肺に認められない肺区域はどれか。
- S6
- S7
- S8
- S9
- S10
解答・解説を見る
正解:2
- 肺区域は右10区域・左8区域。左が少ないのは、心臓が左に寄っているため。
- 左肺で欠けるのは次の2つ。
- S7(内側肺底区)がない … 心臓に押されて場所がない
- S1とS2が癒合してS1+2 になる
- 1・3・4・5 ✗ S6、S8、S9、S10 は左右どちらにもある。
- 2 ○ S7は右肺にしかない。
- 左肺の区域は S1+2, S3, S4, S5, S6, S8, S9, S10 の8つ。左はS7がない、とだけ覚えておけば、この形の設問は取れる。
問58 視覚器で、光を受容する細胞があるのはどれか。
- 角膜
- 虹彩
- 網膜
- 硝子体
- 毛様体
解答・解説を見る
正解:3
- 1 ✗ 角膜は透明な膜で、光を屈折させる。屈折力は眼全体の約2/3を担うが、光を受容はしない。
- 2 ✗ 虹彩は瞳孔の大きさを変えて、入る光の量を調節する(カメラの絞り)。
- 3 ○ 網膜には錐体細胞(明るい場所・色を感じる)と杆体細胞(暗い場所に強い)という2種類の視細胞がある。ここで光が電気信号に変わり、視神経を通って脳へ伝わる。
- 4 ✗ 硝子体は眼球の形を保つゼリー状の物質。
- 5 ✗ 毛様体は水晶体の厚みを変えてピントを合わせ、房水を産生する。
- 眼をカメラにたとえると「角膜・水晶体=レンズ、虹彩=絞り、網膜=センサー」。センサーにあたるのが網膜。
問59 虚血性心疾患はどれか。2つ選べ。
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 肥大型心筋症
- 心室中隔欠損症
- 心サルコイドーシス
解答・解説を見る
正解:1・2
- 虚血性心疾患とは、冠動脈の狭窄・閉塞によって心筋への血流が不足する病気の総称。
- 1 ○ 一時的な血流不足で胸痛が起こるが、心筋は壊死しない段階。
- 2 ○ 冠動脈が完全に詰まり、心筋が壊死した状態。
- 3 ✗ 肥大型心筋症は心筋そのものの病気(多くは遺伝子変異による)。冠動脈の問題ではない。
- 4 ✗ 心室中隔欠損症は先天性心疾患。左右の心室の間に穴がある。
- 5 ✗ 心サルコイドーシスは肉芽腫が心筋に生じる疾患。房室ブロックなどの伝導障害を起こす。
- 核医学では、心筋血流SPECTで負荷時に欠損があり安静時に回復すれば狭心症(虚血)、両方で欠損なら心筋梗塞(壊死)、という読み分けをする。
問60 アナフィラキシーショックに用いる第一選択薬はどれか。
- NSAIDs
- 抗不整脈薬
- ステロイド
- アドレナリン
- 抗ヒスタミン薬
解答・解説を見る
正解:4
- 1 ✗ NSAIDsはむしろアナフィラキシーの原因になりうる。
- 2 ✗ 不整脈があっても、原因を断たなければ改善しない。
- 3 ✗ ステロイドは効果が出るまで数時間かかる。二相性反応の予防として補助的に使うもので、急場には間に合わない。
- 4 ○ アドレナリン0.3〜0.5 mgを大腿部外側に筋肉内注射するのが第一選択。血管を収縮させて血圧を上げ、気管支を広げ、さらにマスト細胞からの化学伝達物質の放出を抑える。この3つを同時にこなせる薬は他にない。
- 5 ✗ 抗ヒスタミン薬は皮膚症状(じん麻疹・かゆみ)には効くが、血圧低下や気道閉塞には効かない。
- 造影剤を扱う検査室では、アドレナリンの保管場所と投与方法を全員が把握しておく必要がある。「まずアドレナリン、ステロイドと抗ヒスタミンはそのあと」という順序が重要。
問61 成長ホルモンを産生するのはどれか。
- 膵臓
- 副腎
- 下垂体
- 甲状腺
- 松果体
解答・解説を見る
正解:3
- 1 ✗ 膵臓(ランゲルハンス島)はインスリン・グルカゴン・ソマトスタチン。
- 2 ✗ 副腎皮質はコルチゾール・アルドステロン・アンドロゲン、髄質はアドレナリン・ノルアドレナリン。
- 3 ○ 成長ホルモン(GH)は下垂体前葉から分泌される。過剰なら小児で巨人症、成人で先端巨大症、不足すれば低身長になる。
- 4 ✗ 甲状腺はサイロキシン(T4)・トリヨードサイロニン(T3)と、傍濾胞細胞からカルシトニン。
- 5 ✗ 松果体はメラトニンを分泌し、睡眠と覚醒のリズムを調節する。
- 下垂体前葉のホルモンは6つ。成長ホルモン・プロラクチン・ACTH・TSH・LH・FSH。後葉から出るのはバソプレシンとオキシトシンで、こちらは視床下部で作られて後葉に運ばれる、という違いも押さえておく。
問62 成人で骨髄穿刺を行う部位はどれか。
- 鎖骨
- 腸骨
- 肩甲骨
- 上腕骨
- 大腿骨
解答・解説を見る
正解:2
- 1 ✗ 鎖骨は穿刺部位として使わない。
- 2 ○ 成人では腸骨(後腸骨稜)が第一選択。造血が活発な赤色骨髄が残っていて、皮下からアプローチしやすく、周囲に重要な血管や臓器がないため安全。胸骨も使えるが、心臓や大血管が近く危険性が高い。
- 3 ✗ 肩甲骨も使わない。
- 4 ✗ 上腕骨の骨髄は、成人では脂肪に置き換わった黄色骨髄になっている。
- 5 ✗ 大腿骨も同様。乳児であれば脛骨などを使うことがある。
- 加齢とともに、造血は四肢の骨から体幹の骨(椎骨・骨盤・胸骨・肋骨)へと移っていく。この分布の変化が、穿刺部位を決める理由になっている。
問63 上皮が皮膚と同じ組織型なのはどれか。
- 気管
- 小腸
- 食道
- 膀胱
- 卵管
解答・解説を見る
正解:3
- 皮膚の表皮は重層扁平上皮(角化あり)。同じ重層扁平上皮でできているのは食道である。
- 1 ✗ 気管は多列線毛上皮。線毛と粘液で異物を運び出す。
- 2 ✗ 小腸は単層円柱上皮。吸収に適した微絨毛をもつ。
- 3 ○ 食道は食物が通るときの摩擦を受けるため、丈夫な重層扁平上皮でおおわれている(角化はしない)。口腔・咽頭・食道・肛門管・腟も同じ組織型。
- 4 ✗ 膀胱は移行上皮(尿路上皮)。伸び縮みできる。
- 5 ✗ 卵管は単層円柱上皮(線毛あり)。線毛の動きで卵を運ぶ。
- 上皮の型はその場所に必要な機能から決まる。「こすれる → 重層扁平/吸収する → 単層円柱/伸びる → 移行上皮/異物を運ぶ → 線毛上皮」と、機能から逆算すると覚えやすい。
問64 転移性脳腫瘍の原発巣で最も多いのはどれか。
- 腎癌
- 乳癌
- 肺癌
- 大腸癌
- 前立腺癌
解答・解説を見る
正解:3
- 1 ✗ 腎癌も脳転移を起こしやすいが、頻度では肺癌・乳癌に及ばない。
- 2 ✗ 乳癌は2番目に多い。
- 3 ○ 肺癌が最多で、転移性脳腫瘍のおよそ半数を占める。肺の静脈血は肺静脈から左心へ戻り、そのまま動脈血として全身(脳)へ送られるため、他の臓器のようにフィルタを経由しない。これが多い理由。
- 4 ✗ 大腸癌は門脈を通るため、まず肝転移が多い。
- 5 ✗ 前立腺癌は骨転移(造骨性)が中心で、脳転移はまれ。
- 順位はおおよそ「肺癌 > 乳癌 > 消化器癌・腎癌・悪性黒色腫」。悪性黒色腫は頻度こそ低いが、その癌にかかった人が脳転移を起こす割合は非常に高い。「実数として多いか」と「起こしやすいか」は別の話なので、設問の聞き方に注意する。
問65 放射線発がんで潜伏期が最も短いのはどれか。
- 胃癌
- 乳癌
- 肺癌
- 大腸癌
- 白血病
解答・解説を見る
正解:5
- 1〜4 ✗ 固形がんの潜伏期は10〜20年以上と長く、生涯にわたってリスクが続く。
- 5 ○ 白血病の潜伏期は最短で約2年、ピークは6〜8年。血液細胞は分裂が速く、放射線感受性が高いため、影響が早く現れる。
- 広島・長崎の被爆者の追跡調査でも、まず白血病が増え、遅れて固形がんが増えるという経過が確認されている。
- 「白血病は早く、固形がんは遅い」。この時間差は、被ばく後の健康影響を説明するうえでの基本になる。
問66 正常組織で最も放射線感受性が高いのはどれか。
- 筋肉
- 骨髄
- 神経
- 皮膚
- 卵巣
解答・解説を見る
正解:2
- ベルゴニー・トリボンドーの法則により、分裂が盛んで未分化な細胞ほど感受性が高い。
- 1 ✗ 筋肉はほとんど分裂しないため感受性が低い。
- 2 ○ 骨髄の造血幹細胞は絶えず分裂しており、体内で最も感受性が高い組織のひとつ。全身被ばくでまず問題になるのが骨髄障害(造血機能の低下)である理由がこれ。
- 3 ✗ 神経細胞は分裂しないため、成人では感受性が低い。ただし胎児や小児の発達期の中枢神経は例外的に高感受性。
- 4 ✗ 皮膚の基底細胞は分裂するので中程度。骨髄ほどではない。
- 5 ✗ 卵巣(卵母細胞)も感受性は高いが、造血組織を上回るとはされない。
- 高感受性の代表は「骨髄・リンパ組織・生殖腺・腸上皮」。低感受性は「筋肉・骨・神経」。
問67 細胞周期の中で、最も放射線感受性が高い時期はどれか。
- G0期
- G1初期
- S期後半
- G2初期
- M期
解答・解説を見る
正解:5
- 感受性の順は M期 > G2期 > G1期 > S期後半(最も抵抗性)。
- 1 ✗ G0期は休止期で、分裂していないため感受性は低い。
- 2 ✗ G1初期は中程度。
- 3 ✗ S期後半が最も抵抗性が高い。DNAが複製されて2本になっており、片方を鋳型にした相同組換え修復が使えるため。
- 4 ✗ G2初期も高いが、M期には及ばない。
- 5 ○ M期(分裂期)は染色体が凝縮して露出しており、DNA修復の仕組みがはたらかない。この時期に損傷を受けると修復されないまま分裂に入る。
- 分割照射が効くしくみのひとつが、この感受性の違い。抵抗性の時期にいた細胞も、次の照射までに周期が進んで感受性の高い時期に入る(再分布、redistribution)。
問68 高LET放射線について正しいのはどれか。
- 酸素効果比が高い。
- 細胞周期依存性が高い。
- 細胞の亜致死損傷からの回復が速い。
- 細胞の潜在的致死損傷からの回復が速い。
- 放射線感受性の低い腫瘍の治療に適する。
解答・解説を見る
正解:5
- 高LET放射線は、通り道に密に電離を起こしてDNAを直接たたき切る。この一点から特徴がすべて導ける。
- 1 ✗ 酸素効果比(OER)は低い(1に近い)。酸素がなくても効くため、低酸素の腫瘍にも有効。
- 2 ✗ 細胞周期による差が小さい。どの時期の細胞にも同じように効く。
- 3 ✗ 亜致死損傷(SLD)からの回復は起こりにくい。二重らせんを一度に切ってしまうので、修復のしようがない。
- 4 ✗ 潜在的致死損傷(PLD)からの回復も起こりにくい。
- 5 ○ 1〜4をまとめると「低酸素でも効く・細胞周期を選ばない・修復されにくい」となる。つまりX線が効きにくい腫瘍にこそ向く。骨肉腫や悪性黒色腫に炭素線治療が使われるのはこのため。
問69 生体内において、主に直接作用によってDNAを損傷させる放射線はどれか。2つ選べ。
- α線
- β線
- γ線
- X線
- 中性子線
解答・解説を見る
正解:1・5
- DNA損傷の起こり方は2通り。
- 直接作用…放射線がDNAそのものに当たって切る。高LET放射線が主体
- 間接作用…放射線が水を分解してラジカル(•OH など)を作り、それがDNAを攻撃する。低LET放射線が主体
- 人体は約60%が水なので、低LET放射線では間接作用が約7割を占める。
- 1 ○ α線は電荷2の重い粒子で、極めて高LET。直接作用が主体。
- 2 ✗ β線(電子)は低LET。間接作用が主体。
- 3 ✗ γ線は低LET。
- 4 ✗ X線も低LET。
- 5 ○ 中性子線は、水素原子核をはじき飛ばして生じる反跳陽子が高LETの照射を行う。直接作用が主体。
- 直接作用が主体なら酸素の有無に左右されない(OERが低い)。この2つの性質はセットで問われる。
問70 原子核の内部転換について正しいのはどれか。
- 原子番号が変化する。
- 最外殻の軌道電子が放出されやすい。
- 内部転換電子は線スペクトルである。
- 内部転換係数は核種に依存しない値である。
- 内部転換電子の放出に続いて、ニュートリノが放出される。
解答・解説を見る
正解:3
- 内部転換は、励起状態の原子核が余ったエネルギーをγ線として出す代わりに、軌道電子に直接渡して弾き出す現象。γ線放出と競合して起こる。
- 1 ✗ 原子核から粒子は出ていかないので、原子番号も質量数も変わらない。核異性体転移の一種。
- 2 ✗ 原子核に最も近いK殻の電子が最も放出されやすい。核と重なる確率が高いため。
- 3 ○ 放出される電子のエネルギーは「核の励起エネルギー − その殻の結合エネルギー」と決まった値になる。したがって線スペクトル(とびとび)。β線が連続スペクトルなのと対照的で、ここが最大の区別点。
- 4 ✗ 内部転換係数(内部転換電子数 ÷ γ線数)は核種ごとに異なる。一般に原子番号が大きく、遷移エネルギーが低いほど大きい。
- 5 ✗ ニュートリノが出るのはβ壊変やEC。内部転換では出ない。
- 内部転換のあとは電子の空席が埋められるので、特性X線やオージェ電子が続いて放出される。
問71 電子エネルギーに対する水の質量阻止能の関係が図に示された。5 MeVの電子が水を1 cm通過するときのエネルギー損失[MeV]に最も近いのはどれか。

- 0.1
- 0.5
- 1.0
- 2.0
- 4.0
解答・解説を見る
正解:4
- 図から、5 MeV の電子に対する水の質量阻止能はおよそ 2 MeV・cm²/g と読み取れる。これに水の密度を掛けて、線阻止能に直す。
- 1 cm 通過するので、失うエネルギーは約 2 MeV。
- 1・2・3 ✗ 小さすぎる。
- 4 ○
- 5 ✗ 大きすぎる。
- 覚えておくと便利な目安:水の中で電子は、おおよそ 2 MeV・cm²/g(=2 MeV/cm)の割合でエネルギーを失う。したがって電子線の飛程はおよそ「エネルギー(MeV)÷ 2」cm になる。5 MeV なら約2.5 cm。電子線治療で「6 MeVなら約3 cmまで」といわれるのは、この関係による。
問72 75 keVの光子がタングステンのK殻軌道電子と光電効果を起こしたとき、放出される光電子のエネルギー[keV]に最も近いのはどれか。ただし、タングステンのK殻軌道電子の結合エネルギーは 69.5 keV とする。
- 1.1
- 5.5
- 69.5
- 144.5
- 511.0
解答・解説を見る
正解:2
- 光電効果では、光子はすべてのエネルギーを電子に渡して消滅する。電子はまず結合エネルギーを使って軌道から抜け出し、残りが運動エネルギーになる。
- 1 ✗ 該当しない。
- 2 ○ 5.5 keV。
- 3 ✗ 結合エネルギーそのもの。引き算をしていない。
- 4 ✗ 足し算をしてしまった値(75+69.5)。符号を取り違えるとこうなる。
- 5 ✗ 511 keV は電子の静止質量エネルギー。消滅放射線の値で、この問題とは無関係。
- 光電効果が起こるには hν > 結合エネルギー が必要。この問題は 75 > 69.5 でぎりぎり成立している。K吸収端(69.5 keV)のすぐ上で光電効果が急に増える、というタングステンの性質がそのまま背景になっている。
問73 超音波の伝播速度が遅い順に並んでいるのはどれか。
- 空気 → 骨 → 脂肪 → 筋肉
- 空気 → 脂肪 → 筋肉 → 骨
- 空気 → 脂肪 → 骨 → 筋肉
- 脂肪 → 筋肉 → 骨 → 空気
- 脂肪 → 骨 → 空気 → 筋肉
解答・解説を見る
正解:2
- 音は硬い(弾性率が高い)物質ほど速く伝わる。気体 < 液体・軟部組織 < 固体、の順。
| 媒質 | 音速(m/s) |
|---|---|
| 空気 | 約 340 |
| 脂肪 | 約 1,450 |
| 水 | 約 1,480 |
| 軟部組織(平均) | 1,530(装置の設定値) |
| 筋肉 | 約 1,580 |
| 骨 | 約 4,000 |
- 1・3 ✗ 骨の位置が違う。骨は最速。
- 2 ○ 空気 < 脂肪 < 筋肉 < 骨。
- 4・5 ✗ 空気が最遅であることが押さえられていない。
- 装置は音速を一律1,530 m/sとして距離を計算している。そのため脂肪の多い部位では実際より遅く、深さが実際よりわずかに深く表示される。屈折による像のずれもここから生じる。
問74 直接電離放射線はどれか。
- γ線
- δ線
- 中性子線
- 特性X線
- 消滅放射線
解答・解説を見る
正解:2
- 区別はきわめて単純で、電荷をもっているかどうかだけ。
- 直接電離放射線=荷電粒子(電子・β線・α線・陽子・重イオン)。自分のクーロン力で直接電離する
- 間接電離放射線=電荷をもたないもの(光子・中性子)。まず荷電粒子を生み出し、それが電離する
- 1 ✗ γ線は光子で電荷をもたない。
- 2 ○ δ線(デルタ線)は、放射線が物質を通るときにはじき飛ばされた二次電子のうち、さらに電離を起こせるだけのエネルギーをもったもの。電子なので荷電粒子であり、直接電離放射線。
- 3 ✗ 中性子は名前のとおり電気的に中性。
- 4 ✗ 特性X線も光子。
- 5 ✗ 消滅放射線も光子(511 keV)。
- 1・3・4・5 がすべて非荷電なので、消去法でもδ線が残る。δ線=二次電子=荷電粒子、と結びつけておくこと。
問75 巻数 N=20 のコイルに流れる電流が0.1秒間に0.6 Aの割合で変化しているとき、コイルを貫く磁束が0.4秒間に1.2 mWbの割合で変化した。このコイルの自己インダクタンス[mH]はどれか。ただし、漏れ磁束は無視できるものとする。
- 3
- 5
- 10
- 20
- 60
解答・解説を見る
正解:3
- 自己インダクタンスの定義は「電流が1 A変化したときに、鎖交磁束(巻数×磁束)がどれだけ変わるか」。
- 与えられているのは「単位時間あたりの変化」なので、まずそれぞれの変化率を出す。
- 時間で割った比をとれば、時間の項は消える。
- 3 ○
- 巻数 N を掛け忘れると 0.5 mH、電流と磁束の変化率を逆にすると 40 mH になる。磁束が分子、電流が分母という向きを間違えないこと。
問76 二極真空管の回路で、電池Eの起電力が200 V、抵抗Rが20 kΩ のとき、陽極電流(プレート電流)は7.5 mAであった。図のA点を電位の基準(0)とするとき、B点の電位[V]はどれか。

- +200
- +150
- +100
- +50
- −150
解答・解説を見る
正解:4
- 直列回路なので、電池の起電力から、抵抗での電圧降下を引くだけ。
- まず抵抗Rでの電圧降下をオームの法則で求める。単位をそろえるのが要点。
- 残りが真空管にかかる電圧、すなわちB点の電位になる。
- 1 ✗ 電圧降下を引いていない。
- 2 ✗ 抵抗での電圧降下そのもの。求める量を取り違えている。
- 3 ✗ 該当しない。
- 4 ○
- 5 ✗ 符号を逆にしたうえ、引く向きも誤っている。
- mA と kΩ を掛けると、ちょうど V になる(10⁻³ × 10³ = 1)。この組合せは計算問題で頻出なので、覚えておくと速い。
問77 正弦波交流電源に、40 Ω の抵抗、誘導リアクタンス60 Ω のコイル、容量リアクタンス30 Ω のコンデンサが直列に接続されている。回路全体のインピーダンス[Ω]はどれか。
- 50
- 98
- 130
- 2,500
- 9,700
解答・解説を見る
正解:1
- RLC直列回路のインピーダンスは、単純な足し算ではない。コイルとコンデンサは位相が正反対(180°違う)なので先に引き算し、抵抗とは直角に合成する。
- 1 ○ 3:4:5 の直角三角形(30, 40, 50)になっている。
- 2 ✗ 該当しない。
- 3 ✗ 40+60+30 と、すべて単純に足した値。
- 4 ✗ 平方根をとり忘れた値。
- 5 ✗ リアクタンスを引かずに足して2乗した値(40²+90²)。
- になると Z=R となり、インピーダンスが最小になる。これが直列共振で、そのとき電流は最大になる。
問78 図の回路で、電圧増幅度 Vo/Vi はどれか。

- 1
- 11
- 40
- 41
- 401
解答・解説を見る
正解:4
- オペアンプの増幅回路は、入力信号がどちらの端子に入っているかで式が決まる。
| 回路 | 増幅度 |
|---|---|
| 非反転増幅(+端子に入力) | |
| 反転増幅(−端子に入力) | |
| ボルテージフォロワ | 1 |
- 図では入力 がプラス(+)端子に入っており、出力から 4 kΩ と 100 Ω で分圧した点が −端子に戻されている。したがって非反転増幅回路。
-
kΩ と Ω が混ざっているので、単位をそろえてから割ること。4 ÷ 100 と計算すると 0.04 になり、答えが 1.04 になってしまう。
-
1 ✗ ボルテージフォロワの値。
-
2 ✗ 比を10としたときの値。
-
3 ✗ 「+1」を忘れた値。非反転増幅で最も多い誤り。
-
4 ○
-
5 ✗ 桁を取り違えている。
-
非反転増幅の増幅度は必ず1以上になる(入力がそのまま出力側に現れ、そこに帰還分が上乗せされるため)。この性質を知っていれば、選択肢3のように1未満に近い形を選ぶ誤りは避けられる。
問79 サーベイメータを用いた放射線測定において、真の読み値の85%以上の値を得るには、時定数の何倍の時間が必要か。
- 0.1
- 0.5
- 1
- 1.5
- 2
解答・解説を見る
正解:5
- サーベイメータの指針は、真の値に向かって次のように近づいていく。
- 時定数 τ の何倍かで、到達する割合が決まる。
| 経過時間 | 到達割合 |
|---|---|
| 1τ | 約 63% |
| 2τ | 約 86% |
| 3τ | 約 95% |
- 1・2・4 ✗ いずれも短すぎる。
- 3 ✗ 1τ では63%にしかならない。
- 5 ○ 2τ で約86%に達する。実務では「時定数の3倍待つ」と教えられることが多いが、85%という条件なら2倍で足りる。
- 時定数を長くすると指示は安定するが応答が遅くなる。汚染の場所を探すときは時定数を短く、線量率を正確に読むときは長くする、という使い分けをする。
問80 気体の電離を利用した検出器はどれか。2つ選べ。
- 電離箱
- GM計数管
- Fricke〈フリッケ〉線量計
- シンチレーション検出器
- Cherenkov〈チェレンコフ〉検出器
解答・解説を見る
正解:1・2
- 検出器は「何を利用しているか」で3つに大別できる。
- 気体の電離…電離箱、比例計数管、GM計数管
- 発光(シンチレーション)…NaI(Tl)、BGO、LSO
- 固体・化学変化…半導体、TLD、蛍光ガラス、フリッケ線量計、フィルム
- 1 ○ 気体中で作られたイオン対をそのまま集める。印加電圧が最も低い領域で動作する。
- 2 ○ 同じく気体だが、高い電圧をかけて電子なだれを起こし、大きな出力を得る。そのぶんエネルギー情報は失われる。
- 3 ✗ フリッケ線量計は、硫酸第一鉄溶液中の Fe²⁺ が放射線で Fe³⁺ に酸化される量を測る化学線量計。
- 4 ✗ シンチレーション検出器は、結晶が出す光をPMTで電気信号に変える。
- 5 ✗ チェレンコフ検出器は、荷電粒子が媒質中の光速を超えるときに出る光を利用する。
- 気体式の3つは印加電圧の違いだけで動作が変わる(再結合領域 → 電離箱領域 → 比例領域 → GM領域)。この電圧特性のグラフは頻出。
問81 放射線検出器と、その関連項目の組合せで正しいのはどれか。
- 電離箱線量計 ─────────── 電子なだれ
- 半導体検出器 ─────────── 放射線損傷
- 蛍光ガラス線量計 ────────── 加熱特性
- 熱ルミネセンス線量計 ──────── 紫外線照射
- シンチレーション式サーベイメータ ── 同時計数回路
解答・解説を見る
正解:2
- 1 ✗ 電子なだれが起こるのは比例計数管とGM計数管。電離箱はなだれを起こさない領域で使う(だからこそ入射エネルギーに比例した正確な測定ができる)。
- 2 ○ 半導体は結晶格子で動作するため、放射線を浴び続けると格子に欠陥ができ、性能が劣化する。これが放射線損傷で、半導体検出器の宿命的な弱点。
- 3 ✗ 蛍光ガラス線量計(RPLD)の読み出しは紫外線レーザーの照射による(ラジオフォトルミネセンス)。加熱ではない。
- 4 ✗ 熱ルミネセンス線量計(TLD)の読み出しは加熱による。3と4が入れ替えのひっかけになっている。
- 5 ✗ 同時計数回路は、PETの消滅放射線の検出や、液体シンチレーションカウンタのノイズ除去に使う。サーベイメータには不要。
- 読み出し方法は「TLD=熱/RPLD(蛍光ガラス)=紫外線/OSL=可視光レーザー」の3つを並べて覚える。RPLDは読み出しても信号が消えないため繰り返し読めるという長所もある。
問82 荷電粒子平衡について正しいのはどれか。
- 空洞理論とは無関係である。
- 光子のエネルギーとは無関係である。
- 光子線の減弱に適用する概念である。
- 過渡電子平衡では、衝突カーマと吸収線量は等しい。
- ビルドアップ領域とは、荷電粒子平衡が成立するまでの深さである。
解答・解説を見る
正解:5
- 荷電粒子平衡(CPE)とは、ある微小体積に入ってくる荷電粒子のエネルギーと、出ていくエネルギーがつり合っている状態。これが成り立つと、衝突カーマと吸収線量が等しくなり、線量計測が成立する。
- 1 ✗ 空洞理論(ブラッグ・グレイ)は、CPEが成立していることを前提に組み立てられている。深く関係する。
- 2 ✗ エネルギーが高いほど二次電子の飛程が長くなり、CPEの成立にはより深い位置が必要になる。大いに関係する。
- 3 ✗ CPEは荷電粒子(電子)の出入りについての概念。光子の減弱とは別の話。
- 4 ✗ 過渡電子平衡(TCPE)では、光子の減弱のぶんだけ吸収線量が衝突カーマをわずかに上回る。完全に等しくなるのは、減弱を無視できる完全なCPEのとき。「過渡」という言葉が付いている以上、厳密には等しくない。
- 5 ○ 体表からdmaxまでの間は、まだ電子が積み上がっている途中でCPEが成立していない。dmaxに達して初めてつり合う。この立ち上がりの領域がビルドアップ領域。
問83 標準計測法12の光子線における水吸収線量計測の基準条件で正しいのはどれか。
- 校正深は線質に依存する。
- 平行平板形電離箱を使用する。
- 電離箱は半径変位法を用いて設置する。
- 固体ファントムの使用が認められている。
- セットアップは SSD法 または SAD法 による。
解答・解説を見る
正解:5
- 1 ✗ 光子線の校正深は線質によらず水中10 cmと定められている。線質で変わるのは電子線のほう({ref} から決まる)。
- 2 ✗ 光子線には円筒形(ファーマ形)電離箱を使う。平行平板形は電子線用。
- 3 ✗ 標準計測法12では、円筒形電離箱の幾何学的中心を校正深に合わせる(実効中心を使う半径変位法は採らない)。かわりに変位補正係数で補正する。
- 4 ✗ 基準条件で使うのは水ファントム。固体ファントムは日常のQAなど相対測定には便利だが、絶対線量の基準計測には認められていない。
- 5 ○ どちらの方法でもよいと定められている。SSD法は線源‑表面間距離を固定、SAD法は線源‑軸間距離を固定するやり方で、施設の運用に合わせて選べる。
- 光子線と電子線で、電離箱の形・校正深の決め方が対になっている。表にして並べると混同しない。
問84 腹部の造影画像が示された。検査法として正しいのはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.10 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- DIC
- DIP
- ERCP
- MRCP
- PTC
解答・解説を見る
正解:3
- 胆道・膵管を描出する検査は複数あり、どこから造影剤を入れるかで見分ける。
| 検査 | 造影剤の入れ方 | 見分けのポイント |
|---|---|---|
| DIC | 点滴静注 | 胆道のみ。カテーテルは写らない |
| DIP | 点滴静注 | 腎・尿路の検査。胆道ではない |
| ERCP | 内視鏡で十二指腸乳頭から逆行性に | 内視鏡(スコープ)が画像に写る |
| MRCP | 造影剤なし(MRI) | X線画像ではない |
| PTC | 経皮的に肝を穿刺 | 体表から刺した穿刺針・チューブが写る |
- 1 ✗ DICなら内視鏡は写らない。
- 2 ✗ DIPは尿路の検査で、腎杯・腎盂・尿管が描出される。
- 3 ○ 十二指腸まで達した内視鏡が写っており、そこから胆管・膵管が逆行性に造影されている。
- 4 ✗ MRCPはMRIなので、この画像とは見た目がまったく異なる。
- 5 ✗ PTCなら体表から肝臓へ向かう針やチューブが写る。
- ERCPは診断だけでなく、そのまま治療(結石除去・ステント留置)に移れるのが利点。一方で膵炎などの合併症があるため、診断目的だけならMRCPが選ばれることが増えている。
問85 手のX線写真で、矢印が示す骨はどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.11 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- 月状骨
- 舟状骨
- 有鉤骨
- 小菱形骨
- 大菱形骨
解答・解説を見る
正解:5
- 手根骨は8個あり、2列×4個に並ぶ。
| 列 | 母指側(外側)→ 小指側(内側) |
|---|---|
| 近位列 | 舟状骨 → 月状骨 → 三角骨 → 豆状骨 |
| 遠位列 | 大菱形骨 → 小菱形骨 → 有頭骨 → 有鉤骨 |
- 1 ✗ 月状骨は近位列で、橈骨のほぼ真下。月のような半月形。
- 2 ✗ 舟状骨は近位列の母指側。手根骨で最も骨折しやすく、血流の関係で偽関節になりやすいため臨床的に重要。
- 3 ✗ 有鉤骨は遠位列の最も小指側。鉤(かぎ)状の突起をもつ。
- 4 ✗ 小菱形骨は大菱形骨の隣(第2中手骨の基部)。
- 5 ○ 大菱形骨は遠位列の最も母指側にあり、第1中手骨と関節をつくる。母指の付け根をたどれば必ずここに行き着く。
- 覚え方は「舟・月・三角・豆/大・小・頭・鉤」と近位列から順に唱えること。矢印の位置が母指側か小指側か、近位か遠位かの2軸で絞り込める。
問86 胸部単純CT像で、カテーテルが挿入されている部位はどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.12 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- 奇静脈
- 上大静脈
- 大動脈弓
- 上行大動脈
- 右鎖骨下動脈
解答・解説を見る
正解:2
- 中心静脈カテーテル(CVC)やPICC、CVポートのカテーテルは、上大静脈の下部(右心房との接合部付近)に先端を置くのが標準。輸液を大量の血流ですみやかに希釈するためである。
- 1 ✗ 奇静脈は脊椎の右前方を上行し、弓を描いて上大静脈の後方に注ぐ。走行が異なる。まれに奇静脈へ迷入することがあり、その場合は先端が後方へ向かうため区別できる。
- 2 ○ 上大静脈は上縦隔の右前方、上行大動脈の右側に位置する。単純CTでも、その位置に高吸収の細い管として確認できる。
- 3・4 ✗ 動脈内にカテーテルが留置されていれば、それは誤挿入であり重大な合併症。位置関係が異なる。
- 5 ✗ 右鎖骨下動脈は大動脈弓の分枝で、より頭側かつ動脈系。
- 挿入後は必ず胸部X線またはCTで先端位置と気胸の有無を確認する。技師としては、先端がどこにあるべきかを知っておく必要がある。
問87 Guthmann〈グースマン〉法における骨盤計測線の図が示された。正しい組合せはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.13 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- a ── 解剖学的結合線
- b ── 対角結合線
- c ── 真結合線
- d ── 骨盤下口結合線
- e ── 骨盤峡部結合線
解答・解説を見る
正解:1
- グースマン法は、側面像で骨盤の前後径(結合線)を計測し、児頭が通れるかどうかを判断する方法。計測線の名前は、どこからどこまでを結ぶかで覚える。
| 名称 | 結ぶ点 |
|---|---|
| 解剖学的結合線 | 恥骨結合上縁 → 岬角 |
| 産科的結合線(真結合線) | 恥骨結合後面の最突出部 → 岬角(最短。実際に児頭が通る) |
| 対角結合線 | 恥骨結合下縁 → 岬角(内診で測れる) |
| 骨盤峡部結合線 | 恥骨結合下縁 → 仙骨下部 |
| 骨盤下口結合線 | 恥骨結合下縁 → 尾骨先端 |
- 1 ○ aが恥骨結合上縁と岬角を結ぶ線=解剖学的結合線。
- 2〜5 ✗ 結ぶ点の組合せが対応していない。
- 3本の結合線はすべて岬角を終点とし、恥骨結合側の起点が「上縁・後面・下縁」と少しずつ下がっていく。この関係を押さえると図から読み取れる。産科的結合線が最も短く、分娩の可否を決めるという点が臨床上いちばん重要。
問88 足部のX線写真で、矢印が示すのはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.14 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- 距骨
- 脛骨
- 踵骨
- 舟状骨
- 立方骨
解答・解説を見る
正解:3
- 足根骨は7個。位置関係を側面像でたどる。
| 位置 | 骨 |
|---|---|
| 最上部(脛骨と関節) | 距骨 |
| 最後下部(かかと) | 踵骨。足根骨で最大 |
| 距骨の前 | 舟状骨 |
| 踵骨の前(外側) | 立方骨 |
| 舟状骨の前 | 楔状骨(内側・中間・外側の3個) |
- 1 ✗ 距骨は踵骨の上に乗り、脛骨・腓骨と距腿関節をつくる。
- 2 ✗ 脛骨は下腿の骨で、足根骨ではない。
- 3 ○ かかとを形づくる最大の骨で、後方に大きく突出し、アキレス腱が付着する。輪郭がひときわ大きいので見分けやすい。
- 4 ✗ 舟状骨は距骨の前方(内側)。手根骨にも同名の骨があるので注意。
- 5 ✗ 立方骨は踵骨の前方(外側)で、第4・第5中足骨につながる。
- 踵骨骨折は高所からの転落で起こりやすく、そのとき脊椎圧迫骨折を合併しやすい(力が下から突き上げるため)。撮影時にはこの点も念頭に置く。
問89 腹部の血管造影写真で、矢印が示すのはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.15 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- 脾動脈
- 総肝動脈
- 左胃動脈
- 腹腔動脈
- 上腸間膜動脈
解答・解説を見る
正解:5
- 腹部大動脈から前方へ出る主要な枝は3本。分岐する高さと、そこから先の広がり方で見分ける。
| 血管 | 高さ | 特徴 |
|---|---|---|
| 腹腔動脈 | Th12 | すぐに3本(左胃・脾・総肝)に分かれる短い幹 |
| 上腸間膜動脈 | L1 | 大動脈からほぼ平行に下方へ長く伸び、左側に空腸動脈の弓、右側に回結腸動脈を出す |
| 下腸間膜動脈 | L3 | 細く、左下方へ向かう |
- 1 ✗ 脾動脈は左上方へ蛇行しながら向かい、脾門で分かれる。この蛇行が特徴。
- 2 ✗ 総肝動脈は右上方へ向かい、固有肝動脈と胃十二指腸動脈に分かれる。
- 3 ✗ 左胃動脈は上方へ立ち上がり、小弯に沿って走る。
- 4 ✗ 腹腔動脈は幹そのものが短く、すぐ分岐する。
- 5 ○ 1本の幹が下方へ長く走り、そこから多数の枝が扇状に出る「熊手(くまで)状」の形が上腸間膜動脈の特徴。腹腔動脈のように短く3分岐するのとは、見た目が明らかに違う。
- IVR(TACEなど)では、この分岐の形をカテーテルの走行と重ねて読む。腹腔動脈は短く3方向へ、上腸間膜動脈は長く下方へという違いが、いちばんの手がかりになる。
問90 診療放射線技師が行える業務で誤っているのはどれか。
- 放射線検査等に関する説明
- 造影剤の静脈路からの投与終了後の抜針および止血
- 上部消化管検査のために鼻腔にカテーテルを挿入する行為
- 造影CT検査のために静脈路と造影剤注入装置を接続する行為
- 下部消化管検査のために肛門カテーテルから造影剤を注入する行為
解答・解説を見る
正解:3
- 令和3年の法改正(令和4年施行)で、診療放射線技師の業務範囲が広がった。ただし認められた行為は個別に列挙されているため、「似ているから当然できるはず」と考えると間違える。
- 1 ✗(行える) 検査の説明は従来から行える。
- 2 ✗(行える) 抜針・止血は改正で追加された。
- 3 ○(これが誤り) 鼻腔へのカテーテル挿入そのものは業務範囲に含まれていない。認められているのは「すでに鼻腔に挿入されているカテーテルから造影剤を注入する行為」まで。挿入は医師・看護師が行う。
- 4 ✗(行える) 静脈路と自動注入装置の接続も追加された。
- 5 ✗(行える) 下部消化管では、肛門カテーテルの挿入も注入も認められている。
- 上部(鼻腔)は挿入不可・注入のみ可/下部(肛門)は挿入も注入も可。この非対称が、この設問の核心。
問91 乳房X線撮影で正しいのはどれか。
- 入射線量は乳頭側ほど少ない。
- 乳房は照射野の中央に整位する。
- 圧迫圧は乳房の厚さに合わせて調節する。
- 照射野は乳房の大きさに合わせて調節する。
- FPDを搭載した装置ではAEC機能を用いない。
解答・解説を見る
正解:1
- 1 ○ 乳房は胸壁側が厚く、乳頭側が薄い。この厚みの差に合わせるため、ヒール効果を利用して陽極側を乳頭側に配置する。陽極側はX線強度が弱いので、薄い乳頭側の入射線量が少なくなり、フィルム/検出器に届く線量が均一化される。
- 2 ✗ 乳房は胸壁側に密着させて整位する。中央に置くと胸壁側の乳腺が写野から外れ、描出漏れが起こる。
- 3 ✗ 圧迫は「厚さに合わせる」のではなく、乳房が均一に薄く広がるまで、痛みの許容範囲で行う。圧迫の目的は、厚みの均一化・重なりの解消・体動の抑制・被ばく低減。
- 4 ✗ 照射野は受像面全体に合わせる。乳房の大きさに絞ると、辺縁の乳腺が写らないおそれがある。一般撮影の「照射野を絞る」原則と逆になる、数少ない例外。
- 5 ✗ FPDでもAECは用いる。乳腺の量や厚みは個人差が大きいため、自動露出制御が欠かせない。
問92 X線CTで正しいのはどれか。
- 脂肪肝のCT値は脾臓のCT値より高い。
- 造影検査では検査前日から絶飲食とする。
- CTコロノグラフィでは炭酸ガスを注入する。
- 脳梗塞巣は正常な脳実質より高いCT値を呈する。
- 肺野を観察するときのウインドウ幅は 200 HU 程度とする。
解答・解説を見る
正解:3
- 1 ✗ 逆。脂肪がたまるほどCT値は下がる。正常肝は脾臓より高い(肝>脾)が、脂肪肝では逆転して肝<脾になる。この逆転が脂肪肝の診断基準として使われる。
- 2 ✗ 前日からの絶飲食は不要。通常は検査の数時間前からで、脱水を避けるため飲水はむしろすすめる(造影剤腎症の予防)。
- 3 ○ CTコロノグラフィ(大腸CT)では、肛門から炭酸ガスを注入して大腸を拡張させる。空気ではなく炭酸ガスを使うのは、腸管から吸収されやすく、検査後の腹部膨満感が短くてすむため。
- 4 ✗ 脳梗塞は細胞性浮腫で水分が増えるため、低吸収(低CT値)になる。高吸収になるのは出血。
- 5 ✗ 肺野条件のウインドウ幅は 1,200〜1,600 HU 程度と広く取る。空気(−1,000)から軟部組織まで一度に見るため。200 HU 程度は縦隔条件や脳条件の値。
問93 腹部CT像が示された。正しい組合せはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.16 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- ア ── 門脈
- イ ── 下大静脈
- ウ ── 横行結腸
- エ ── 膵臓
- オ ── 副腎
解答・解説を見る
正解:1
- 上腹部の横断像は、膵臓の高さで大血管の位置関係をたどると読みやすい。
- 門脈…膵頭部の後方で上腸間膜静脈と脾静脈が合流し、右上方の肝門へ向かう。造影で明瞭
- 下大静脈…脊椎の右前方。断面は楕円形
- 腹部大動脈…脊椎の左前方で、円形かつ壁が厚い
- 膵臓…胃の後ろを横に走る細長い実質臓器。脾静脈が背側を並走する
- 副腎…両腎の上内側で、Y字・逆V字に見える
- 1 ○ アの位置と走行が門脈と一致する。
- 2〜5 ✗ いずれも指し示された位置と名称が対応していない。
- 判断に迷ったら、脊椎を基準に、右が下大静脈・左が大動脈とまず確定させる。そこから前方へ順にたどれば、他の構造も位置関係で決まっていく。
問94 解像力チャートの像が示された。空間周波数[cycles/mm]に最も近いのはどれか。(画像問題)
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.17 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- 0.3
- 0.6
- 1.2
- 1.6
- 3.2
解答・解説を見る
正解:2
- 解像力チャートは、白と黒の線のペア(ラインペア)が1 mmに何組入っているかで空間周波数を表す。単位の cycles/mm は LP/mm と同じ意味。
- 線1本の幅が 0.8 mm なら、白黒1組で 1.6 mm。したがって
- 1 ✗ 線の幅をさらに倍に取り違えた値。
- 2 ○
- 3 ✗ 線1本の幅を1周期と考えてしまった値。1周期は白+黒の2本ぶん、これを忘れると、ちょうど2倍になる。ここが最頻出の誤り。
- 4・5 ✗ 該当しない。
- 目安として、一般撮影のFPD(画素100 µm)のナイキスト周波数は 5 cycles/mm。0.6 cycles/mm はかなり粗い(太い)縞にあたる。
問95 図のROC曲線で、雑音のみの確信度正規分布の標準偏差が、信号ありの確信度正規分布の標準偏差より小さいときの曲線はどれか。

- A
- B
- C
- D
- E
解答・解説を見る
正解:3
- ROC曲線は、横軸に偽陽性率、縦軸に真陽性率をとった曲線。2つの分布(雑音のみ/信号あり)の平均の差とばらつきの差で形が決まる。
- 標準偏差が等しいとき、ROC曲線は対角線に対して左右対称な形になる。
- 標準偏差が異なると、この対称性が崩れる。信号ありのほうがばらつきが大きい(=裾が広い)場合、曲線は対角線をまたぐように非対称にゆがみ、一部で対角線の下に潜り込むこともある。
- 1・2・4・5 ✗ 対称な形、あるいはゆがみの向きが逆。
- 3 ○ 非対称にゆがんだ曲線がこれにあたる。
- 押さえるべきは3点。①左上に近いほど性能がよい ②対角線は「あてずっぽう」と同じ(AUC=0.5) ③2分布の標準偏差が等しいときだけ左右対称。この3つで、ROCの設問はほぼ対応できる。
問96 放射線診療のリスク評価と対策の手法として誤っているのはどれか。
- 教育の実施
- 始末書の提出
- 手順書の作成
- インシデントの報告
- インシデントの原因分析
解答・解説を見る
正解:2
- 医療安全の考え方は「人は必ず間違える。個人を責めず、仕組みで防ぐ」。この原則に反するものを選ぶ。
- 1 ✗ 教育・訓練は基本的な対策。
- 2 ○(これが誤り) 始末書は個人の責任を追及する手段であって、リスク評価の手法ではない。それどころか、報告すると罰せられると分かればインシデントが報告されなくなり、組織が危険に気づけなくなる。安全にとって逆効果。
- 3 ✗ 手順書(マニュアル)の整備は、個人の記憶や注意力への依存を減らす。
- 4 ✗ 報告が集まらなければ分析も対策もできない。すべての出発点。
- 5 ✗ 根本原因分析(RCA)により、背後にある仕組みの問題を明らかにする。
- 報告を促すには「非懲罰性・秘匿性・独立性」が必要とされる。始末書はこの第一原則に真っ向から反する。
問97 DRL(診断参考レベル)で正しいのはどれか。
- 核医学検査には適用しない。
- 一度設定すれば、以後改定する必要はない。
- DRL値を超えて被ばくさせてはならない。
- 国際放射線防護委員会〈ICRP〉が設定するものである。
- 患者の医療被ばくにおける防護の最適化を目的とするものである。
解答・解説を見る
正解:5
- 1 ✗ CT・一般撮影・IVR・マンモグラフィに加え、核医学(投与放射能量)にもDRLが設定されている。
- 2 ✗ 装置や技術の進歩に合わせて定期的に改定する。日本でも DRLs 2015 → 2020 → 2025 と更新されている。
- 3 ✗ 上限値ではない。ここが最大の誤解ポイント。超えたからといって違法でも危険でもなく、「撮影条件を見直すきっかけにする」という位置づけ。診断に必要ならDRLを超えることもありうる。
- 4 ✗ ICRPが示すのは考え方(概念)。実際の数値は各国が自国の実態調査に基づいて設定する。日本ではJ-RIMEが取りまとめている。
- 5 ○ DRLは「自施設の線量が、他施設と比べて極端に高くないか」を点検し、最適化のきっかけにする目安。医療被ばくには線量限度が設けられていないため(患者の利益になる被ばくだから)、そのかわりに最適化を促すしくみとして用意されている。
- 逆に極端に低い場合も注意が必要。画質が診断に足りていない可能性があるため、線量を下げればよいという話ではない。
問98 被ばくとその分類の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
- 航空機の搭乗員の被ばく ────── 公衆被ばく
- 生物医学研究の志願者の被ばく ─── 医療被ばく
- 胸部集団検診の被検者の被ばく ─── 公衆被ばく
- X線撮影時の患者介助者の被ばく ── 医療被ばく
- 放射線業務従事者の胎児の被ばく ── 職業被ばく
解答・解説を見る
正解:2・4
- ICRPは被ばくを3つに分類する。線量限度があるのは職業被ばくと公衆被ばくだけで、医療被ばくには限度がない(そのかわり正当化と最適化が求められる)。
- 1 ✗ 宇宙線による搭乗員の被ばくは、職業被ばくとして管理される。
- 2 ○ 研究に協力する志願者の被ばくは、本人に直接の医学的利益がなくても医療被ばくに分類される。倫理審査と本人の同意が前提になる。
- 3 ✗ 集団検診も医療被ばく。本人の健康のために受ける検査だから。
- 4 ○ 介助者・介護者の被ばくも医療被ばくに含まれる。ここが意外なところ。ただし線量限度はなく、かわりに線量拘束値(dose constraint)が用いられる。
- 5 ✗ 胎児は本人が業務に従事しているわけではないので、公衆被ばくに準じて扱われる。妊娠を申告した従事者には、腹部表面で厳しい管理値が定められる。
- 迷ったら「その被ばくは、本人の医療のためか/仕事のためか/それ以外か」で切り分ける。介助者は「患者の医療のため」なので医療被ばく側に入る。
問99 体幹部に放射線防護衣を着用して業務に従事したとき、頭頸部と腹部につけた個人被ばく線量計の1 cm線量当量が、それぞれ 5 mSv と 1 mSv を示した。実効線量[mSv]はどれか。ただし、不均等被ばくの実効線量 = 0.08 Ha + 0.44 Hb + 0.45 Hc + 0.03 Hm とする。
- 0.85
- 1.44
- 2.88
- 4.56
- 5.00
解答・解説を見る
正解:2
- まず各記号が体のどこを指すかを確認する。
| 記号 | 部位 | この問題での値 |
|---|---|---|
| Ha | 頭頸部 | 5(実測) |
| Hb | 胸部・上腕部 | 1(防護衣の内側) |
| Hc | 腹部・大腿部 | 1(実測) |
| Hm | 4部位のうち最大の値 | 5 |
- 線量計は2個しか着けていないので、防護衣の内側にあたる Hb には、同じく内側で測った腹部の値 1 を用いる。Hm は最大値なので 5。
- 代入する。
- 1 ✗ Hm の項を落とした値に近い。
- 2 ○
- 5 ✗ 頭頸部の実測値をそのまま実効線量としたもの。防護衣の効果をまったく考えていない。
- この式は「防護衣で守られている胴体は低く、守られていない頭頸部は高い」という不均等な被ばくを、全身の平均に直すためのもの。係数の合計は 0.08+0.44+0.45+0.03 = 1.00 になっており、全身をもれなく重み付けしていることが確認できる。
問100 ¹⁸F‑FDGからの線量を約 1/1,000 に遮へいするために必要な鉛厚[mm]はどれか。ただし、¹⁸F に対する鉛の半価層は 4 mm とする。
- 8
- 12
- 21
- 33
- 40
解答・解説を見る
正解:5
- 半価層を n 回重ねると、線量は になる。1/1,000 にしたいので、
- ここで 2¹⁰ = 1,024 ≒ 1,000 を使うのが要点。したがって 。
- 1 ✗ 2半価層(1/4)にしかならない。
- 2 ✗ 3半価層(1/8)。
- 3 ✗ 約5半価層(1/32)。
- 4 ✗ 約8半価層(1/256)。
- 5 ○ 40 mm(4 cm)。
- 覚えておくと速い対応表。
| 減衰させたい割合 | 必要な半価層の数 |
|---|---|
| 1/10 | 約 3.3 |
| 1/100 | 約 6.6 |
| 1/1,000 | 約 10 |
- ¹⁸F は 511 keV の消滅放射線を出すため、診断用X線に比べて透過力が桁違いに高い。PET施設で厚い遮へいが必要になるのはこのためで、1 cm程度の鉛では足りないという感覚を持っておくことが実務でも大切になる。
第75回の 午前の解答・解説 もあわせてご覧ください。